大分商業が夏に限れば13年ぶりとなる、16度目の甲子園出場を決めた。プロ注目の平田玲翔投手(3年)が、全国高校野球選手権大分大会決勝・津久見戦(別大興産スタジアム)で、5回から救援登板し、5回無安打1失点と好投した。1メートル88の長身から最速152キロを誇るプロ注目の二刀流右腕は、プロ5球団が視察に訪れる中、主将としてチームを13年ぶりの聖地へと導いた。
5回からの救援で無安打、マメと制球難を乗り越え
大分商は初回に1点を先行されたが、その裏にすぐさま逆転。4回にも1点を加えると、3―1の5回からエースで主将の平田玲翔投手がマウンドに上がった。「リードを保って絶対優勝する」(スポーツ報知)と強気で立ったが、準決勝の明豊戦で慣れないスプリットを投げ続けた影響で右手中指にマメができ、6四死球と変化球の制球に苦しんだ。
それでも握り方を工夫しながら津久見の反撃を1点(自責点0)にとどめ、許した安打はゼロ。6回2死満塁の場面ではこの日の最速となる150キロを計測し、会場をどよめかせた。スライダーやチェンジアップも織り交ぜて5回無安打投球を続け、最後は一ゴロの送球を自ら一塁ベースを踏み、歓喜の輪の中心となった。「変化球は抜けていたが真っすぐは良かった。アクシデントもあったが、仲間が守備で本当にいいプレーをしてくれたので、励みになって最後まで投げきれた」(スポーツ報知)と振り返った。
母との二人三脚、「お母さんの存在があったから成長できた」
走り高跳びをしていた父と、バレーボール選手として実業団でプレーしていた母を持ち、身体能力の高さはスポーツ一家で育まれたものだ。高校入学時に自宅から学校近くのアパートに移り、母・朋恵さんと暮らし始めた。姉の卒業後、3年生になると同時に朋恵さんと2人暮らしとなった。家では野球の話はあまりしないが、メンタル面やチームのまとめ方については相談もするという。
スタンドから応援していた朋恵さんは「いつも通りに。3年間の中でつらいこともあったと思う。それをぶつけてほしい」(スポーツ報知)と話すと、こらえていた涙が溢れた。試合後、淡々と質問に答えていた平田投手も、母のエールに応えるように「2年半全力でサポートしてくれたり、親子喧嘩もありましたが、お母さんの存在があったから成長できた。本当に感謝している」(スポーツ報知)と目を潤ませた。
プロ5球団が視察、横浜・織田翔希へのライバル心も
高校通算20本塁打の強打に、50メートル6秒0の走力を兼ね備えた身体能力を持つ。この日、スタンドではNPB5球団が視察に訪れた。二刀流としての将来性に、プロも熱視線を送る。
巨人・武田康スカウト:「ポテンシャルが素晴らしい。闘志むき出しのピッチングが魅力。まだまだ伸びしろが期待できる逸材で、非常に楽しみ。二刀流の可能性は持っている。投手としては闘志あふれるアグレッシブなピッチング。甲子園でもひと暴れしてほしいですね」
平田選手は、同世代で最速157キロを誇る横浜高の織田翔希投手を強く意識する。織田投手について問われると「持っているものが違うが、自分も負けるつもりはない。甲子園で当たる機会があれば、証明したい」と話した。
甲子園での勝利は1997年夏が最後で、29年ぶりの白星がかかる。名門の背番号1を背負う平田投手は「大分県は野球が強いことで有名だと思う。津久見や明豊など本当に強いところがいっぱいある。そのチームを代表して行くので、『本当に大分県は野球が強いんだぞ』というのを全国に示したい」と意気込んだ。初めて乗り込む聖地で「大商(大分商)旋風を巻き起こしたい」と誓う主将から、この夏も目が離せない。
【平田 玲翔】 プロフィール
- 氏名:平田玲翔(ひらた・れいと)
- 所属:大分商業高校(3年)
- 出身:大分県玖珠町(森中央小1年時に森エンゼルスで野球を始め、くす星翔中では玖珠ボーイズでプレー)
- ポジション:投手/内野手(二刀流)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:188cm、80kg
- 主な特徴や実績:1メートル88の長身から最速152キロの直球を投げ込むプロ注目の右腕でありながら、高校通算20本塁打、50メートル6秒0の走力を誇る二刀流。1年秋からベンチ入りし、今春から背番号1を背負う主将だ。決勝では5回からの救援で5回無安打1失点と好投し、13年ぶりの夏切符をたぐり寄せた。憧れの選手はソフトバンクの今宮。プロ5球団が視察に訪れる逸材が、初の聖地で「大商旋風」を巻き起こすことを目指す。














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