第108回全国高校野球選手権奈良大会は27日に決勝が行われ、奈良大付のプロ注目右腕・新城楓雅投手(3年)が天理を相手に先発したものの敗れた。身長190センチから最速150キロを投げ込む右腕は、5回まで1安打に抑える粘投を見せたが、6回に3ランを浴びるなど終盤に崩れ、6回1/3を12安打8失点。0―8で敗れ、8年ぶり2度目の聖地出場はならなかった。この日も5球団のスカウトが視察に集まる中、涙をぬぐった右腕はプロ志望届の提出を「出します」と明言した。
5回まで1安打の粘投、しかし6回に均衡崩れる
新城楓雅投手は立ち上がりを捉えられた。初回、先頭に右前打を許すと、2死二塁から4番、5番の連続適時二塁打で2点を先制された。直球を捉えられての失点だった。「初回はストレートだけを狙われていた」と、そこからは変化球を主体に投球を組み立て、低めを意識して修正した。すると2回以降は立ち直り、5回までわずか1安打に抑え込む粘りを見せた。
しかし6回、先頭から2連打を許すと、5番の関村偉千陽内野手に浮いたフォークをバックスクリーンへ運ばれる3ランを被弾。援護のない中で我慢の投球を続けていたが、ここで一気に引き離された。7回にも1死から3連打を含む4安打で3点を失い、無念の降板となった。「球は良かったですが、真っすぐに合わされてしまいました」。この日の最速は148キロをマークするなど潜在能力の高さは示したが、結果は6回1/3を12安打8失点。こらえ切れない涙を流しながらマウンドを降りた。
疲労の中で示した成長、5球団のスカウトが評価
それでもこの夏は大きな財産となった。3回戦ではセンバツ準優勝の智弁学園を相手に150球を投げ抜いて6失点完投勝利。中2日で臨んだ準々決勝の郡山戦でも103球をこなすなど、絶対的エースとしてチームを牽引してきた。疲労が抜けない中での決勝登板で、投球内容の数字だけを見れば苦しかったが、「この夏はピンチでも淡々と抑えられたことが成長です」と、精神的な成熟を口にした。攻略した天理の藤原忠理監督も「疲れがあるのに、気力が本当に素晴らしい」と脱帽した。
この日も5球団のスカウトが視察に訪れ、その評価は高かった。
阪神・筒井スカウト:「春から非常に成長した。フォームの下半身の使い方が安定してきている。上半身に頼らず下半身でしっかり主導して投げている。やっぱりコントロールいいし、特に変化球をゾーンに投げられる。なかなかカウント負けしないピッチャー。ストライク先行でいけるっていうところもかなり彼が持ってる能力の1つ」
千葉ロッテ・榎アマスカウトグループディレクター:「元々変化球を器用に投げられる。カウントでも使えるし、ストライクも取れるし、勝負球としても使えるので、そこは非常に彼の武器じゃないですかね」
プロ志望届提出を明言、次の舞台へ
試合後、新城投手はプロ志望届の提出について「出します」と宣言した。「(奈良大付での2年半は)自分自身が成長できた期間だと思います。プロに行きたい気持ちはあります」と、悔しさをにじませながらも次のステージへの決意を口にした。田中一訓監督は「打たれても最後で頑張って投げることとか、周りに声をかけることとか、人間的な成長はかなりできた。まだまだ本当に持ってるものがあるんで、上の世界で努力して活躍して羽ばたいてほしい」と、教え子の飛躍を願った。
190センチの長身から投げ下ろす角度のある速球と、苦しい展開でも崩れない制球力は、この夏を通じて確かな成長曲線を描いた。悔しさを糧に、プロの舞台での活躍を誓った右腕の挑戦は、ここから新たな勝負が始まる。ドラフト会議では3位前後での指名と予想する。
【新城 楓雅】 プロフィール
- 所属:奈良大学付属高校(3年)
- 出身:奈良県
- ポジション:投手
- 身長:190cm
- 主な特徴や実績:190センチの長身から最速150キロの直球を投げ込む本格派右腕。変化球をゾーンに集めて器用に投げ分ける制球力も持ち味で、カウントを稼ぎながらストライク先行の投球ができる点が評価されている。第108回全国高校野球選手権奈良大会では、3回戦でセンバツ準優勝の智弁学園を相手に150球を投げ抜いて完投勝利。中2日での準々決勝も103球をこなすなど、絶対的エースとしてチームを牽引した。決勝では天理打線に力尽きたが、疲労の中でも気力を振り絞る精神的な強さを示した。プロ志望届の提出を明言しており、次の舞台でのさらなる飛躍が期待される。













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