第108回全国高校野球選手権大阪大会の決勝が28日、大阪シティ信用金庫スタジアムで行われ、2019年夏に全国制覇を果たした履正社が箕面学園に24安打16得点を浴びせて16―2で圧勝し、2023年以来3年ぶり6度目の夏の甲子園出場を決めた。4番で主将の辻竜乃介内野手(3年)が2安打2打点と勝負どころで力を発揮し、今大会打率4割6分2厘、15打点の活躍でチームをけん引した。父は西武・辻竜太郎2軍野手チーフコーチ(50)で、親子2代の甲子園4番出場が現実となった。
3回無死満塁から打線爆発、猛攻で横綱相撲
強打の履正社は初回、この夏初先発の相手投手に三者凡退と、決勝まで勝ち上がってきた箕面学園の力を感じたが、3回に四球や敵失に3安打、犠飛を絡めて打者9人の猛攻を仕掛けた。無死満塁から3番・小杉悠人内野手(3年)が右翼線を破る2点二塁打を放って先制すると、続く4番の辻竜乃介主将が左犠飛を放ち3点目。この回一挙4点を奪った。
勢いに乗る打線は止まらなかった。4回には辻主将の中前適時打を含む3連打を交え4安打で3点を追加。5回にも2死から敵失で出塁すると3連打などで4点を挙げ、前半5回を終えて11―0とした。後半も攻撃の手を緩めず、6回に2点、7回に3点を加点。決勝の舞台で今大会チーム最多を更新する16得点を叩き出した。準決勝までの6試合で50得点3失点という盤石の戦いを見せていた履正社は、決勝を合わせて7戦66得点5失点と、激戦区・大阪を圧倒的な地力で制した。
先発・木村颯が6回2失点、プロ注目右腕・加賀田蒼介も好投
投げては先発のエース右腕・木村颯投手(3年)が6回を5安打2失点。得点圏に走者を進めながらも大量リードを冷静に守り、試合をつくった。7回からはプロ注目右腕の加賀田蒼介投手(3年)が登板し、1回1安打無失点。この日の最速は144キロを計測した。
センバツ優勝の大阪桐蔭が4回戦で大阪立命館に敗れる波乱があった大阪大会。「大阪2強」のライバル対決を待たずして頂点への道が開けた履正社は、夏の大阪大会で直近2年連続の大阪桐蔭コールド負けという屈辱を晴らし、府内公式戦14連勝で大阪の覇者へ返り咲いた。多田晃監督(48)は「打撃のチームなので、打って点を取ってピッチャーを助けてやろうと言っていた。決勝戦で最高の試合ができた」と話した。
3世代プロへ、父から届いた「お母ちゃんのために頑張れ」
勝利の瞬間、辻主将はホットコーナーから仲間が集うマウンドへ駆け寄った。「やっと甲子園に行ける」と達成感に浸った。祖父の哲也さん(24年死去)は中日でプレーし、父の竜太郎さんは西武の2軍野手チーフコーチ。史上初の「3世代プロ」を目指す主将にとって、この日は父の前で決めた特別な一勝だった。NPBが球宴期間に入り、竜太郎さんは今夏初めて現地観戦に駆けつけていた。
決勝当日、父からは「お母ちゃんのために頑張れ」とメッセージが届いていた。寮のない履正社を選んだのは、その父の勧めだった。「将来の夢がメジャーリーガーなら高校で体づくりを頑張ろうよ」。元プロとして高校時代の食育の重要性を痛感していた竜太郎さんは、母・洋美さんのそばで過ごすことを願った。栄養たっぷりの手料理で体重は入学後に5キロ増の88キロまで増量。神戸市内から片道1時間40分かかる通学にも音を上げなかった。「通いは間違っていなかった。一番に感謝するのは両親。自分の体はお母さんによってつくられている。食事が勝てた要因です」(スポーツ報知)と感謝を口にした。
春の府大会では3番だったが、今大会から4番を打った。「4番は打線の要。しょうもない打撃をしたらチームの士気が下がる。責任を持ってやっていきたい」と重責を受け止める。父は松商学園(長野)で1年夏と2年夏に甲子園に出場し、ともに4番を務めた。
当初は「キャプテンには向いていないかな」と見ていた父も「1年間で変わりましたね。責任感が出てきた」と成長を実感し、「みんなと楽しんで本当に甲子園で大暴れしてほしい」と話す。辻主将は「積極的なバッティングでチームを引っ張って行きたい。キャプテンとしてどっしりと構えて甲子園でも堂々たるプレーをしたい」と、2019年以来7年ぶり2度目の日本一へ聖地での躍動を誓った。
【辻 竜乃介】 プロフィール
- 氏名:辻竜乃介(つじ・りゅうのすけ)
- 所属:履正社高校(3年)
- 出身:神戸市(向洋中→ヤング神戸須磨クラブ。小学時代は六甲アイランド少年野球部でプレーし、23年U15日本代表に選出)
- ポジション:内野手(三塁)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:184cm、88kg
- 主な特徴や実績:祖父・哲也さん(中日)、父・竜太郎さん(西武2軍野手チーフコーチ)を持つ野球一家に生まれ、史上初の3世代プロを目指す4番兼主将。母の食育で高校入学後に体重を5キロ増やして体を大きくした勝負強い打者で、第108回全国高校野球大阪大会決勝の箕面学園戦では2安打2打点と活躍し、24安打16得点の大勝で3年ぶりの甲子園出場をけん引した。今大会は打率4割6分2厘、15打点。父と同じ甲子園の4番として、聖地での日本一を目指す。




















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