阪神が今秋のドラフト会議に向け、関西地域プロ野球リーグ・堺シュライクスの田澤徹汰外野手(22)を隠し玉候補としてリストアップしていることが分かった。俊足を最大の武器に、ここまでリーグ戦で33試合で31盗塁をマーク。父は2001年に阪神の快足7人衆「F1セブン」の一人に選ばれた元虎戦士・上坂太一郎氏で、親子二代の虎戦士となる可能性がある。
30メートル走3.87秒、100メートルは10秒88の韋駄天
田澤徹汰外野手は左打ちの外野手として、30メートル走は3.87秒を記録、これは通算6度の盗塁王を獲得している阪神・近本選手が19年の新人合同自主トレでマークしたタイムと同じだ。7月上旬には腕試しとして陸上の大会に出場し、100メートルで10秒88を計測。「足は野球界で一番速いと思う」と話す。
今季から堺に入団すると、同リーグ2位となる打率・375をマーク。そして33試合で31盗塁を決める快足でアピールする。
プロテスト受験へ大学退部、悔しさ糧に異例の道で勝負
父は2000年ドラフト5位で阪神に入団した上坂太一郎氏。2001年には野村克也監督が編成した快足7人衆「F1セブン」の一員に指名され、89試合出場で打率・253、6本塁打、24打点、7盗塁をマークした。田澤外野手はその身体能力を受け継ぎ、三重・津田学園高から進学した中部大2年春に、愛知大学野球連盟リーグで代走だけで8個の盗塁を決めて盗塁王に輝いた。秋には最終戦まで1位と4個差があったが、1試合で4盗塁を記録して盗塁王を勝ち取った。
4年生となった昨年はプロを目指していたものの、春に打率5割近くの結果を残していたが、投球を受けて左手人さし指を粉砕骨折。大事な時期に離脱を余儀なくされた。「僕の中ではアピールできたので、プロにいけると思っていたんですけど、あんまりリストに入っていないみたいな話を聞いた」と振り返る。NPB球団のプロテストを受けるために野球部を退部し、異例の道で勝負に出たが、昨年のドラフト会議では指名されなかった。
阪神・岡本スカウトが定期チェック、リーグ出身選手の実績も後押し
阪神は岡本スカウトが定期的に試合に足を運んでチェックを続けている。同リーグからは昨秋ドラフトで2年連続盗塁王に輝いた兵庫の山崎選手を育成ドラフト2位で指名している。一芸に秀でた田澤外野手も指名の可能性がある。
打撃の姿勢について田澤外野手は「父からは『どんどん失敗して成長しろ』ってよく言われている。盗塁もそうですし、バッティングでも、積極的にガツガツいけと。それを信じてやるだけです」と語り、父譲りの積極性を前面に押し出す。そして、「盗塁の数は100個目指していたんで全然納得いっていないですね。打率も納得いかないですね。最低でも4割は欲しい」と満足する様子はない。
ポテンシャルの高さとハングリーさで、球界屈指のスピードスターに化ける可能性を秘めた韋駄天が、念願のドラフト指名を追いかける。
堺・中圭佑投手も候補、阪神は関西・高校の有力どころも幅広く調査
他にも堺では、抑えを務めるMAX152キロ右腕の中圭佑投手(20)も今秋ドラフト候補として阪神が注目をしている。昨年5月に野手から、山形・酒田南高時代に経験のあった投手へ転向。7月25日のオリックス2軍とのNPB交流戦では1回を三者凡退に封じ「威圧感がありましたけど、自信にはなりました」とうなずいた。指導する元阪神の山本翔也投手コーチは中圭佑投手について、「ポテンシャルは横田(慎太郎)とか高卒で(プロに)入ってくる選手と変わらないくらいすごい。ピッチャーの経験は浅いけど、学んでいったら伸びしろはある」と話す。
阪神は補強ポイントの捕手として、強肩強打の青学大・渡部海捕手をドラフト1位候補にリストアップしている。また、青学大でバッテリーを組む最速154キロ右腕の青学大・鈴木泰成投手や、全日本大学選手権で優勝しMVPに輝いた関大・米沢友翔投手も候補に挙がる。さらに右打ちのパワーヒッターである大商大・春山陽登外野手、最速154キロ右腕の近大・宮原廉投手ら関西の大学生、そして高校生では、横浜高・織田翔希投手、沖縄尚学高・末吉良丞投手、智弁学園高・杉本真滉投手らをリストアップしている。育成でも一芸に秀でた選手を獲得し、1軍に幅広い戦力で厚みを持つチーム作りを進める。
【田澤 徹汰】 プロフィール
- 氏名: 田澤徹汰(たざわ・てった)
- 生年月日: 2003年11月14日(22歳)
- 所属: 堺シュライクス(関西地域プロ野球リーグ)
- 出身: 愛知県春日井市(三重・津田学園高-中部大)
- ポジション: 外野手
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 177cm、72kg
- 主な特徴や実績: 30メートル走3.87秒、100メートル10秒88の俊足を武器とする左打ちの外野手。中部大2年時に愛知大学野球連盟の春秋リーグで盗塁王を獲得した。プロテスト受験のため大学野球部を退部する異例の道を選び、今季から関西地域プロ野球リーグ・堺に入団。33試合で打率・375、31盗塁と快足を発揮している。父は「F1セブン」の一員だった元阪神の上坂太一郎氏で、背番号「43」は父の現役時代と同じ。父譲りのスピードを武器に、悲願のプロ入りを目指す。
【中 圭佑】 プロフィール
- 所属: 堺シュライクス(関西地域プロ野球リーグ)
- 出身: 山形・酒田南高
- ポジション: 投手
- 主な特徴や実績: MAX152キロを誇る右腕。昨年5月に野手から、酒田南高時代に経験のあった投手へ転向した。堺では抑えを務め、7月25日のオリックス2軍とのNPB交流戦では1回を三者凡退に封じた。投手経験は浅いものの、指導する山本翔也投手コーチが「高卒でプロに入ってくる選手と変わらないくらいすごい」と評価する伸びしろに期待がかかる。







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