2年連続31度目出場の天理(奈良)が福山(広島)に7-2で勝利し、4年ぶりの夏1勝を挙げた。主将で4番・遊撃手の金本相有選手(3年)が0-0の4回無死、福山の先発右腕・来山凌也投手(3年)の初球を強振し、左翼スタンドへ飛び込む大会4号の先制ソロ。スタンドで見守った双子の兄と父の前で放った一発が、チームの節目の勝利を呼び込んだ。
初球フルスイングで左翼へ、大会4号の先制ソロ
「前の打席の内容を考えると、真っすぐが来るという読みがあった」。0-0で迎えた4回無死、金本相有選手は来山凌也投手の初球、内角の141キロ直球をひと振りで仕留めた。ナイター照明に照らされた白球は左翼ポール際へ。高校通算8号となる先制ソロに、天理カラーの紫に染まった一塁側アルプス席から大歓声が沸き起こった。
「今まで野球をしてきた中で一番の打球でした。自分たちは監督さんを信じてやってきたので、勝利をプレゼントしたいという思いでした」(デイリースポーツ)。「感触は最高でした。うれしすぎて、その時の景色を覚えていないです」(サンケイスポーツ)と、会心の一撃を振り返った。藤原忠理監督も「あの一振りでベンチが非常に明るくなった」と、重い空気を一変させた主将の千金弾に感謝した。
双子の兄と父が見守る前で、二代で甲子園4番
この一発は、野球一家の期待に応える打棒だった。大阪出身の金本選手には双子の兄・凱将(ときまさ)さんがいる。兄は愛知の強豪・東邦で主将を務め遊撃を守っていたが、今夏は愛知大会準々決勝で敗退。聖地に立てなかった兄は、この日の朝からスタンドに駆けつけていた。「向こうは学校も遠いんですけど、きょうの朝から来てもらって、それも力になりました」と、兄への思いを口にした。
中学3年時に二遊間を組んだ兄は東邦へ、金本選手は天理へと別々の道を歩んだ。「ユニホームがかっこいい。吹奏楽の応援もかっこいい。粘り強い野球、泥臭い野球というところが心に残っていた」と、憧れの伝統校を選んだ。父・吉徳さんも酒田南(山形)で甲子園に3度出場し、02年春夏は4番・一塁で出場した経験を持つ。この日、本塁打を含む2安打を放った金本選手は「父子二代の甲子園先発4番出場」を果たすとともに、父の甲子園通算1安打を超えた。「小さい時から教えてもらって、ホームランという結果になったのがうれしいです」と最高の気分に浸った。
先発全員12安打の猛攻、長尾亮大が13奪三振完投
主将の一発で勢いに乗った天理は、6回に打者一巡の猛攻を見せた。金本選手の四球で口火を切ると4点を奪い、7回と9回にもダメ押しの適時打で加点、先発全員の12安打で快勝した。
守っては、エース右腕の長尾亮大投手(3年)が最速144キロの直球にスライダー、チェンジアップを織り交ぜ、8回まで毎回の13奪三振。8回に3連打で2点を失ったが、131球で完投した。「ここは絶対に抑えないといけないと思って投げました」と、6点リードの8回を粘り、試合を締めた。
金本選手はショートとしてもハンドリングの良さが光る。打撃でもこの甲子園の一発は今後にもインパクトと与えるものとなりそうだ。将来が楽しみ。
【金本 相有】 プロフィール
- 氏名:金本相有(さんゆ)
- 所属:天理高校(3年)
- 出身:大阪府
- ポジション:内野手(遊撃手)
- 主な特徴や実績:チームの主将で4番を担う中軸打者。第108回全国高校野球選手権2回戦・福山戦では、0-0の4回に来山凌也投手の初球を左翼席へ運ぶ大会4号の先制ソロを放ち、2安打2四球でチームの夏50勝&春夏通算80勝到達に貢献した。高校通算8号となるこの一撃は本人が「野球をしてきた中で一番の打球」と振り返る会心の当たりで、酒田南で甲子園に出場した父・吉徳さんに続く父子二代の甲子園先発4番出場も果たした。東邦で主将を務める双子の兄・凱将さんとともに育った野球一家出身で、36年ぶりの夏の頂点を目指す。




















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