センバツ8強の英明(香川)が関東第一(東東京)を4―1で破り、夏の甲子園では2011年以来15年ぶりの白星を挙げた。最速144キロの左腕エース・冨岡琥希投手(3年)が、東東京大会で6試合72得点を誇った強力打線を3安打1失点(自責0)、104球で完投。無四死球を貫く抜群の制球力で、聖地に成長した姿を刻んだ。
徹底したストライク勝負、104球で無四死球完投
冨岡琥希投手が夜風の吹く甲子園のマウンドで淡々と投げ抜いた。相手は東東京大会を6試合72得点で勝ち上がってきた猛打線だが、徹底したストライク勝負を仕掛けた。104球のうちボール球はわずか20球。「打つ印象があっても弱気になっては駄目」と、無四死球を貫いた。
失点は1回、自らの失策も絡んで許した中犠飛の1点のみ。直球の大半が130キロ台中盤とやや走らない状況だったが、「チェンジアップが生きた」と長打を一本も許さず、被安打3に封じた。「テンポの良い投球が一番の持ち味。相手も打ってきてくれたので、ストライク先行で投げようと考えていました」(サンケイスポーツ)と、緩急をつけた本来の投球で強力打線をほんろうした。
王者・大阪桐蔭から学んだ制球力、悔しさを糧に進化
冨岡投手は明治神宮大会、センバツなど数々の大舞台を経験しているが、センバツ準々決勝では優勝した大阪桐蔭との試合で。同点の6回に真ん中付近への失投を勝ち越し本塁打にされ、8回4失点で3―4と競り負けた。敗戦直後、仲間から「長打を防ぐには変化球を磨く必要があるんじゃない?」とアドバイスを受け、変化球の精度を磨いてきた。それと同時に投球術を磨いてきた。「メンタル面でも強豪と対戦できたことは成長につながった」と話す。「僕は一球の怖さを知っている。この夏は絶対に失敗しない」と力を込めた。
7回の集中打で逆転、“親子勝利”で香川監督も三度目の正直
打線もエースの熱投に応えた。1点を先制された3回、1死一、三塁から松本一心選手(3年)の三ゴロが相手の失策を誘い、同点に追いついた。1―1で迎えた7回には1死満塁の好機をつくり、3番・松原蒼真選手(3年)が中越えに走者一掃の適時二塁打を放って3点を勝ち越した。
香川純平監督(40)にとって特別な勝利だった。15年前に監督として英明に勝利をもたらしたのは父の智彦さんで、この日が69歳の誕生日だった。純平監督は19年に就任し、23、24年夏の甲子園ではともに1回戦で敗れており、この日、三度目の正直で、親子での甲子園勝利を果たした。「父親から受け継いだこのチームで勝つことができてうれしいですし、感謝の思いです」とかみ締めた。春夏連続での初戦突破は、香川勢では02年尽誠学園以来24年ぶりの快挙となった。英明は2回戦で大分商(大分)と対戦する。
【冨岡 琥希】 プロフィール
- 氏名:冨岡琥希(こうき)
- 所属:英明高校(3年)
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速144キロを誇る英明の左腕エース。緩急とチェンジアップを軸にした制球力が持ち味で、今春センバツでは8強入りを果たした。第108回全国高校野球選手権大会1回戦・関東第一戦では、優勝候補の強力打線を相手に無四死球で3安打1失点(自責0)の完投勝利を挙げ、チームを15年ぶりの夏白星に導いた。今夏の香川大会決勝・高松商戦では延長10回タイブレークを180球で投げ切った底力を持ち、「目標は優勝」と新たな歴史へ意気込む。











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