センバツの準優勝エースで、今秋のドラフト候補に挙がる智弁学園(奈良)の最速149キロ左腕・杉本真滉投手(3年)が7月16日、さとやくスタジアムで行われた第108回全国高校野球選手権奈良大会2回戦・香芝高戦に先発し、2回を無安打無失点、4奪三振と好投した。チームは初回に打者13人の猛攻で一挙10点を奪うなど打線も爆発し、15-1の5回コールドで初戦を突破。バックネット裏には阪神、中日、千葉ロッテの3球団のスカウトが視察に訪れる中、雪辱を期す智弁学園の夏が好スタートで幕を開けた。
変化球中心にモデルチェンジ、公式戦復帰のマウンドで2回無安打4奪三振
杉本真滉投手は初回、四死球と犠打で1死一、二塁のピンチを招く立ち上がり。それでも4番打者を低めの変化球で空振り三振に斬り、続く打者を左飛に仕留めて無失点で切り抜けた。2回は3つのアウト全てを変化球での空振り三振で奪った。この日の最速は145キロ。直球に切れ味鋭い変化球を織り交ぜ、相手打線に的を絞らせなかった。
試合後、杉本投手は「久しぶりの公式戦で硬さがあり、思うような投球ができなかったことは反省。個人的には最低な内容だった。それでも、これまでなら直球に頼っていたところを(変化球を増やして)修正できたのは成長なのかなと思います」(スポーツニッポン)と厳しく自己分析しつつ、「変化球でバッターの芯を外したり、低めに投げることを意識してきました」(サンケイスポーツ)とこの日のテーマを明かした。
今春の県大会では登録外で、公式戦登板は3月のセンバツ決勝以来だった。「(選抜後は)1カ月ほど試合で投げずにもう一度(投球を)見直す期間にしていた」(デイリースポーツ)と明かした通り、投球を根本から見つめ直す時間に充ててきた。センバツでは全5試合に登板し3完投とチームの準優勝を支えたが、決勝の大阪桐蔭戦では7回7失点。「1週間500球」の投球数制限まで残り3球となる球数128でマウンドを降りた。「球数(制限内)で投げきれなかった。カウントを良くしたり、もう一度見直さないといけないと思いました」(サンケイスポーツ)と向き合ってきた課題への答えが、変化球を軸にした新しい投球だった。
阪神は3人態勢で視察、筒井スカウト「一番良いところは体の強さ」
バックネット裏には阪神、中日、千葉ロッテのNPB3球団のスカウトが集結し、左腕の投球に視線を注いだ。阪神は夏の初戦から3人態勢を敷く力の入れようで、今秋のドラフトへ注目度の高さをうかがわせた。
阪神・筒井スカウト:「初戦で硬さはあったが、しっかりと(調子を)合わせてきた印象。一番良いところは体の強さ」
猛暑の中で連戦を投げ抜く体力は夏の必須条件であり、センバツ全5試合登板を支えた体の強さはスカウトの目にも確かに映った。杉本投手は試合後、「プロの道に進みたいです」(スポーツニッポン)と今秋のプロ志望届提出を明言した。
センバツ準優勝の雪辱へ負けられない夏が開幕
打線も初戦から爆発した。初回に打者13人の猛攻で一挙10点を先制すると、2回にも3本の適時打などで4点を追加し、3回には犠飛で15点目を挙げた。2本の適時打を放った2番・馬場井律稀外野手(3年)など主軸が火を吹いた。
小坂将商監督(48)は「杉本はあまり調子が良くなかった」(デイリースポーツ)と指摘しつつ、「初回から野手陣がしっかり点を取ったのが良かった」(デイリースポーツ)とエースを援護した攻撃陣を評価した。
昨秋の明治神宮大会、今春のセンバツといずれも決勝で涙をのんだ智弁学園が目指すのは頂点だけ。夏の選手権は22回の出場を数えながら優勝経験がなく、悲願の全国制覇が懸かる。杉本投手は「3年全員の思いを背負ってこの夏は勝ち続けたい。甲子園で優勝してプロの道へ進みたい」(デイリースポーツ)と話し、プロへのラストランをできるだけ長いものにする。次戦は20日の3回戦で奈良大付高と対戦する。
【杉本 真滉】 プロフィール
- 氏名:杉本真滉(すぎもと・まひろ)
- 所属:智弁学園高校(3年)
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速149キロの直球に変化球を織り交ぜる、今秋ドラフト候補のプロ注目左腕。今春のセンバツでは全5試合に登板して3完投し、チームの準優勝に貢献した。決勝の大阪桐蔭戦で7回7失点で降板した悔しさを糧に投球を見直し、夏の奈良大会初戦・香芝高戦では変化球中心の投球で2回無安打無失点、4奪三振と好投。阪神・中日・千葉ロッテの3球団のスカウトが視察に訪れ、阪神・筒井スカウトから体の強さを高く評価された。試合後には今秋のプロ志望届提出を明言しており、甲子園での全国制覇とプロ入りを目指す。











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