高校野球埼玉大会では花咲徳栄が聖望学園に6-0で勝利し甲子園出場を決めた。プロ注目の152キロ左腕・高橋昂也投手が9回4安打完封し、視察した巨人GMなどが絶賛している。
4奪三振に進化
高橋昂也投手は今大会はこれまで5試合に登板し28イニングで48三振を奪っていた。しかしこの日は三振は4つのみ、それでも聖望学園打線を4安打に抑えて完封した。高橋投手は春に背筋を痛めてから下半身を鍛え、それほど力を入れなくても強い球が投げられるようになると、「力を入れる、抜く」を考えるようになった。そしてこの日は3回に肩がつりそうになったというが、変化球も織り交ぜて抜く投球で打たせて取るピッチングを見せた。三振が少なかった事に逆に進化を感じさせた。
それでもこの日も球速は148キロを記録、速球と変化球に球速に進化した投球術を手に、3度目の甲子園に向かう。
6球団スカウト視察
この高橋投手にはこの日は巨人の堤GMが視察するなど注目度も高まっている。堤GMは「球に力がある。高校生の左であれだけ投げられるのはそういない。うちのリストにはあるし、注目している」と話した。
また、東北楽天の沖原スカウトは「ここまで良くなるとは驚き。力みがないからリリースに力が入る。1位も十分ありそう。」と話すと、福岡ソフトバンクの山本スカウトも「春とは別人、1番成長していると言ってもいい。びっくりしている。フォークやスライダーもいい。大卒と同じくらいの感覚がある」と評価した。中日の正津スカウトは「速いだけじゃなく球が重い。うちの小笠原慎之介みたい。即戦力に近い。甲子園でも上に行けば1位の可能性がある。」と話した。
注目された左腕がいよいよ高校NO.1左腕の座をかけて戦える状態まで成長した。甲子園ではすでに木更津総合・早川隆久投手や常総学院・鈴木昭汰投手などが出場を決めている。履正社の寺島成輝投手も出てくれば、左腕の競演が注目されそうだ。
「“力を入れる”、“抜く”を考えろ」――。ヤンキース・田中らプロの一流投手が実践するメリハリをつけた投球。エースはその言葉を言い聞かせた。センバツ後、自宅から9キロある学校までリュックを背負って走って通った成果で尻から太腿にかけて一回り大きくなった。上体に頼らず下半身主導のフォームとなり、体力を温存できるようにもなった。この日の最速は148キロ。自己最速に2キロ及ばず、三振も4個と少なかったが、今大会の奪三振率は実に12・65を記録した。
連投のマウンドで最速148キロを計測。奪った三振は4つでも、八回まで二塁を踏ませず。左肩の張りを感じながらも、最後までマウンドに立ち続けた。初回から味方の援護にも恵まれ、危なげなく投げ切った。
巨人は今秋のドラフト1位候補に当たるAランクに8人をリストアップ。高校生では堤GMが25日に視察した横浜の右腕、藤平と大阪・履正社の左腕、寺島の2人が入っている。8月に予定されるスカウト会議では高橋昂がAランクに加わる可能性が高くなった。
巨人堤GMが27日、花咲徳栄・高橋昂也投手を視察した。「春からリストにありましたが、担当(スカウト)から『急成長している』という報告が来ていたので、1度見ておこうと思いました。球の力がありますね。高校生の左投手であれだけ投げられる選手はそういないと思います」と評した。
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