3年ぶり3度目の出場となった社(兵庫)のプロ注目右腕・岩井秀耶投手(3年)が、甲子園のマウンドで完投した。8月11日の2回戦で強打の智弁和歌山と「近畿対決」に臨むと、9回103球を投げて8安打2失点。自らが掲げた「甲子園で150キロ」もクリアしたが、勝利にはあと一歩届かず1点差で敗れた。試合を終え「これで3年間がほんまに終わったんやな」と号泣し、今後については大学に進学することを表明した。
初回に目標の150キロ、粘りの投球で強打線に立ち向かう
岩井秀耶投手は立ち上がりの初回、2死から相手の3番打者を2ストライクと追い込むと、3球目に真ん中低めへこの日最速となる150キロを計測。二塁打とされたものの、自己最速の151キロに1キロと迫る速球で、今大会3人目となる大台に乗せた。「そこまで気にはしていなかったけど、とりあえず目標にしていた150キロを甲子園で出せたというのは、ひとつうれしいこと」と納得の表情を見せた。
しかし、2回の先頭打者に右翼フェンス直撃の三塁打を浴びると、二ゴロの間に走者が生還して先制点を献上。3回にも1点を失ったが、4回以降は走者を背負いながらも無失点で切り抜けた。スリークオーターのしなやかな腕の振りから繰り出す直球に、要所ではスライダーやスプリットなどの変化球を交え、全国屈指の智弁和歌山打線を封じていく。「気持ちだけは絶対に負けないでおこうと。いつ潰れてもいいくらい全力で投げていました」と、最後まで1人で投げ抜いた。
届かなかった1点
しかし、序盤に失った2点が最後まで重くのしかかり、接戦で敗退した。兵庫大会では岩井投手を含む計5投手が7試合でわずか3失点、チーム防御率0・32という盤石の継投で勝ち上がってきた。その決勝では、岩井投手がアクシデントで降板し負けている場面から、小倉臣斗選手が逆転2ランを放って救った。
岩井投手は「自分が打たれて代わって、負けているのに小倉がホームランで返してくれたり…。ホンマにこのみんなと3年間できたことは楽しかった」と、大粒の涙で仲間との日々を振り返った。
大学からプロへの誓い
今大会で150キロの大台に乗せたのは岩井投手で3人目。すでに大分商の平田玲翔投手(3年)が151キロ、横浜の織田翔希投手(3年)が154キロをマークしている。
卒業後は大学進学を表明しており、「いまはまだ体も小さい。4年間やるべきことをしっかりやってプロを目指す」と誓う。「ゼロに抑え、勝てる投手になりたい」。生まれ育った地の聖地で流した涙を糧に、次の舞台へと歩みを進める。
【岩井 秀耶】 プロフィール
- 氏名:岩井秀耶(しゅうや)
- 所属:社高校(3年)
- 出身:今津ファイターズ(少年野球時代)
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:最速151キロの力強い直球に、スライダーやスプリットなどの多彩な変化球を操る社のエース右腕。スリークオーターのしなやかな腕の振りが持ち味で、「粘りのピッチング」を信条とする。3年ぶりの甲子園出場となった2回戦の智弁和歌山戦では9回8安打2失点103球の完投を見せ、初回には目標に掲げていた150キロを計測した。卒業後は大学に進学し、体づくりに取り組みながらプロ入りを目指す。

















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