東都大学野球の1、2部入れ替え戦2回戦が24日、神宮球場で行われ、1部6位の東洋大が2部1位の専大に5―3でサヨナラ勝ちした。同点で迎えた9回2死二塁、山内教輔選手(3年)が人生初となる劇的なサヨナラ2ランをバックスクリーンへ放ち、1勝1敗のタイに持ち込んで1部残留に逆王手をかけた。
9回2死、バックスクリーンへ消えた起死回生の一発
劇的な一発だった。3―3で迎えた9回2死二塁、初戦で負けており、この試合で負ければ2部降格が決まる後がない試合の最後の打者として山内教輔選手が打席に入った。マウンドには、前日の1回戦で1失点完投勝利を許した専大のエース・梅澤翔大投手。この日は同点の8回途中から5番手で登板していた相手に、「今日は絶対打ってやる」と闘志を燃やしていた。
3球で追い込まれたが、ここからファウルで粘る。「真っすぐに振り遅れていたので、拳1つ分、バットを短く持った」(日刊スポーツ)と打席の中で振り遅れを修正し、最後の2球はバットを短く持ち替えた。そして12球目、147キロの直球を完璧にとらえると、白球はセンターバックスクリーンへ吸い込まれた。ベンチから選手全員が両手を挙げて飛び出し、本塁で迎え入れた。
右こぶしを何度も突き上げた本人も、起きたことが信じられなかった。「何が起こったのか分からなかった。本当に自分が打ったのかな…って」と山内選手。整列のあいさつの輪に加わって、ようやく「あぁ、打ったんだな…」と喜びをかみしめた。1年時には2部も経験しており、土壇場で1部残留の望みをつなぐ価値ある一発となった。
井上監督が課した試合当日の「500スイング」
劇打の裏には、指揮官が課した異例の練習があった。前日の1回戦は梅澤翔大投手の前に5安打1得点と投打に精彩を欠き、1―9で大敗した。そしてこの日の神宮へ向かう前の打撃練習で井上大監督が打者陣にティー打撃での500スイングを指示した。
「試合当日にするのは初めて。しんどいので『本当にやるのですか?』という感じでしたが、『このぐらい振ったんだ』という気持ちで試合に臨むことができました」(スポーツ報知)と過酷なノルマが自信に変わった。井上監督も「(山内は)勝負強いところがあるので『打ってくれ!』と祈っていました。やったことが報われてよかったです」(スポーツ報知)と笑顔を見せた。
決着の第3戦
25日の第3戦に勝てば1部残留が決まる。井上監督は「最後は気持ち。うちは1部に残りたい。専大さんは1部に昇格したい、という気持ちのせめぎ合いでしょう」と決着の一戦を見据えた。山内選手も「またこの神宮でやりたいので、全員で勝ちに行きたい」と意気込んだ。クリーンアップの仕事を果たした右の好打者が、チームを残留へと導けるか。決着の第3戦に注目が集まる。
【山内 教輔】 プロフィール
- 氏名:山内教輔
- 所属:東洋大学(3年)
- 出身:東海大相模高
- ポジション:外野手
- 主な特徴や実績:「5番・右翼手」を任されるクリーンアップの一角で、勝負強さが持ち味の右の好打者。東都大学1、2部入れ替え戦の専大戦では、3―3の9回2死二塁から147キロ直球をバックスクリーンへ運ぶ人生初のサヨナラ2ランを放ち、東洋大の1部残留に逆王手をかけた。土壇場で結果を出す勝負強さを武器に、さらなる飛躍が期待される。













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