夏初優勝を目指す健大高崎(群馬)の2年生エース右腕・石垣聡志投手が、大一番へ照準を合わせた。夏の甲子園大会の決勝で対戦するのは、準決勝で横浜(神奈川)の最速157キロ右腕・織田翔希投手(3年)を攻略した強打の智弁和歌山。今大会5試合でわずか2失点、防御率0・20という鉄壁の投手陣を率いる背番号1は、前日の21日、大阪・豊中市内での最終調整をキャッチボールとランニングで軽やかに終え「気負わずに、良い意味で気楽に投げられれば」と自然体で頂上決戦に備えた。
防御率0.00の右腕、「自分のピッチングをぶつける」
石垣聡志投手はここまで4試合で20回1/3を投げ、わずか1失点(自責点0)と防御率0・00を維持してきた。野手兼任を含めメンバー20人のうち8人が登板可能という健大高崎の豊富な投手陣にあって、長いイニングを担う右腕の存在は際立つ。「後ろにたくさんのピッチャーが控えているというのは、マウンドに上がるにあたって少し安心できる材料になる」とうなずいた。
大会チーム打率3割超を誇り、準決勝で織田翔希投手から14安打7得点を奪った智弁和歌山打線が相手でも、石垣投手に気負いはない。「自分のピッチングを変えることはない。自分のピッチングを相手にぶつけていけばいい」と話す。「いいカウント、自分のカウントを作ってから勝負する投球ができれば」と、常に優位のカウントで勝負する事をポイントとした。最速148キロの直球に、カーブやカットボールなど4種の変化球を織り交ぜる投球術に、青柳博文監督(54)も「甲子園で一試合一試合、良くなっている。真っすぐもいいけど、カットボールなど変化球も非常にいい」と信頼を寄せる。
1―0の9回2死満塁、5球のカットボールで締めた準決勝
決勝進出を決めた20日の天理(奈良)との準決勝で、石垣投手は勝負強さを見せつけた。1点リードの9回2死満塁、一打逆転の大ピンチで救援登板すると、天理の5番・関村偉千陽選手を相手に5球すべてカットボールを投げ込み、空振り三振に仕留めてチームを救った。健大高崎はこの試合を1―0で制し、1大会3度目の1―0勝利という春夏通じて甲子園初の記録を打ち立てた。
女房役の大岩翔斗捕手(3年)も、迷いなくカットボールを5球続けて要求した。「カットボールは、石垣聡志の一番の持ち味。三振を取ったのでアピールしました」と話す。決勝でも堅守を軸にロースコアへ持ち込むのが健大高崎の理想だ。大岩捕手は「相手の方が力があると思うので一歩引いたら負け。ゾーンで勝負して、守備でも攻めて攻めていきたい」と意気込み、打率7割1分4厘の智弁和歌山の3番打者を「特に注意したい」と警戒した。青柳監督が「1点差で勝っていく試合展開が望ましい」と語る「守」のチームは、5試合中3試合を1―0で競り勝ってきた。
二刀流の佐藤麻恩投手(3年)が入念な打撃練習で備えた。準決勝では先発して7回1/3を無失点に抑え、決勝打も放って勝利に貢献した右腕は、決勝では4番として打撃に軸足を置く。「4番打者としてプライドを持って全力で頑張りたい」と力を込めた。
同姓の先輩・石垣元気からの「期待してるぞ」
大舞台で輝くためのメンタルは、尊敬する2人の先輩から受け継いだものだ。2学年上で2024年春のセンバツ優勝に貢献したロッテ・石垣元気投手と、オリックス・佐藤龍月投手。石垣元気先輩からは今大会中に激励の連絡が届き、「大会中に連絡をもらって、『期待してるぞ』と言われた」と話す。
在校中からかわいがられた佐藤龍月投手からは「楽しんでやることが一番だよ」との教えを受けた。打者を圧倒する2人の背中からは「雰囲気に流されずに自分の投球を意識する」大切さも学んだ。群馬大会では3登板で9回1/3を投げて3失点と思うような投球ができず、「周りが甲子園に向けて喜んでいる中で、自分は素直に喜べない気持ちもあった」と悔しさを味わった。その思いを練習にぶつけ、聖地でエースへと成長した。
センバツを制した先輩に続き、夏の甲子園を制す。「最後は気持ちの勝負だと思う。勝ちにこだわりたい」と石垣投手は闘志を燃やす。矛と盾の激突となる決戦で、「自分の力がどこまで通用するのか試したい」と話した。
【石垣 聡志】 プロフィール
- 氏名:石垣聡志(そうし)
- 所属:健大高崎高校(2年)
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:最速148キロの直球に、カーブやカットボールなど4種の変化球を織り交ぜる健大高崎の2年生エース右腕。ゾーン内で自分のカウントをつくって勝負する投球術が持ち味で、防御率0・20の投手陣を大黒柱として支える。第108回全国高校野球選手権大会では4試合で20回1/3を投げて1失点(自責0)と防御率0・00を維持。天理との準決勝では1―0の9回2死満塁からカットボール5球で空振り三振を奪い、チームを決勝へ導いた。同姓の先輩・ロッテ石垣元気投手らの教えを胸に、夏の初優勝を目指す。
















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