第108回全国高校野球選手権大会で16強入りを目指した岡山学芸館(岡山)は、8月14日の2回戦で花巻東(岩手)に1―4で敗れた。プロ注目の4番打者・池本優司外野手(3年)は、天国で見守る父から授かった助言を心のお守りに、7回に甲子園初安打となる左前打を放ったが主砲としての役割は果たせず、涙と共に甲子園を後にした。
天国の父から授かった「深呼吸」の助言
池本優司選手は「打席で深呼吸をしたらいいからね」という父から授かった助言を実践する。その一言を心のお守りとし、気持ちを落ち着かせて戦ってきた。高校1年の時に、父をがんで亡くした。それでも「中途半端に野球に取り組む姿なんて、お父さんは見たくない」と、弱音を吐かずに厳しい練習に耐えてきた。母・ゆかりさんには「つらいけど、ここで心が折れるわけにいかないから」と口にしたこともある。懸命に顔を上げる息子に、母は「ただただ前を向き頑張る姿に救われました」と元気づけられたという。その母の首元には遺灰の入ったペンダントがあり、試合観戦の時は必ず身につけ、一緒に応援してきた。
応援に駆けつけた時の父は、いつもグラウンドから離れた場所で見守っていたという。この日は、深呼吸をして整った心で7回に左前打を放ち、甲子園初安打を決めた。「甲子園でも楽しくプレーするという成長を見せられたかな」と、聖地での一打を振り返った。
8打数1安打で終戦、追い上げの好機に空振り三振
試合は強豪・花巻東に善戦したものの、1得点しか奪えなかった。守備でも7盗塁を許して足で翻弄され、佐藤貴博監督(43)は「ケアもしていたんですけど決められた。隙を全部突かれた」と振り返った。
4点ビハインドの8回、1点を返してなお2死三塁の好機で池本選手に打席が回った。しかし空振り三振に倒れ、天を仰いだ。今大会は8打数1安打4三振と、高校通算17本塁打を誇る実力は鳴りを潜めた。「試合で練習してきたことを100%で出し切ることができなかった。悔しいです」と肩を落とした。最終打席については「今みたいにフルスイングばかりしていたらリストが残せない」と反省の言葉も口にした。
それでも「1年生の頃から全て夏は甲子園で終わらせていただいた。自分たちの代でも甲子園で終われたのは今後の野球人生でもいい経験になった」と前を向いた。強豪校と言われる相手との試合で高校野球を締めくくったことを、次のステージへの糧とする。
大学進学を選択、4年後のプロ入りへ
池本選手にはプロも注目しており、その進路の決断が注目されていたが、プロ志望届については「出さない方向。大学(進学希望)です」と明言した。「大学4年間を経てプロ野球選手を目指します」と、その先を見据える。「4年間あるんで、そういった中で自分の弱みだったりをつぶして、プロに行きたい」。声をかけてもらった人たちの期待に応えるためにも、大学で4年間鍛え直す決意だ。
「いろいろ声をかけてもらった人たちの期待に応えるために4年間頑張りたい」。高校野球で残した悔いは、次のステージへの糧となる。プロ注目のスラッガーが、4年後にどれだけ成長してドラフト候補として注目される選手になるのか、父親も見守っていることだろう。
【池本 優司】 プロフィール
- 氏名:池本優司
- 所属:岡山学芸館高校(3年)
- ポジション:外野手
- 投打:左打
- 主な特徴や実績:高校通算17本塁打を誇るプロ注目の左のスラッガーで、チームの4番を務めた。父の助言である「深呼吸」を心のお守りに聖地の舞台で戦い、2回戦の花巻東戦では甲子園初安打となる左前打を放った。卒業後はプロ志望届を提出せず大学進学を選択し、自身の弱点を克服して4年後のプロ入りを目指す。














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