第108回全国高校野球選手権大会は20日、甲子園で準決勝2試合が行われる。夏初の4強に勝ち上がった健大高崎(群馬)のキーマンは、攻守の中心を担う捕手・大岩翔斗捕手(3年)だ。青柳博文監督(54)も、天理・藤原忠理監督(60)も、大岩捕手を挙げた。大岩捕手も「無失点が大前提」と話し、豊富な投手陣をリードして決勝進出を目指す。
両監督がそろって指名、投手陣を束ねる正捕手
健大高崎を率いる青柳監督は、天理との準決勝のキーマンを問われ「やっぱり大岩。大岩がうちの投手陣を引っ張ってくれているんで」と、迷わず大岩翔斗捕手の名を挙げた。豊富な投手陣を抱え、継投を軸とするチームにあって、大岩捕手はここまで4試合で6投手をリードし、失点はわずか2。2試合を完封勝利に導いてきた。「うちの投手陣を引っ張っている」(スポーツニッポン)と、指揮官の信頼は厚い。
迎え撃つ天理の藤原監督も、警戒する健大高崎の注目選手に、自身と同じ捕手出身という縁もあってか大岩捕手を挙げた。「やはりキャッチャーの大岩君ですかね。彼が中心ですよね。野手全員がピッチャーいけるんじゃないかというぐらい、もう色々な投手を抱えている。どのピッチャーが出てきても彼はしっかりとその特徴を生かしてゲームプランをしている。それから打線でも軸を打っている。大岩君をどう本当に抑えていくか、また攻略をしていくか。対ピッチャーではなく、配球も含めてどう攻略をしていくか。これが一つの鍵になるんじゃないか。私もキャッチャー出身なんで、そういうところで見ています」(日刊スポーツ)と、攻守両面で要となる大岩捕手を最大限に警戒した。
「とにかくゾーンで勝負」守りを攻撃につなげる
大岩捕手も準備は万全だ。継投で臨む方針の中、「無失点が大前提。しっかりゾーンに投げさせて球数を少なく、守りを攻撃につなげたい」と力を込めた。リードの信条も明快で、「とにかくゾーンで勝負するということを一番重視しているので、とにかく本人が持ち味としている球はしっかり投げさせるというところは徹底していきたい」と気合十分だ。
守備の要であると同時に、「5番」を打つ打線の軸でもある。ここまで14打数6安打と当たっており、打撃練習にも時間を割いた。「今日も調子はよかったので、心配ではない。ただ調子がいいと気持ちが先行しちゃうので、しっかり地に足着けて、チームのプラスになるようにしっかり塁に出ることを意識していきたい」と、好調ゆえに冷静さを忘れなかった。
その大岩捕手がリードするマウンドでの中心選手が、2年生エースの石垣聡志投手(2年)だ。準々決勝の有明(熊本)戦では延長10回を110球、5安打で完封。「昨日はゼロで抑えて勝ったので、次も勝てるように準備をしました」と連投も辞さない構えで、肩や肘の張りについても「結構、肩、肘の張りは出ているけど、嫌な張りではない。明日投げる場面があっても、しっかり準備していけると思う」と説明した。有明戦では再三走者を背負いながら本塁は踏ませず、「もし点を取られても、野手陣が打ち返してくれるという信頼があったので、自分は思い切ってゾーンで勝負できた」と、大岩捕手との呼吸で「0」を並べ続けた。健大高崎の投手陣は4試合で6投手が登板し防御率0.24と盤石。この投手陣を束ねる大岩捕手の配球が、勝敗を分ける。
“谷間の世代”を変えた「健闘心」、下克上へ総力戦
快進撃の裏には、3年生の意地がある。石垣元気(千葉ロッテ1位)、佐藤龍月(オリックス3位)らを輩出した前世代が引退した後、昨秋の県大会はベスト8で敗退し、谷間の世代と言われたこともある。そこで主将の石田雄星選手(3年)を中心に選手間でミーティングを重ね、弱さを自覚して基本に忠実な健大高崎の野球を貫くという意味を込めた合言葉「健闘心」を掲げた。石田選手は「どうせ勝てないだろうという心の隙がなくなった」と語り、これを契機にナインは結束を深め、堅守を中心とした野球を取り戻した。
今大会打率・438の石田主将は、100年以上の歴史を持つ古豪との一戦を「下克上というか。力でいうと自分たちが下」と分析。それでも全員の帽子に刻まれた「健闘心」を胸に、「アルプススタンドにいるメンバーも含めて、健大全員で戦っていけたら」と、県勢では2013年の前橋育英以来13年ぶりの頂点を見据えた。青柳監督も「非常にバッティングもいいですし、守りもいいチームですね。本当に格上ですからチャレンジャー精神でやるのみです」と気を引き締める。2024年センバツで甲子園初優勝を経験しているが、「夏の価値と春の価値は全く違うと思いますから。そういう意味では本当の初優勝」と、選手権での勝利にこだわった。
攻守で健大高崎を支える大岩捕手が、古豪の壁を越え、夏初の決勝進出を手繰り寄せられるか。
【大岩 翔斗】 プロフィール
- 氏名:大岩翔斗
- 所属:健大高崎高校(3年)
- ポジション:捕手
- 主な特徴や実績:健大高崎の正捕手で、豊富な投手陣を束ねる攻守の要。第108回全国高校野球選手権大会ではここまで4試合で6投手をリードし、失点はわずか2点、2試合を完封勝利に導いた。準決勝では対戦相手の天理・藤原監督と、自軍の青柳監督の両者からキーマンに指名される存在感を放つ。「とにかくゾーンで勝負する」を信条に、投手の持ち味を引き出す配球が持ち味。打っては「5番」を任され14打数6安打と当たっており、守備だけでなく打線の軸としてもチームを支える。夏初の決勝進出を目指し、要としてマスクをかぶる。














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