仙台育英(宮城)のプロ注目右翼手・田山纏選手(3年)がこの日、全国高校野球選手権大会3回戦の拓大紅陵(千葉)との一戦で「4番・右翼」で先発すると、1回2死三塁から先制の適時内野安打を放ち、これで仙台育英は宮城大会から8試合連続の先制点、準優勝した2023年以来となる3年ぶりのベスト8入りに貢献した。
初回に先制打、8試合62イニング一度もリードを許さず
試合は初回の仙台育英、2死三塁の好機で打席に入った田山纏選手は、緩い内角のカーブに泳がされながらも、二塁深くへしぶとく打球を運んで先制の適時内野安打とした。「大切にしている『先制点』を自分のバッティングで取れたことは、とても良かった」と振り返る。1回戦の札幌日大戦では大会第1号本塁打、2回戦の花咲徳栄戦でも唯一の得点となる先制打を放っており、これで3試合連続の打点となった。
この先制打を皮切りに、仙台育英は初回に一挙3点を先取。この日は3試合目で初の2桁となる14安打を放って打ち勝ち、6―3で逃げ切った。宮城大会から計62イニング、一度もリードを許していない。
雨天中断も動じず、勝負どころで再び三塁打
3点リードで迎えた4回、突然の雨で試合は37分間の中断となったが、田山選手は中断の間、周りの選手と相手投手の特徴を共有したり、自身の打席での感覚を振り返ったりして過ごした。「1回気持ちは切って、リラックスしてから再開前に締め直しました」。開幕試合や2回戦の雨中の投手戦を経験してきたチームは、この日の中断も落ち着いて受け止めた。
2点差に迫られた直後の7回、田山選手は再び勝負強さを見せた。先頭でスライダーを捉え、右中間フェンス直撃の三塁打でチャンスメイク。「拾った感じです」と語ったが、上半身が残ることでタイミングを外されても体勢は崩れない打撃で、次打者の右犠飛で生還し、傾きかけた流れを止めた。「相手に点を取られた後で、すぐに返せたのは大きかった」と冷静にうなずいた。
中日の永野吉成チーフスカウトも、その打撃を高く評価した。
中日・永野吉成チーフスカウト:「上半身と下半身のねじりを使い打球を飛ばすことができる。木製バットでも打てるはず」
甲子園に居残って視察を続けており、注目度の高さがうかがえる。
「特殊能力」と評される強い振り、多才な素顔
頼れる4番に須江航監督の信頼は厚い。「晴れも雨も、1対0も、何回でも延長でもどんな投手でもずっと同じスイング」と、田山選手の安定した振りを「特殊能力」と評す。「素振りと打席の中でのスイングスピードの落ち幅が少ない。全国の球児の中でもトップクラス」と絶賛した。
様々な事で能力を見せる。3歳から兄弟で始めたピアノは、学校でも伴奏を務めるほどの腕前で、書道の教員免許を持つ母の影響か字もきれい、ルービックキューブやけん玉、スケートボードでもセンスを見せるという。
準々決勝は18日、智弁和歌山との対戦が決まった。8強からの戦いを「本当の甲子園」と言い続けてきた須江監督は「この夏は一度もリードされていない。次はされるかもしれない」と気を引き締め、田山選手にも「先制された時の対応が試される」と話す。初優勝した2022年以来2度目の全国制覇へ、主砲が先制点を叩き出せるかが注目される。
【田山 纏】 プロフィール
- 氏名:田山纏(たやま・まとい)
- 所属:仙台育英高校(3年)
- 出身:茨城県鉾田市(当間スポーツ少年団→鉾田南中・江戸崎ボーイズ)
- ポジション:外野手
- 投打:右投左打
- 身長・体重:177cm、85kg
- 主な特徴や実績:上半身と下半身のねじりを使って打球を飛ばす強打が持ち味で、須江監督が「特殊能力」と評すほど、どんな局面でも変わらない安定したスイングを誇る今秋ドラフト候補の主砲。小学6年時に横浜DeNAベイスターズジュニアに選出され、遠投120メートル、高校通算25本塁打を記録する。第108回大会では開幕戦で大会第1号本塁打を放つと3試合連続で打点をマークし、宮城大会から8試合連続先制の原動力に。木製バットでも打てると評される打棒で、悲願の全国制覇を目指す。














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