3季連続で甲子園に出場した高川学園(山口)が天理(奈良)に敗れて甲子園から姿を消した。プロ注目右腕・木下瑛二投手(3年)が、最速147キロの直球を武器に5回まで無失点も、3点をリードした6回に天理(奈良)打線の集中打を浴びて逆転を許し、春夏通じて初の8強入りはならなかった。木下投手はプロ志望届を提出する意思を明言し、「絶対にここに戻ってくる」と聖地への帰還を誓った。若藤芽空遊撃手(3年)もプロ志望を表明した。
気迫の投球でピンチを封じ、ド派手ガッツで場内を沸かせる
木下瑛二投手は初回から甲子園を沸かせた。1点をリードした2回2死二、三塁のピンチには、自己最速に並ぶ147キロの直球で中飛に打ち取ると、ド派手にガッツポーズして雄たけびをあげた。3回1死一、三塁では投ゴロ併殺でピンチを脱し、また吠える。投球フォームは何度も帽子を振り落とすほど豪快で、松本祐一郎監督は「そこも木下らしさなので」と表現した。
帽子のつばに「じょんならん」と書いいる。出身地・香川の方言で「手に負えない」「相手を圧倒する」という意味で、初戦となった10日の高岡商(富山)戦は5安打1失点の完投勝利。この日も2試合連続の先発マウンドで、5回まで再三の走者を背負いながらも力投を見せ、「歓声とか、いい景色でした」と3度目となる甲子園での投球を楽しみながら投げた。
3-0の6回に暗転、クーリングタイム直後に崩れる
3-0の6回、先頭の3番からの3連打で1点を返されると、「あそこで球場の雰囲気が自分の中で変わったというか、気持ちの部分でやられた」と振り返った。なおも無死一、三塁から四球を与え、無死満塁のピンチを残して降板。2番手の宮﨑隆成投手(3年)が制球に苦しみ、連続する押し出しと犠飛でこの回一挙4失点となり、逆転を許した。8回にも2点を失い、突き放された。
クーリングタイム直後だった。「流れを渡してしまったというか、どこか集中が抜けた。そこの隙を天理さんは逃してくれなかった。すごい強いチームだと思います」と相手をたたえた。降板後は左翼の守備に就いていたが、3点を追う9回に再びマウンドへ戻った。松本監督が「9回裏を諦めないため。勢いをもたらしたかった」と願いを込めて送り出した起用だった。木下投手は「チームに再び流れを持ってこよう」と大きなガッツポーズや帽子を振り飛ばす力投でチームを鼓舞し、無失点に抑えて甲子園での投球を追えた。
「プロ一本」の決意
敗戦直後、木下投手は「このメンバーと甲子園でプレーできて幸せでした。助けられてばかりの2年半で、ありがとうと伝えたい」と話し、小学時代から将来有望選手として注目され、故郷を離れて鳴り物入りで入学した右腕は、「幸せな場所だった。悔しさもたくさんある場所でプレーできたことは一生の思い出です」と、聖地への思いをかみしめた。
進路については「プロ一本でやっていきたい」と話した。「長くプレーできるようなピッチャーになりたい。質だったり、変化球一つ一つの精度を高めていきたい」とプロでのさらなる成長を目指す。注目の右腕は「プロになって絶対にここに戻ってくると、球場を出るときに思いました」と、新たな目標を胸に聖地を後にした。
また、同じくプロ注目の若藤芽空遊撃手(3年)はこの日は無安打に終わり、自身のバットでチームを勝利に導くことはできなかった。それでも高校野球を終えた若藤選手は「プロ一本で勝負します」と明言した。
ドラフト会議で木下選手は下位指名があると予想、若藤選手も指名があるならば下位か育成ドラフトでの指名と予想する。
【木下 瑛二】 プロフィール
- 氏名:木下瑛二(きのした・えいじ)
- 所属:高川学園高校(3年)
- 出身:香川県(牟礼中→高松庵治ヤングストーンズ。小学時代は阪神タイガースジュニアにも所属)
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:179cm、85kg
- 主な特徴や実績:気迫を前面に出す投球が持ち味の最速147キロ右腕。直球にカーブ、スライダー、チェンジアップを操り、遠投は105メートルを誇る。1年時からベンチ入りし、3季連続で甲子園のマウンドに立った。プロ志望届を提出する意思を明言しており、「長くプレーできるピッチャー」として一層の成長と、プロの舞台での聖地帰還が期待される。















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