横浜高が全国高校野球選手権大会の3回戦で霞ケ浦(茨城)を5―2で下し、2年連続の8強入りを果たした。最速157キロを誇る織田翔希投手(3年)は、味方が逆転した直後の6回から2戦連続でリリーフ登板すると最速154キロを計測し、4回を無安打無失点、7奪三振の圧巻の投球で試合を締めた。マウンドに向かうだけで甲子園が大歓声に包まれた右腕は「マウンドに上がるだけで、というのは今までなかったので、それだけ見られているんだな」と、注目を力に変えた。
逆転直後の6回に登板志願、いきなり154キロを連発
チームは今夏、神奈川大会から甲子園2回戦まで一度も相手にリードを許さずに勝ち上がってきたが、この日は4回に先取点を献上し、今夏73イニング目にして初めてビハインドを背負った。5回に一度は同点に追いつくも、その裏に再び勝ち越しを許す展開。それでも1点を追う6回、味方打線が集中打で一挙4点を奪い、5―2と試合をひっくり返した。
村田浩明監督は先発の2年生左腕・小林鉄三郎投手にもう1イニングを託す考えもあったが、疲労を考慮し、2回戦と同じ6回からの継投を織田翔希投手に持ちかけた。すると右腕は「自分がいきます」と自ら志願。逆転直後、3点リードの6回裏、背番号1がマウンドへ小走りで向かうと、名前がコールされた瞬間に球場が大きな歓声と拍手に包まれた。
登板するといきなり150キロ台を連発。5番の菊地勇一選手にはこの日最速の154キロをマークしたが粘られて四球を与えた。それでも続く打者を併殺に打ち取り、この回を無失点で切り抜けた。50球のうち18球が150キロ台という圧倒的な球速で、許した走者はこの1四球のみ。その後は打者10人を連続で退けた。
2度の3者連続三振、変幻自在の投球術で霞ケ浦打線を封殺
7回は3者連続空振り三振を記録すると、9回にも3者連続三振で締めくくった。一方、8回は「腕の振りを意識した」と打たせて取るスタイルに切り替え、わずか4球で3者凡退。緩急とコースを自在に操り、打者12人からわずか50球で7三振を奪った。「低めにっていうか、内角を突くところはしっかり突いて、丁寧に投球できていた」と、速球だけに頼らない投球術も見せつけた。
女房役を務めた2年生の脇山魁音捕手(2年)は「今日はカーブ、スライダーの感覚がよく感じた。その精度が高かったです」と振り返った。配球については「自分が主に決めている」と明かし、「伝えたら(織田が)自分でも『感覚いい』と言っていたので、それを多めに使って抑えられたらいいのかなと思って投げさせました」(日刊スポーツ)と、バッテリーの信頼関係を口にした。
宿舎でも崩さぬルーティン、頂点へあと3勝
この日はドジャースのスカウトが視察に訪れており、変わらずMLB球団の熱視線も注がれている。154キロを記録したが本人は、「(球速は)全く意識していなかった。高めが多かったけど、ゼロに抑えることはできたので良かった」(スポーツニッポン)と冷静だった。
今大会3試合で計15回3分の2を投げて23奪三振、奪三振率13・21という驚異的な数字を残しており、村田監督も「思いっきり投げてない。省エネで、変化球も使って負けない投手になってきた」と賛辞を惜しまなかった。
これで頂点まではあと3勝。18日の準々決勝の相手は、強打者がそろう花巻東(岩手)だ。「本当に丁寧に打撃をしてくるチーム。脇山とコミュニケーションを取りながら配球したい。チームの勝利に全てをささげたい」と織田投手は話した。
【織田 翔希】 プロフィール
- 氏名:織田翔希(おだ・しょうき)
- 所属:横浜高校(3年)
- 出身:福岡・北九州市(足立小1年時から野球を始め、足立中では軟式野球部に所属)
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:186センチ、80キロ
- 主な特徴や実績:最速157キロを誇り、日米の球団が注目する今秋ドラフト1位候補の超高校級右腕。2008年6月3日生まれ。憧れの選手は同校OBで日米通算170勝の松坂大輔氏。横浜高では1年春からベンチ入りし、2年春の選抜では全5試合に先発して19年ぶりの優勝に貢献した。今夏は1回戦の沖縄尚学戦に先発して12奪三振、2回戦の日南学園戦では甲子園史上最速となる156キロを計測。3回戦の霞ケ浦戦でも4回無安打7奪三振と圧巻の投球を見せた。脱力感のあるフォームから150キロ超の速球を連発し、多彩な変化球で緩急も自在に操る投球術に磨きがかかっており、聖地の頂点へさらなる進化が期待される。





























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