全49代表の最後に登場した花咲徳栄(埼玉)、プロ注目右腕でエースの・黒川凌大投手(3年)が、仙台育英(宮城)を相手に力投を見せた。最速148キロを誇るエースは8回135球を投げ抜き8安打1失点。しかし味方の援護に恵まれず0-1で完封負けを喫し涙を流した。試合後、進路については「プロ一本です」と明言した。
初回147キロ、雨中の8回135球「悔しいの一言」
黒川凌大投手は初回、自己最速まであと1キロに迫る147キロをマークし、強豪・仙台育英打線を3者連続三振に切って取った。力強いストレートを軸にスライダー、フォークを自在に操り、5回まで許した安打は4本で無四死球。強豪を相手に一歩も引かない投球を続けた。
試合が動いたのは6回だった。味方の失策から無死一、三塁のピンチを招くと、仙台育英の4番でプロ注目の田山纏右翼手(3年)に左前へ運ばれ、この1点が決勝点となった。黒川投手は「いいところに落ちたと思った」という変化球を打ち返された場面を「気持ちが前面に出てしまったのと、焦りがあった」と振り返った。
6回で球数は100球を超え、7回からは雨が降るなかでの投球となった。それでもエースの意地で8回135球を投げ抜き、打線の援護を待ったが報われなかった。試合終了後、涙を流した黒川投手は「初回から自分のピッチングが出来たので、本当に悔いはないです。悔しいの一言でした」と唇をかんだ。元柔道家の母琴美さん(58)が食事面やトレーニングを支えてきたといい、「2年半ありがとう、と伝えたい」と感謝の言葉も口にした。
難敵・古川との投手戦、須江監督も賛辞「引き出してくれた」
この日は仙台育英の先発・古川諒弥投手(2年)との緊迫した投げ合いとなった。古川投手は9回5安打無失点で完封。花咲徳栄打線は埼玉大会決勝から中16日と実戦から離れており、5回、6回と先頭が出塁しながらも後続がつながらず、1点を追う最終回も1死二塁の好機で2者連続三振に倒れた。黒川投手のバッテリーを組む佐伯真聡捕手(3年)ら中軸も、古川投手を最後まで攻略できなかった。
勝った仙台育英の須江航監督(43)は、黒川投手にも最大級の賛辞を送った。「両チームの投手がすごかった。勝敗は運の差だけです」と切り出すと、2年生の古川諒弥投手についても、「想像以上のナイスピッチングだった。黒川君の投球が引き出してくれたところがある」と語った。
センバツ8強から進路は「プロ一本」
花咲徳栄は今春のセンバツで8強入りしたが、その準々決勝では智弁学園に序盤の8点リードを逆転され敗れていた。その悔しさをバネに制球力を上げて夏に挑んだだけに、黒川投手にとっては再び味わう1点の重さだった。
それでも黒川投手は前を向く。「粘り強く投球はできた。経験を次のステージに生かしたい」と語り、卒業後の進路については「プロ一本です。プロに行って、もっと成長したい」と力を込めた。今秋ドラフトで注目を集める本格派右腕の挑戦は、これからが本番となる。
【黒川 凌大】 プロフィール
- 氏名:黒川凌大
- 所属:花咲徳栄高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:最速148キロを誇る本格派右腕。近年では珍しいワインドアップの豪快なフォームから力強いストレートを軸に、スライダー、フォークを自在に操る。今春のセンバツでは8強入りに貢献。今夏の甲子園2回戦・仙台育英戦では8回135球を投げ8安打1失点と力投したが、0-1で完封負けを喫した。今秋ドラフト注目の右腕で、卒業後は「プロ一本」を掲げ、さらなる成長を目指す。





















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