日刊スポーツでは、渡辺久信氏(61)が、夏の甲子園に出場した注目投手の投球を分析した。花咲徳栄(埼玉)のエース右腕・黒川凌大投手(3年)については、いまどき珍しい振りかぶるワインドアップの投球フォームと完投能力に注目。さらに49代表校の初戦を終え、横浜の織田翔希投手を「別格」と評するなど、気になる選手を挙げた。
珍しいワインドアップ、球威とスライダーに好印象
渡辺氏は花咲徳栄の黒川凌大投手について、埼玉大会の決勝から続けてチェックしていたという。まず目を引いたのが、振りかぶって投げるワインドアップの投球フォームだった。「振りかぶる、いわゆるワインドアップの投手は最近では珍しいね。グラブの位置とか角度とか手首の感じとか、クセが出やすくて研究されるから、プロ野球だとワインドアップで投げる投手が減った。プロ野球でワインドアップが減ったから、子どもたちもワインドアップが減ったのはあると思う」(日刊スポーツ)と、時代の流れを解説した。
純粋な技術面でも、上下運動の多いワインドアップには難しさがあると指摘する。「純粋にコントロールの問題もある。上下運動で余分な動きが増えるから、その分、目線もずれやすい。最近では体が大きく、手足の長い投手も増えたけど、それで振りかぶるとうまく手足を扱えないというのもある。だから腕をたたんだショートアームが増えた」(日刊スポーツ)と話した。
一方で、振りかぶるからこそ生まれる球の勢いは高く評価した。「やっぱりワインドアップだと球の勢いは付くよ。今日の黒川君も球威を感じたね。特に初回は。迫力があるし、一生懸命投げているのも好印象だった。スライダーも質がいいよね。全力で腕を振ってくるからスライダーでも空振りを取れる」(日刊スポーツ)と、直球の球威とスライダーの質を挙げて好感触を示した。
そして、今後に向けた課題として、「あとは間を外すカーブがほしいかな。ワインドアップも珍しいけど、これまたいまどき珍しい完投が多い投手と聞く。だからこそこの先のレベルでも完投していくなら、やっぱり緩急は必要だね」(日刊スポーツ)と語った。
織田翔希投手は「別格」、高部陸投手は「1位指名でも」
49代表校の初戦を終え、渡辺氏が気になる選手として名前を挙げた投手もいた。全体的には細い選手が多い印象だったとしたうえで、その中で頭一つ抜けた存在として横浜の織田翔希投手を挙げた。「その中でも横浜の織田君は別格。1人だけ抜けてる」(日刊スポーツ)と、最大級の評価を与えた。
聖隷クリストファーの高部陸投手についても、身体能力の高さと将来性を高く買った。「聖隷クリストファーの高部君も体幹強くてバネがある。高めがいい。もしプロ志望なら、1位指名でもいいかもしれない投手」(日刊スポーツ)と、ドラフト上位級の評価を口にした。
さらに、いずれも元プロ野球選手を父に持つ2人の名前も挙げた。花巻東の古城大翔選手と、履正社の辻竜乃介選手だ。「古城君の息子(大翔、花巻東)や辻君の息子(竜乃介、履正社)もパワーは買えるね」(日刊スポーツ)と、打者としてのパワーを評価した。そのうえで「本当に速い球にどう対応していけるかが今後のカギになるかな」(日刊スポーツ)と、上のレベルへの適応力が成長の分かれ目になると見立てた。
【黒川 凌大】 プロフィール
- 氏名: 黒川凌大
- 所属: 花咲徳栄高校(3年)
- ポジション: 投手
- 主な特徴や実績: 振りかぶるワインドアップから球威のある直球と質の高いスライダーを投げ込む右腕。全力で腕を振り、スライダーでも空振りを奪える。いまどき珍しく完投が多い点も持ち味で、第108回全国高校野球選手権埼玉大会を勝ち抜いて夏の甲子園出場を果たした。日刊スポーツ客員評論家の渡辺久信氏からは球威と迫力を評価される一方、間を外すカーブなど緩急を加えることでさらなる成長が期待されている。








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