二刀流が甲子園で輝いた。健大高崎(群馬)が8月13日、第108回全国高校野球選手権大会2回戦で東海大甲府(山梨)を1―0で下し、2015年以来11年ぶりの3回戦進出を果たした。「4番・DH兼投手」で先発した3年生右腕・佐藤麻恩投手(3年)が、投げては6回6安打無失点、打っては5回に決勝の右前適時打を放ち、投打でチームをけん引した。
憧れの大谷ルール、6回6安打無失点で要所を締める
佐藤麻恩選手はDHと先発投手を兼ねる大谷ルールで4番を務め、1回戦で完投勝利を挙げたプロ注目のエース右腕・石垣聡志投手(2年)をベンチに置いて、背番号3で先発マウンドに上がった。
甲子園初登板となった佐藤投手は、6回までに4度も得点圏に走者を背負ったが、130キロ台後半の直球とスライダーでコーナーを突き、6回を6安打無失点。「ピンチは何回もありましたが、引かずに攻めることができてよかった」と胸を張った。最大の見せ場は0―0の4回2死満塁。2打席連続安打を許していた東海大甲府・大澤風汰内野手(3年)との対戦で、3球連続のストレートを内外角の低めに投げきり、見逃し三振に仕留めた。「キャッチャーの大岩翔斗選手を信じて、引いたら絶対に打たれる。強気に攻めることができた」とうなずいた。
3度目の好機で”4番の仕事”、自らを援護する決勝打
両軍が得点圏に走者を進めながら得点できない緊迫した展開の中、均衡を破ったのも佐藤投手のバットだった。初回2死二塁で右飛、3回1死一、二塁では空振り三振に倒れていたが、5回1死一、二塁の3度目の好機で結果を出した。交代したばかりの2番手・熊谷晄投手(3年)の代わりばなをとらえ、右前へ甲子園初安打となる先制適時打を運んだ。これが決勝点となった。
「バッティング練習から右中間、左中間を意識して、低く強い打球を打っていった結果がつながった」と佐藤投手。八幡商との初戦は4打数無安打に終わっていただけに、「自分がここで打たなければ流れが来ないと思ったので、強気に打席に立った」との一打はことのほか価値があった。投げて打っての活躍に「投手でリズムをつくれてヒットも出た」と、二刀流ならではの手応えを口にした。
3投手の完封リレーで16強、群馬っ子の誇り胸に
質量ともに豊富な投手陣を誇る健大高崎は、7回から継投に入った。佐藤投手の後を、2年生左腕・北田莉玖投手(2年)が2回を打者6人で無安打無失点と好リリーフ。9回は初戦で完投した最速148キロのエース・石垣聡志投手が締め、3投手の完封リレーで逃げ切った。
3回戦では隣県・栃木の佐野日大と対戦する。甲子園での群馬県勢対栃木県勢の対戦は春夏を通じて初めて。「守りからリズムをつくっていくスタイルで、次の試合も戦いたい」。生粋の”群馬っ子”が、さらなる高みを目指す。
【佐藤 麻恩】 プロフィール
- 氏名:佐藤麻恩(さとう・まおん)
- 所属:健康福祉大高崎高校(3年)
- 出身:群馬・富岡市(小1から黒岩ユニオンズ→群馬西毛ボーイズ。中3時に東日本代表として世界大会に出場)
- ポジション:投手/内野手(二刀流)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:173cm、81kg
- 主な特徴や実績:大谷翔平に憧れる最速143キロ、高校通算31本塁打の二刀流。2年春からベンチ入りし、今春の関東大会では横浜・織田翔希投手から本塁打を放った。第108回全国高校野球選手権2回戦の東海大甲府戦では”大谷ルール”の「4番・DH兼投手」で先発し、6回6安打無失点&5回に決勝の右前適時打をマーク。故郷・群馬への思いを胸に、さらなる飛躍が期待される。
















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