鹿児島大会4連覇で春夏連続出場を果たした神村学園(鹿児島)のエース右腕・龍頭汰樹投手(3年)が、第108回全国高校野球選手権大会2回戦で好救援を見せた。0-2の3回2死三塁から2番手で登板し佐野日大(栃木)打線を抑えていったが、9回に痛恨の1点を失い1-3で惜敗。試合後には大学に進学することを明らかにした。
3回途中から救援、鹿児島大会から33イニング目の初失点
試合は先発した2年生左腕・松永遥斗投手(2年)が3回に佐野日大・桜岡に先制の適時三塁打を浴び、2回2/3を4安打2失点で降板。0-2と2点ビハインドの3回2死三塁の場面で、龍頭汰樹投手がマウンドに上がった。初球のスライダーで最初の打者を中飛にしとめ、いきなりのピンチを切り抜けた。
その後も逆転を呼び込もうとゼロを刻み続けた。8回まで無失点。しかし1-2で迎えた9回、1死二塁から6番・小島に外角直球を中前へ運ばれ、ダメ押しの1点を失った。鹿児島大会21回2/3、初戦の東筑(福岡)戦の4回2/3を含め、実に今夏33イニング目で喫した初失点だった。6回1/3を5安打1失点。龍頭投手は「少しの甘さが、1点につながってしまった。最後に投げ切ることができず、ほんとうに悔しいです」と、最終局面で投じた1球を悔やんだ。
150キロの武器なくとも、キレと制球で磨いた”柔”の投球
最速は140キロ。150キロを超える速球の武器がない分、龍頭投手はキレと制球を磨き続けてきた。内外角のコースへ丁寧に投げ込み、真っすぐにフォーク、スライダー、カーブなどの変化球で緩急をつける。3者凡退は2イニングのみだったが、走者を背負ってからの粘りの投球が光った。今春センバツでは横浜(神奈川)を完封するなど、春夏の甲子園4試合で防御率0.60という数字を残している。
小田大介監督は「龍頭なくしてここまで来られてないので。きちっとゲームを立て直してくれた龍頭はさすがだったと思って最後まで見守りました」(スポーツ報知)とねぎらった。打線は4回2死二塁で秀島蒼空内野手(2年)の中前適時打で1点を返したが、8残塁と好機を生かせず佐野日大に逃げ切られた。
母との約束を胸に、憧れは山本由伸「いずれは世界の舞台で」
スタンドには、これまで龍頭投手を支え続けた母の知花さん(55)の姿があった。聖地は親子で憧れの場所でもあった。2018年の第100回選手権記念大会の際、龍頭投手は記念のレジャーシートを母におねだりして購入。「自分が高校生のときにその舞台に立てたらいいね」と語り合ったという。母との約束は果たしたが、試合後、龍頭投手の目には悔し涙がにじんだ。
それでも聖地で確かな手ごたえをつかんだ。「甲子園という舞台は楽しんで投球ができた。成長できるというか、次に生かせる場所だなと、とても思いました」と前を向いた。憧れの選手にはドジャース・山本由伸を挙げ、「すべての球種でカウントがとれて勝負ができる部分」と魅力を口にする。
進路は大学進学を表明。「大学でいろんな選手とたくさんコミュニケーションを取って必要なことを取り入れて、4年間しっかり勝負して、プロ野球選手を目指したい」と力を込めた。そして「いずれは世界の舞台でプレーできるような選手になりたい」と、その先のビジョンを描いた。細身の右腕の野球人生は、これからも続いていく。
【龍頭 汰樹】 プロフィール
- 氏名: 龍頭汰樹(りゅうとう・たいき)
- 所属: 神村学園高校(3年)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投
- 身長・体重: 170cm、63kg
- 主な特徴や実績: 阪神・早瀬朔から背番号1を引き継いだ神村学園のエース右腕。最速140キロと球威で圧倒するタイプではないが、内外角へ丁寧に投げ分けるキレと制球、フォークやスライダー、カーブを交えた緩急で打者を打ち取る”柔”の投球が持ち味。今春センバツで横浜を完封するなど春夏の甲子園4試合で防御率0.60をマークした。夏は鹿児島大会21回2/3を含め33イニング目で初失点を喫するまで無失点を続けた。憧れの山本由伸を目標に、大学を経てのプロ入り、そして世界の舞台での活躍を目指す。












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