福岡ソフトバンクがリーグ優勝、育成組織がチーム支える

東浜巨, 石川柊太, 甲斐拓也

福岡ソフトバンクが、パリーグ史上最速での優勝を決めた。2位西武に14.5ゲーム差をつける圧倒的な強さを見せたが、そこには充実した育成組織がチームを支える形がある。

チームの形

今年の優勝の大きな要因としては、デスパイネ選手の獲得、サファテ投手やバンデンハーク投手など、外国人の働きも大きかったし、主軸の柳田投手、松田選手、中村選手の活躍も大きかった。しかし正捕手不在の状態からスタートしたが2010年の育成ドラフト6位指名の甲斐拓也捕手が93試合に出場してマスクを被った。

エースとなった2010年育成ドラフト4位の千賀投手に、6月からは2013年育成ドラフト1位の石川柊太投手がローテーションに加わった。育成ドラフトで大量に選手を指名し、他球団が70人前後の選手を抱える中で90人前後の選手を抱え、3軍組織を作って試合経験を積ませながら競争をさせながら選手を育ててきた。その結果、1軍で主力が離脱をしても、誰かが出てきてその選手と同じくらいの成績を残すような、分厚いチームとなった。

スカウティング

もちろん数だけではない。獲得する選手を見極めるスカウトも、選手の特徴や能力をしっかりと見極め、落ち着いた粘りのある仕事ができている感じだ。前述の石川投手をスカウトした宮田スカウトは「大学4年生のリーグ戦では谷間にしな投げない投手だったが、練習をみたら遠投の指のかかりがすごかった。足が速いのも体のキレが出る。じっくりと見なければ素材に気づきにくい選手だった」と話した。

甲斐捕手をスカウトした小川編成・育成部長は「とにかく強肩だった。捕手として動きもよかったけど、身長が低い分、他球団のスカウトの目には留まらなかったのかもしれない」と話し、また小川氏はスカウトした千賀投手についても「スポーツ店の西川さんから連絡をもらい見に行った。うちのリストに載っていなかったが、肘の使い方が柔らかく球速も143キロ出て、化けると予感した」と話した。

充実した育成組織があることから、遠投の指のかかり、身長が低くても強肩、肘の使い方といった、成績よりも選手の質を優先してじっくり見て獲得をしている。

他球団との差

昨年のドラフトで5球団の指名重複の末に獲得した田中正義投手は、ここまで1軍で登板することはなかった。おそらく他球団なら、ドラフト1位の即戦力が1年目に登板できなかった事が、敗因の理由の一つとして挙げられてしまうだろう。しかしソフトバンクは、ドラフト1位とは言え予測できない戦力を、1年目から戦力の構想内には入れていないように見える。指名競合の即戦力ドラフト1位選手でも、育成組織の一人としてじっくり育てられる。

2012年のドラフトで3球団の1位指名の末に獲得した東浜巨投手もそうだった。1年目は3勝しか挙げられず、2年目3年目も2勝、1勝しか挙げられなかった。しかし4年目に9勝を挙げると今年はここまで16勝4敗、堂々のドラフト1位エースとなった。

他球団だったら、即戦力ドラフト1位が3年目までこのような成績だったら、育成のラインから外されていたかもしれない。70人前後の選手保有枠しかなければ、毎年10人~20人が入れ替わる中ではそうせざるを得ない。

甲斐選手も7年目で1軍の正捕手の座をつかんだ。石川投手も大学卒4年目で大きく花を咲かせた。もし他球団だったら、育成枠でこれだけ長くやれていただろうか。

選手層の厚さで1軍出場への道は非常に厳しいかもしれないが、石川投手、甲斐選手、東浜投手のように、じっくりと育てられ大きく花開く選手も出てくる。充実の福岡ソフトバンクの優勝は当たり前のように見えてくる。

福岡ソフトバンク、過去のドラフト指名一覧


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