引き分け再試合は桐生第一・山田知輝投手が勝利、新庄・山岡投手も完投

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 桐生第一の山田知輝投手と新庄・山岡就也投手の2日間に渡る投げあいは、山田知輝投手が連投して3安打完封という圧巻の投球で勝利した。山岡投手はこの日も133球、山田投手も112球を投げきった。

投げ合いは幕を下ろす

 新庄の山岡投手は173cmの小柄な体で、足を大きく上げてパワーを蓄えて投げる力投派といえる投手、一方、桐生第一の山田知輝投手は、184cmの身長から力を抜いて腕を振って投げ下ろすタイプの投手、連投は山岡投手の方がきつかったように見える。

 初回、先頭打者を許した山岡投手はタイムリーヒットを浴びて1失点、しかしその後は三振でピンチを抑えると6回までこの1失点を守る意地を見せた。しかし7回に4安打で3失点し力尽きた。「疲れていないと思ったが、直球が走っていなかった」と話した山岡投手、センバツ大会では実力を出し切ったと思う。しかしプロ注目投手として評価を上げる事ができたかというと完全にそうとはいえなかった。

 引き分け再試合で2試合に完投した事は夏に向けて、プロ入りに向けての一歩になる。

 

3安打完封

 一方、桐生第一の山田知輝投手はポテンシャルを見せた。速球は120km/h前後まで球速が落ちたものの、上から投げ下ろすフォームは疲れていながらも保たれ、ストレートの角度で相手をねじ伏せた。9回を投げて3安打3奪三振、引き分け再試合を完封して見せた。

 これで3試合を投げて33回を投げて自責点は1点、防御率は0.27と昨年夏の高橋光成投手クラスの成績を残している。まだ球威では差があるものの、投球フォームの安定感やコントロールについては、比較しても良いくらいに思う。個人的には古くなるが横浜ベイスターズやマリナーズで活躍した佐々木主悟投手の東北高校時代を思い出す。角度のあるストレートは最速140km/hを超えて、スライダーかフォークなど変化球を磨けば、来年のドラフトでは上位に入ってくる素質を持っている。

 昨日の試合後はさすがに笑顔が曇っていた。疲れはたまっている。今日も試合がある。昨年安楽智大投手は投げ続け、アメリカでも議論されるなどの話題となったが、できれば控え投手の奮起と監督の決断に期待をしたい。

 

 最後のボールが一番速かった。4―0の9回2死。山田は112球目を外角低めに投げ込んだ。130キロ直球で空振り三振。2日間で計24イニング、275球を投げ抜き、しかも2試合目で完封した。タフネスぶりを発揮した2年生エースは「1イニングずつ投げた結果。楽しかった。とりあえず寝たいです」と笑みをこぼした。

 延長15回、163球を投げ抜いた前夜は疲労回復に努めた。宿舎にある酸素カプセルに40分入り、トレーナーから肩、肘のマッサージも受けた。そして、午後10時には床に就き、8時間近く寝た。迎えた引き分け再試合。この日唯一の試合は午後3時2分から始まった。日曜日ながら観衆は6000人と少なかったが、山田は再び新庄のエース山岡とまっさらなマウンドで投げ合った。

 連投の影響はあった。最速135キロの直球は大半が120キロ台から110キロ台。「スピードが出ないなと思った」と言う。活路を見いだしたのはコーナーを突く制球。「際どいところに投げれば打ち取れる」と信じて腕を振った。手元で微妙に沈むスプリットも打者を惑わせた。「スプリットの方がむしろ(直球より)速かった」と苦笑いしたが、バットの芯を外すのには効果的だった。継投が念頭にあった福田治男監督は「意外とすいすいといったから途中から代える気はなくなった」と安心して見守った。

 133球の力投も報われなかった。前日に続き先発した山岡は、11安打を浴び4失点を喫した。「もっと投手がしっかりしないといけない。打たれて(チームの)リズムが悪くなった」。2日間で計23回、304球を投げ抜いた左腕は、敗戦の責任を背負い込んだ。

 疲れは隠せなかった。「最初から球がいっていなかった」。球は高めに浮き、最速144キロの直球は138キロ止まり。1年先輩の巨人・田口麗斗(かずと)直伝のスライダーもキレを欠いた。

 昨夏の広島大会決勝でも、瀬戸内と0―0の延長15回引き分け再試合の末、0―1で敗れて甲子園出場を逃した。前夜のミーティングで迫田守昭監督(68)は「先輩たちの借りを返すぞ」とゲキを飛ばした。だが、再び歴史は繰り返した。エース左腕は「自分たちは勝とうと思ったが、ダメだった。田口さんは(再試合も)1点に抑えたのは、やっぱりすごい」と唇をかんだ。


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