2019年のドラフト会議を総括して行く。まずは指名全体を見ると、社会人選手にとって厳しいドラフト会議となった。
2019年ドラフト会議指名選手の内訳(支配下指名)
()は昨年の指名人数
高校 | 大学 | 社会人・独立 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
投手 | 15(16) | 13(15) | 10(14) | 38(45) |
捕手 | 4(2) | 5(1) | 1(0) | 10(5) |
内野手 | 13(8) | 2(5) | 1(5) | 16(22) |
外野手 | 3(5) | 5(5) | 2(1) | 10(11) |
合計 | 35(37) | 25(26) | 14(20) | 74(83) |
まずポジションで見ると捕手が昨年から倍増した。高校生捕手、そして大学生捕手の当たり年と昨年時点から見られており、それを反映した形となった。
逆に投手は全体で7人、内野手は6人の減少となった。投手は、佐々木・奥川・森下・西が注目されたものの、それに次ぐ投手1位級の投手が少ないと評価されており、また昨年の根尾・小園・太田といった遊撃手の候補も少なかった。
また全体としても昨年より9人少なくなり、不作のドラフトと言われた今年を反映した形となった。特に不作と言われたのは、華のある投手や遊撃手の候補が少なかったのが理由かもしれない。
その中で高校・大学・社会人独立を比べると、高校生と大学生は微減だが社会人・独立の選手が減少した。社会人選手はドラフト1位クラスの選手は当初は太田龍投手、立野和明投手、河野竜生投手といった高校卒3年目の投手を中心に、宮川哲投手やパナソニックの片山勢三選手なども注目されたが、今年に入って不調となる選手が多く、評価が下がるわけではないが、相対的に低くなっていった形となった。
今年の都市対抗は、橋戸賞は元プロの須田投手が獲得するなど、活躍を見せた選手はベテラン選手だったりという感じだが、ここに見ると特に投手で素晴らしい投球を見せる選手が多かった。ドラフト上位級ではないものの、3位以降で社会人投手がもっと多く指名されるかと思われたが、思ったよりも少なく終わってしまった。西濃運輸の堀田晃投手や日本製鉄広畑の宮田康喜投手、NTT西日本の宅和健太郎投手、日本製鉄鹿島の佐藤僚亮投手などは良い球を投げていた。
ただし、社会人投手の場合、良いと思われた翌年に指名されることも少なくない。今年も東芝の岡野祐一郎投手やHonda鈴鹿の瀧中瞭太投手が指名されたが、昨年の方がよかった。DeNAで昨年のドラフト3位で指名された大貫晋一投手は、今年6勝を挙げているが。大貫投手も一昨年の方が良い投球をしていた。今年のドラフトの結果は社会人選手に大きなショックを与える形になったかもしれないが、これであきらめず来年のドラフトを目指してほしいとしか言えない。
育成も合わせて107人がプロの世界の扉を開ける。しかしそれ以上に悔しい思いをした選手もいる。
(つづく)
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