青森山田の150キロ右腕・小牟田龍宝投手がこの日、青森県高校野球大会1回戦の三沢商戦に先発し、最速145キロの速球で9回を2安打11奪三振で完封した。この試合には8球団11人のスカウトが視察し絶賛の嵐だった。
130球2安打完封
小牟田龍宝投手は立ち上がりから、マウンド上で納得いかない表情も見られた。審判の判定もやや厳しく、6つの四球を与えた。「自己採点は20点にいかないくらい。序盤から制球が乱れて、最後まで乗り切れない部分があった。正直、力不足」と話した。
しかし、バランスが良く、力強く腕を振るフォームから最速は145キロを記録し、外角のストレートと、縦のスライダーとチェンジアップは空振りを奪えた。9回130球を投げて2安打11奪三振、公式戦初となる完封勝利だった。
150キロを投げる投手という以外に、50ｍを5.8秒で走り、高校通算16本塁打の強打も見せ、野手としても注目されている小牟田投手に、この日、スタンドには8球団11人のスカウトが詰めかけた。
その中で横浜DeNAの欠端スカウトは「東北、北海道では間違いなくナンバーワン。打撃もいいし、脚力もある。とにかく身体能力が高い」と話すと、広島の近藤スカウトも「腕の振りがいい。直球の質がいいから球速以上に速く感じる。今まで見てきた中で、今日が一番良かった。スピードがあったし、切れもあった。東北ではずば抜けた素材」と絶賛した。東北楽天の宮越スカウトも「９回まで投げてもあまり落ちなかった」とスタミナを評価した。
青森山田からは昨年、185cmの身長から151キロの速球を投げた堀田賢慎投手が、巨人にドラフト1位指名されているが、この日、視察した巨人の榑松スカウト次長は「投打において非常にばねを感じさせる選手。腕が良く振れるのでボールが強い。堀田がしなやかなタイプなら、小牟田君は馬力と躍動感にあふれるタイプ」と評価した。
この日は4打数ノーヒットにおわったが、「ピッチングが悪いと打撃も悪くなる。気持ちを切り替えて修正してやっていきたい」と話し、次は打撃でも活躍を誓った。
捕手の新井山選手は4刺殺
この日は捕手の新井山泰佑選手が小牟田投手を助けた。初回、小牟田投手が四球で許したランナーをけん制で二盗を阻止すると、2回には1塁にけん制してランナーを刺す。
5回もノーアウト2塁かのピンチで2塁けん制でランナーを挟んでアウトにし、9回にも満塁のピンチから三塁ランナーを刺した。小牟田投手も「泰佑に助けられた。感謝しています」と話し、初完封に新井捕手への感謝を込めていた。
青森山田からは昨秋のドラフトで堀田賢慎が巨人から１位指名を受けたが、小牟田にも阪神、楽天など８球団１３人のスカウト陣が集結した。高校通算１６本塁打、５０メートル走５秒８と野手としても魅力満載の逸材だけに、軒並み高評価。ＤｅＮＡ・欠端光則スカウトが「東北、北海道では間違いなくナンバーワン。打撃もいいし、脚力もある。とにかく身体能力が高い」と話せば、巨人・榑松伸介スカウト部次長も「投打において、非常にバネを感じさせる選手。腕がよく振れるのでボールが強い。堀田がしなやかなタイプなら、小牟田君は馬力と躍動感にあふれるタイプ」とした。
バッテリーを組む新井山泰佑捕手（3年）もエースを支えた。初回、与四球スタートも、けん制で二塁盗塁を阻止。続く2回も一塁けん制死、5回表無死二塁でも二塁けん制で三塁アウトに仕留めるなど計4度、けん制で走者を刺した。小牟田は「泰佑に助けられた。感謝しています」と振り返った。
スタンドではプロ８球団のスカウト陣が視察した。複数球団のスピードガンで、最速１４５キロを計測。落ちる球を有効に使って抑えていく投球を見守った。巨人・榑松（くれまつ）スカウト部次長は「投打ともにセンスの塊。躍動感や馬力がある」。楽天・宮越スカウトは「（球速が）９回まで投げてもあまり落ちなかった」、広島・近藤スカウトは「腕の振りがいい。直球の質がいいから球速以上に速く感じる」と評価した。
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