夏の高校野球千葉大会では、専大松戸の平野大地投手と幕張総合の早坂響投手が投げ合い、平野投手が9回5安打12奪三振2失点で完投し勝利した。この試合には11球団18人のスカウトが視察をしている。
意地
幕張総合戦で先発した平野大地投手は、味方が2点を先制した2回裏に2つのエラーが絡んで1失点、しかしここで崩れずに抑えると、3回からは「ボールがいっていた」とストレートを中心に幕張総合打線から三振を奪っていく。7回には150キロを計測し、中盤から後半は危なげない投球で、9回5安打12奪三振2失点に抑えた。
注目度からいくと、平野投手は昨年秋には既にドラフト上位候補と評価されているが、昨年秋から投手に転向した早坂投手がこの春は千葉の高校野球の話題の中心となった。平野投手は「早坂くんより先に降りていられない」と意地を見せ、早坂投手との投げ合いで132球を投げ、「楽しかった。もっと長くやりたかった」と話した。
この日は11球団18人のスカウトが視察、
巨人・織田スカウト:「立ち上がりから躍動感のある投球ができている」
埼玉西武・前田チーフスカウト:「平野君はバランス良くピッチングもうまく投げられるタイプ」
北海道日本ハム・大渕スカウト部長:「ゲームのリズムをつくっていく意識を感じた」
東京ヤクルト・丸山スカウト:「速さだけじゃなくうまさもある。特に変化球の使い方」
と評価した。
総合力からいうと専大松戸はセンバツなどにも出場し、全国クラスの打線を持っている。早坂投手は既に3試合に登板しており、疲労もある中での投げ合いとなったが、素晴らしい投手戦だった。
平野投手は最速150キロを記録し、要所は変化球を使った。昨年秋から変化球を中心に試行錯誤をしてきて、この夏にすべてがミックスされた平野投手の集大成の投球となっている。
試合後に早坂投手とも会った。「プロの世界でやれることがあればまた対戦しようということと、甲子園に行ってくれと言われたので早坂君の気持ちも含めこの先の戦いに備えたい」と話し、2つの約束を交わした。その一つとして「一番はプロ野球選手になりたいです。そこを目指してやっていきたい」とプロ志望についても言及し、次はプロの舞台で2人の対戦が見られそうだ。
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