今春のセンバツ大会を制した大阪桐蔭が6月27日、大阪・大東市の同校グラウンドで練習を公開した。第108回全国高校野球選手権大阪大会(7月4日開幕)を前に、エース右腕・吉岡貫介投手(3年)が本来の状態を取り戻し、左腕・川本晴大投手(2年)とともに史上初となる3度目の春夏連覇へ意気込んだ。「同じチームですけど、川本には負けられない。自分が投げて勝ちたい」。最後の夏に挑む背番号1が、強い決意を口にした。
センバツの悔しさを糧に、149キロまで復活した最後の夏
吉岡貫介投手にとって、この春は不完全燃焼だった。背番号1で臨んだセンバツは2試合に先発したが本来の投球ではなく、準決勝の専大松戸戦では7回1失点と試合はつくったものの満足のいく内容ではなかった。「春は川本の方が目立って、自分も負けられない気持ちが強かった。悔しさもありました」と、当時の心境を振り返った。
その悔しさをトレーニングにぶつけた。下半身を強化して体重を5キロ増の84キロまで増やすと、「フォームを気にしすぎていたので、少し適当に投げるというか、ゾーンに投げるように試合の中で工夫した」と話し、投球フォームへのこだわりが空回りしていた点も考え方を変えて乗り越えた。精神面での成長もあって状態は上向き、最近の実戦では149キロをマークするなど、いい時の感覚が戻ってきた。
暑い夏を見据えた「省エネ」投球、左右の2本柱が完成へ
春季大阪大会では、吉岡投手と川本投手はともに登板を回避し、1カ月ほどはキャッチボールなどで体を整えてきた。再び本格的に投げ始めた直近の練習試合では、吉岡投手が7回4奪三振無失点、川本投手が9回4安打11奪三振無失点と、そろって状態を上げている。
暑さの厳しい夏を勝ち抜くため、2人は投球スタイルにも工夫を加えた。吉岡投手は「マックスで投げて三振を取りに行くっていうよりは、少し(出力を)落として打たせて取るピッチングを」と、力に頼らない投球を意識する。川本投手も「夏は暑いので球数少なく投げるっていうのを西谷先生にずっと言われてて。ストレートでも変化球でもどんどんストライク先行でコースに投げるっていうのをやっています」(日刊スポーツ)と、体力面を考えた省エネ投球を心がける。13日に富山で行われた招待試合の富山商戦では、川本投手が下半身を意識したフォームで最速152キロをマークし、9回5安打11奪三振で完封した。左右のエースが高いレベルで2本柱を形成できれば、激戦区・大阪を勝ち抜く強力な武器となる。
史上初3度目の偉業へ、西谷監督も気を引き締める
大阪桐蔭の今春センバツは、川本投手と小川蒼介投手(3年)の継投が光った場面も多く、投手陣の層の厚さが優勝を支えた。西谷浩一監督(56)は「いま一番状態がいいと思う」と小川投手の名前を挙げ、「一段上がった」とその成長を評価した。投手陣が盤石な状態で夏を迎える。
甲子園大会の春夏連覇を2度成し遂げているのは大阪桐蔭だけで、今夏に頂点へ立てば史上初となる3度目の春夏連覇となる。2022年には甲子園準々決勝で敗れ、連覇の夢が絶たれた苦い経験もある。西谷監督は「夏の山はより険しい。(大阪の他チームは)秋に負けた時点で夏を目指す。(自分たちは)登るのが一番最後になる。その分、勾配は急になって簡単ではない」と気を引き締めた。「(春の優勝で)勘違いやてんぐになるようなことは、このチームには全くない」(スポーツ報知)と、浮かれた様子は微塵もない。
大阪大会の初戦は7月12日、汎愛と箕面自由学園の勝者との対戦となる。吉岡投手にとっては高校最後の夏であり、エースとして悔いを残すわけにはいかない。チーム内で川本投手と切磋琢磨しながら、左右の2本柱で頂点を目指す。プロ注目の右腕がどこまで成長した姿を見せるか、最後の夏のマウンドに注目が集まる。
【吉岡 貫介】 プロフィール
- 氏名: 吉岡貫介
- 所属: 大阪桐蔭高校(3年)
- ポジション: 投手(右腕)
- 主な特徴や実績: 最速149キロをマークするプロ注目の本格派右腕で、大阪桐蔭の背番号1。今春のセンバツでは準決勝の専大松戸戦で7回1失点と好投し、チームの優勝に貢献した。不完全燃焼に終わった春の悔しさを糧に、下半身を強化して体重を5キロ増やし、フォームへのこだわりを捨ててゾーンで勝負する投球へと意識を変えた。暑い夏を見据えて出力を抑えて打たせて取る省エネ投球にも取り組み、左腕・川本晴大投手とともに左右の2本柱として史上初3度目の春夏連覇を目指す。








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