4季連続の甲子園出場を狙う山梨学院高が、7月17日の第108回全国高校野球選手権山梨大会準々決勝で駿台甲府高に7―0で7回コールド勝ちし、ベスト4進出を決めた。今秋ドラフト1位候補に挙がる最速152キロの投打二刀流、菰田陽生投手(3年)は「4番・一塁」で先発出場。今春センバツ1回戦で左手首を骨折して以来117日ぶりとなる一塁守備に就き、投打に野手を加えた完全復活をアピールした。ネット裏には12球団のスカウトが集結し、埼玉西武、巨人、横浜DeNAのスカウトが評価をしている。
117日ぶりの一塁守備、「不安はない」ときっぱり
195センチ102キロの主将・菰田陽生投手が今夏初めて一塁の守備に就いた。公式戦では左手首を骨折した今春センバツ1回戦・長崎日大戦以来117日ぶり。一塁での走者との交錯が骨折の原因だったが、「不安はない。守備に就いた方が気分もあがる。集中力も保てるし、体も動く」(スポーツ報知)ときっぱりと言い切った。
この夏は、6日の初戦・韮崎戦に「3番・DH」で出場して高校通算39号となる2ランを放ち、打の不安を一掃すると、12日の巨摩との2回戦では4点リードの9回に登板し、昨秋以来となる公式戦のマウンドを無失点で締めくくった。そしてこの日、一塁守備をこなしたことで「打者」「投手」「野手」のすべてを公式戦でクリアし、本来のスタイルまで戻った。「怖さは全くなかった。グラウンドにずっと出ているのは楽しい」(日刊スポーツ)と笑みをこぼした。
5回の守備では併殺を狙った二塁送球がそれて失策が記録されたが、「1つミスをしてしまったんですけど、周りがカバーしてくれました」(スポーツニッポン)と仲間に感謝した。それ以外は軽快なグラブさばきを披露。「グラウンドにずっと出ているという喜びも感じられた」と充実感をにじませた。
今夏初の「4番」で左翼線二塁打、猛攻の口火を切る
打撃でも存在感を示した。全4打席をバスターの構えで臨むと、4回の先頭で初球を振り抜いて左翼線へ二塁打。打者10人、一挙4得点の猛攻の口火を切り、藤田蒼海内野手の中前打で自らも生還した。「バスターは一番自然な状態で無駄なく打てる」と話し、4打数1安打も「どんなヒットを打とうがチームが勝つことが一番」とうなずいた。
この日は今夏初となる4番起用でもあった。これまでの2試合は1年生の倉田雄星内野手を4番に据えてきたが、吉田洸二監督(57)は「(倉田の)気を楽にしようと思って。何番を打っても変わらないのが菰田」と絶大な信頼を明かした。一塁起用についても「準々決勝から菰田はファーストでいこうと抽選会で(組み合わせが)決まったときから決めていた。自分が敵だったら、一塁に菰田がいるのといないのでは全然違うと感じる。プロからも関心を持たれる選手だから、打つ、守るもした方が彼の進路に良いと思った」と、6月の抽選会時から描いていた青写真だったと説明した。
先発した渡部瑛太投手(2年)は5回2安打無失点と好投。「自分は左投手なので一塁が見える。菰田さんが見えると安心する。普段からいい人で信頼もあるので、落ち着きます」(日刊スポーツ)と、大黒柱の存在感を頼りにした。チームは初戦から3試合、計21イニング連続無失点で4強入りを果たした。
12球団スカウトが集結、3球団が評価
この日もネット裏には12球団のスカウトが集結した。7人態勢で臨んだ西武の広池浩司球団本部長は打撃のパワーとしなやかさを高く評価した。
埼玉西武・広池浩司球団本部長:「バッティングにパワーがありますね。体が大きいですが、柔らかさも備えています。まだまだ情報を集めている段階ですね。(ドラフトの)全体像はこれから考えていきます」
巨人・青木高広スカウト:「インコースをさばくのがうまい。手首を使って柔らかく打てる印象がある」
横浜DeNA・横山道哉スカウト:「ポテンシャルがあるし、あのスケール感の選手はなかなかいない。体もしっかりしているし、楽しみ」
主将、エース、4番としてチームを引っ張る二刀流は、残る目標を見据えている。「ここからは投手で出ようが一塁で出ようが打者で出ようが関係ない。残り2試合に全てをかけていく」と闘志を燃やした。準決勝は20日に帝京三高と対戦する。今秋ドラフト1位候補の怪物球児が、4季連続の甲子園切符へ投打でどんな活躍を見せるか、注目が集まる。
【菰田 陽生】 プロフィール
- 氏名: 菰田陽生(こもだ・はるき)
- 所属: 山梨学院高校(3年)
- 出身: 千葉県。御宿小では御宿少年野球クラブ、九十九里リトルリーグ、御宿中では千葉西リトルシニアでプレー
- ポジション: 投手(投打二刀流、一塁も守る)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 195cm、102kg
- 主な特徴や実績: 最速152キロの直球を武器とする投打二刀流の右腕で、チームの主将も務める。今秋ドラフト1位候補として12球団のスカウトから注目を集める。今春センバツ1回戦・長崎日大戦で守備中に左手首を骨折(左橈骨遠位端骨折)したが、リハビリを経て打者は6日、投手は12日に復帰。この日の駿台甲府戦で117日ぶりの一塁守備をこなし、投打に野手を加えた完全復活を果たした。高校通算39本塁打を誇る大器が、4季連続の甲子園出場、そしてプロ入りを目指す。



















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