社会人野球の野手では、日本新薬の舩曳海選手がドラフト候補として注目される。
俊足と長打力
舩曳海選手は183cm83kgの大きな体が特徴で、天理高校時代に高校通算17本塁打を放つパンチ力を見せたが、最大の注目は50m6.0秒の足で、法政大時代には30m走で3秒86を記録している。
実績も十分で、高校時代の2015年にはU18代表入りし、森下暢仁投手や清宮幸太郎選手、勝俣翔貴選手、郡司裕也選手、宇草孔基選手、オコエ瑠偉選手などと日本でW杯を戦った。法政大に進むと1年春からリーグ戦に出場し、4年時はレギュラーとして出場をしている。
それでも打撃の成績は良くなく、2019年のドラフト会議ではプロ志望届を提出したものの指名はなかった。「打率の面で成績が残せていないので、そこを意識して。自分がホームラン打者でないことは自覚しているので、足を生かした打撃ができるようになっていければと思います」と話し、社会人1年目は打撃を磨いた。
すると、昨年秋に行われた都市対抗では、2回戦の三菱重工広島戦で左中間スタンドにホームランを放ち、長打力のアピールとなった。今年は打率の向上を目標に「これまではシンプルに来た球を打つイメージでしたが、今は逆方向への意識をしっかり持って行こうと考えています。自分は左打者なので、逆方向に打てば三遊間への詰まった打球も安打にできるので」と話す。
この舩曳選手にはプロのスカウトも「身体能力が高く、スピード、小力もあり、走攻守三拍子がそろっている」と話す。この三拍子揃っているという評価は、なかなか難しい所があり、プロでやれると思わせるためには、やはりストロングポイントが必要になる。
今年、ドラフト前に行われる全国大会は日本選手権のみ。昨年の都市対抗で稼いだアピール点を更に伸ばし、秋のドラフト直前の都市対抗予選の時には、大勢のスカウトが視察に訪れるくらいにしておきたい。
天理高時代から注目された「足」は今も健在だ。1メートル83、83キロと大柄ながら、50メートル走は6秒0をたたき出す。さらに4秒を切ればプロでもトップクラスに入る30メートル走も、法大2年時に最速3秒86を計測。当時に比べて体重が増えた今も3秒9台と、抜群の瞬発力を誇る。「持ち味と思っています」。セールスポイントとして大々的に売り出していく。
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