夏の高校野球兵庫大会の開幕戦で、尼崎西高が神戸高を競り勝って勝利した。全国的には無名の公立校だが、攻守にチームを引っ張ったのが主将の森田実徳捕手(3年)だ。0―0の2回に先制二塁打を放ち、自慢の強肩でも相手を威圧。視察した中日のスカウトスカウトが驚くほどのプレーを見せた。
右中間へ先制の適時二塁打
まずはバットでチームに勢いを付けた。0―0で迎えた2回1死二塁、森田実徳捕手は右中間へ先制の適時二塁打を放ち、「来た球を打とうと思って、たまたま甘いところに来た」と振り返った一打だったと謙遜したものの、「開幕ゲームで、みんなドキドキしていた」というチームにとって、緊張を解きほぐす貴重な先制点となった。
そして持ち味の強肩が発動する。イニング間の二塁送球で、低い弾道のままセカンドに到達する球を投げ、相手ベンチを萎縮させた。1―1の7回2死一塁では、二盗を試みた走者をストライク送球で刺し、完全に流れを封じた。
遠投100メートルの強肩、二塁送球最速1秒8台
「肩にはめっちゃ自信があります」と話す森田捕手、遠投100メートル、二塁送球到達タイムは最速1秒8台を計測する。すでにプロでも強肩と言われる水準にあるが、巨人・甲斐選手を参考にし、1年冬から「ずっと自分とどこが違うかを、研究してきました」と技を磨いてきた。
この捕手には、ネット裏で視察した中日・清水昭信スカウトも、ここまでノーマークだった逸材の発見に驚きの表情を浮かべた。この日の二塁送球到達タイムは1秒90を計測したという。
中日・清水昭信スカウト:「まず肩がいい。この日も一つ、いいのがありましたしね。体格もありますし、大学で力を付ければ十分、(プロでやれる)可能性があるなと思いながら見ていました。思いのほか良かった。まだもっと良くなると思います」
すぐにプロという評価ではなかったが、大学などでプレーを続けて成長をすれば、プロでやれる可能性があるとした。
“プチ監督”の大黒柱、次戦はシード校・市尼崎
昨秋の新チーム結成時から指揮を執る西谷佳晃監督も、頼もしい大黒柱に目を細めた。「打つ方も守る方も、あの子が引っ張ってくれました。チーム内では“プチ監督”と言えるほど信頼しています。野球脳も非常に高くなりました」と話し、グラウンド内でチームを引っ張る存在と話す。そして、「本人も上のレベル(大学)でやりたいと言っているので、上のレベルでも通用する選手になってほしいですね」と期待を寄せた。
現時点では大学進学を希望し、準硬式でのプレー継続を予定しているという。「(プロについて考えたことは)ない」と断言しつつ、「(プロから評価されたら)ちょっと揺らぐかも」と笑った。この活躍によって硬式の大学から声がかかる可能性は十分にある。
次戦の相手は、昨秋準優勝のシード校・市尼崎。「みんなめちゃくちゃ燃えています。抽選で決まってから“市尼に勝つ”と言って練習してきて、まず1回戦に勝てた。いい形で入れると思います。総力戦で勝てるように頑張りたいです」と力強く語った。
【森田 実徳】 プロフィール
- 氏名:森田実徳(もりた・みのり)
- 所属:尼崎西高校(3年)
- 出身:兵庫県西宮市(高木小→瓦木中/大阪ニューヤング)
- 生年月日:2008年4月9日
- ポジション:捕手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:179cm、80kg
- 主な特徴や実績:遠投100メートル、二塁送球到達タイム最速1秒8台を誇る強肩の大型捕手。巨人・甲斐を参考に1年冬からスローイングを研究し、地肩の強さに技術を掛け合わせた“キャノン”が最大の武器。50メートル走6秒3、高校通算5本塁打と身体能力と打力を兼ね備える。1年夏からベンチ入りし同秋から正捕手、新チームでは主将として攻守にチームを牽引する“プチ監督”。夏の兵庫大会開幕戦では先制二塁打と二盗阻止で活躍し、中日スカウトから伸びしろを高く評価された。大学進学後のさらなる成長が期待される。









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