横浜DeNAの1軍キャンプに参加している、ルーキー4選手。北海道日本ハムとの練習試合に全員が出場したが、結果には明暗が分かれた。
紅白戦で先発したのはドラフト2位・三嶋一輝投手、初回は全てストレート勝負もストレートは高めに浮き、先頭打者に四球を許すなど2四球を与えた。しかし、キャッチャーで一昨年のドラフト2位・高城俊人選手が2度の強肩発動で2人のランナーを刺して結果的には3人で抑えると、2イニング目もほとんどストレートを投げたが、ストレートは149km/hをマーク、決め球にスライダーとスプリットを投げて三振を奪うなど高い実力を見せた。
三嶋投手は1回の投球については「最悪です。緊張があった。」と話したが、ストレートについては「指にかかればもっと出ます」と話し、プロに入ってから覚えたスプリットについては「奇跡です。キャンプに入ってから試していたんですけど、うまく抜けてくれた。手ごたえあります。」と話した。
中畑監督も「カッコよかった。球威がありスライダーの切れもあり、いいアピールをしてくれた」と話し評価は上々、開幕ローテーション入りに大きく前進をした。まだ課題はあるが非常に楽しみな投手だ。
5回からはドラフト5位の安部建輝投手が登板、インコースにシュートを決めるなど持ち前の制球力の良さを見せたものの他の変化球の精度が悪く、ストレートの球威も足りずに2回で6安打6失点を喫した。不慣れな外野守備で調子を崩したような面も見られ不運もあったが、まずはストレートのキレを増すことが課題だ。
8回からはドラフト3位の井納翔一投手が登板、ストレートに力を見せたもののフォークなど変化球がまだまだで、8回に1失点、9回は無失点に抑えたが、全体的にはまだまだという印象。しかし、プロでも通用する球威があることは確認できた。フォークなど変化球が上がって来れば戦えそうだ。
ドラフト4位・赤堀大智選手は5番レフトで出場すると、外野守備でもたつく場面も見られたが、球威のあった北海道日本ハム・榎下陽大投手からバックスクリーンにホームランを放つなど4打数2安打、課題だったバッティングで活躍を見せた。中畑監督も「実戦派だね。ベテランみたいな雰囲気がある。チャンスを与えたくなるよね」と話しこちらは評価を上げた。
三嶋投手は変化球と初回、安部投手はストレートのキレ、井納投手は変化球の精度、そして赤堀選手は外野守備と課題は見えた。これを克服し、次のチャンスでその姿を見せて欲しい。結果に明暗はあったが、安部投手にももう一度チャンスを与えてもいいと思う。
DeNAドラフト2位三嶋一輝投手(22)=法大=が日本ハムとの練習試合に先発し、2回を無安打無失点。「緊張した。弱さが出た」といきなり連続四球を与えたが、女房役の高城が2度の盗塁を阻止するなど、守備のバックアップにも救われた。
続く2回は「指にかかった球は何球もあった」と勢いのある直球を軸に三者凡退で打ち取った。中畑監督は「いいアピールをしてくれた」と称賛した。
追い込まれても、持ち前のフルスイングは捨てなかった。4回、フルカウントからの7球目。DeNAドラフト4位・赤堀(セガサミー)は日本ハム・榎下の外角直球を捉えると、打球はバックスクリーン左で大きく弾んだ。 「奇跡っす…。あっ、入ったって。いや、びっくりしましたよ」
凡退した1、2打席目は結果を欲しがるあまり、上体が前に突っ込んだ。「球を呼び込んで打つ」。そう念じて迎えた第3打席。赤堀本来のフォームで最高の結果を出した。6回には左太腿への死球で出塁し、8回も左前打と当たりまくった。
25歳でプロ入りした苦労人だ。立正大では4年秋に東都大学リーグで、当時1年だった亜大の東浜(現ソフトバンク)から左越えに特大の本塁打を放った。プロからも注目されたが、指名はなし。社会人で3年間過ごし、ついに夢をかなえた。
1メートル88、91キロの恵まれた体格。こわもての風貌も重なり、同僚や球団スタッフから「ハマのチンピラ」と呼ばれている。「いや、僕ワルじゃないんです。普通っす」。風貌とは対照的な素朴な性格。すっかりチームに溶け込み、練習の合間には4歳下の筒香とお互いの「デカ尻」をぶつけ合ってじゃれ合う。キャンプ休日も2軍の試合に出場。休む暇はないが「今まで大きなケガをしたことがないんで大丈夫っす。気合っす」と頼もしい。
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