夏の甲子園大会は8月23日に決勝戦が行われ、慶応義塾が仙台育英に8-2で勝利し、107年ぶりの優勝を果たした。
強打線
今年の慶応義塾といえば、春季神奈川大会で強打を見せ、打撃のチームという印象だった。打線に繋がりがあり、そして迫力があるチームだった。しかし、昨年秋は神奈川準決勝の東海大相模戦、準決勝の日大藤沢戦で競った試合でなんとか勝利し、決勝の横浜戦では3-6で敗れていた。
秋季関東大会では常磐大高に5-3、昌平に7-3で勝利してセンバツ出場を決めると、準決勝の専大松戸戦に敗れている。そしてセンバツは初戦で仙台育英と対戦し、1-1の同点でタイブレークに入り、10回に得点を奪えずに敗れていた。この試合で昨夏のチャンピオンチーム・仙台育英の仁田陽翔投手、高橋煌稀投手、湯田統真投手の3人の投手リレーに敗れた事で、春の強打の慶応が生まれた。
夏も準決勝の東海大相模戦で12-1で大勝するなど、迫力ある打線とともに、これまで頼りきりだった2年生の小宅雅己投手に同じく2年の鈴木佳門投手が成長し、リリーフの役割の3年・松井喜一投手につなぐ形が確立された。
神奈川大会決勝では昨秋に敗れている横浜高校と対戦し、8回まで杉山遙希投手に3点に抑えられ、3-5とリードを許しながらも、9回に3点を奪ってリベンジ、逆転で甲子園出場を果たした。そして甲子園では北陸、広陵、沖縄尚学、土浦日大に勝利し、決勝で春のセンバツのリベンジを果たした。
強打線の中心は1番・丸田湊斗選手、2番・八木陽選手の出塁が鍵で、3番からの渡邉千之亮選手、加藤右悟選手、延末藍太選手のクリンナップは神奈川大会でも2本塁打ずつを放っていた。甲子園では渡邉選手が不調だったが、加藤選手、延末選手がチャンスに強い打撃を見せた。渡辺憩捕手、ショートで素晴らしい守備を見せる八木選手、丸田選手のセンターラインも非常にしっかりとしており、ブレない強さがあった。
大会前から仙台育英と慶応義塾は優勝候補としてスポーツ紙でもAランクが並んだ。組み合わせもあるが、決勝のカードを予想できた人も多かったのではないかと思う。横浜高校に勝った神奈川代表だからではなく、純粋に慶応義塾を強いと感じていたのだろう。
エンジョイ、長髪、美白、応援など色々な事も話題となった慶応義塾だが、選手一人一人の努力と周りの方々の強い思いが107年ぶりの夏の甲子園制覇を成し遂げた事は、他の高校と変わらない。今年の慶応はどんな大会であったとしても優勝候補に挙げられるような全国でも最強のチームだった。
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