今春の大阪府大会を制した強豪・履正社を、最後まで苦しめた。夏の高校野球選手権大阪大会3回戦、関西創価の那須英翔投手(3年)は、最速143キロの直球と多彩な変化球を武器に履正社打線を抑えた。しかし延長10回タイブレークの末、2―1でサヨナラ負け。高校最後の夏が幕を閉じた。この日はNPB6球団のスカウトが視察に訪れ、プロ注目の大型右腕に熱い視線を送った。試合後に那須投手はプロ志望を表明した。
117球の力投、強豪・履正社を延長まで封じる
182cmの本格派右腕としてプロも注目する関西創価・那須英翔投手は初回、先頭に死球を与えると1死一、三塁のピンチを招き、犠飛で先制点を許してしまう。しかし直後に味方の援護で同点に追い付くと、2回以降は尻上がりに調子を上げていく。球威のある直球にスライダー、チェンジアップなどの変化球を織り交ぜ、履正社打線を9回まで、初回の1失点のみに抑えた。
試合は1―1のまま延長10回タイブレークへ突入する。無死満塁の大ピンチで、那須投手はタイムを取ってマウンドに集まったナインに「最後は楽しもう」と自ら声をかけた。覚悟を決めて投じた初球のチェンジアップ。だが、この日117球目の一球を履正社の城間煌陽選手(2年)に捉えられ、無情の中前サヨナラ打を許した。エースは膝から崩れ落ち、悔し涙を流した。
「とにかく言葉が出ない。悔しい」(スポーツ報知)とうつむいた那須投手。春の府大会王者を相手に大健闘したが、あと一歩及ばなかった。しかし、公式戦で完投した経験はなかったが、9回0/3を6安打2失点(自責点1)と、高校最後のマウンドで素晴らしい投球を見せた。
大阪桐蔭戦の屈辱から一冬で5キロアップ
那須投手の転機は、昨秋の大阪桐蔭戦だった。2回2/3を7安打7失点と打ち込まれ、力の差を痛感した。小野哲平監督は「人格が変わったように練習するようになった」(デイリースポーツ)と、その後の変貌ぶりを明かした。悔しさを糧に練習に打ち込んだ結果、球速は約5キロアップし、最速143キロに到達。182センチの本格派右腕へと成長を遂げた。
この日視察に訪れたNPB6球団のスカウトも、その投球を高く評価した。巨人や米国でもプレーした経験を持つ北海道日本ハム・村田スカウトは、キレのある投球を見極めていた。
北海道日本ハム・村田スカウト:「投球のキレがあり、力もある。変化球をうまく使い分けて効率よく投げている」
プロ志望届提出を明言、更なる成長誓う
試合後、那須投手はプロ志望届を提出することを明言した。「プロで指名していただくことを目標にやっていた」(デイリースポーツ)と、これまでの歩みを振り返る。憧れの選手は巨人・大勢投手。そのマウンドを目指し、努力を重ねてきた。
高校最後の夏は終わったが、その視線はすでに次のステージへ向いている。「この負けで腐ることなく、もう一個成長してプロの舞台で活躍できるような選手になりたい」(デイリースポーツ)と力強く未来を見据えた。「自分の野球人生っていうのはまだまだ続けていきたい。とにかく野球を軸に考えて行動や私生活を気をつけていきたい」(日刊スポーツ)と決意を口にした那須投手。プロ入りに向けてその歩は止まらない。
【那須 英翔】 プロフィール
- 氏名:那須英翔(なす・えいと)
- 所属:関西創価高校(3年)
- 出身:奈良県磯城郡川西町(川西フェニックス→五條リトルシニアで投手に転向)
- 生年月日:2008年8月2日
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:182cm、87kg
- 主な特徴や実績:スリークオーターから最速143キロの直球を投じ、スライダー、カーブ、チェンジアップ、シュートと多彩な変化球を効率よく投げ分ける本格派右腕。昨秋の大阪桐蔭戦での大敗を機に猛練習に取り組み、一冬で球速を約5キロ伸ばした成長力が持ち味だ。今夏の大阪大会3回戦では強豪・履正社を9回0/3を6安打2失点と苦しめ、NPB6球団のスカウトから高い評価を得た。夢のプロ入りへ、さらなる進化が期待される。













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