第108回全国高校野球選手権で5年ぶり4度目の全国制覇を果たした智弁和歌山の正捕手・山田凜虎捕手(3年)が、優勝から一夜明けた8月23日、和歌山市内の同校で開かれた出迎え式・祝勝会に参加した。日本一の余韻に浸る一方で、9月に台湾・台北で開催される「第14回BFA U18アジア野球選手権」(9月7~13日)に侍ジャパンU18代表として臨む。最速157キロ右腕の横浜・織田翔希投手(3年)ら世代を代表する好投手を受けることに「全力で楽しみたい」と声を弾ませた。進路は大学進学を表明しており、恩師・中谷仁監督と同じ「ドラフト1位」を目標に掲げた。
笑って終われた日本一、主将松本との歩み
山田凜虎捕手は攻守の要として甲子園制覇に大きく貢献した。全試合継投で制した甲子園で6投手を好リードした正捕手は「やっぱり笑って終われたっていうのは本当に一番うれしかった」と改めて優勝をかみしめた。中谷仁監督(47)からメディアを通じて「頑張ったな」とねぎらわれ、「本当に3年間頑張ってよかったなと思いましたし、苦しい時もありましたけど監督にずっとついてきてよかった」と笑顔を見せた。
日本一の瞬間から終始笑顔だったが、1年間チームを引っ張った主将松本の姿には胸を打たれた。「やっぱり虎太郎が隣でインタビュー受けている時は、本当心の中ではちょっと泣きそうにはなった」。主将を辞めたいと悩んだ時期には相談も受けていたといい、「虎太郎もしんどい中で怒られ役をずっとやってくれたので、本当に感謝しかない。最後は優勝旗を虎太郎に持たせてあげられて本当によかった」と、下級生の頃からともに歩んだ仲間との頂点をよろこんだ。
U18代表で織田・小野との再会、初の海外へ
8月22日には侍ジャパンU18日本代表に選出された。台湾での「第14回BFA U18アジア野球選手権」では、横浜・織田翔希投手や、高岡第一の最速156キロ左腕・前田侑大投手(3年)ら世代屈指の投手陣とバッテリーを組む。甲子園の準決勝では織田投手から同点タイムリーを含む2打数2安打と攻略したが、今度はチームメートだ。「織田を始めメジャーからも注目されるピッチャーたちを受けるのは本当に光栄なことです」。4月にも日本代表候補の強化合宿でバッテリーを組んでおり、「世代を代表するピッチャーを受けられるっていうのは本当に幸せなこと。そこを全力で楽しんで。また吸収して、ここ和歌山に持って帰れるようにやりたい」と意気込んだ。
中学時代に愛知・東海中央ボーイズでともにプレーした横浜・小野舜友内野手(3年)との再会も心待ちにする。「またチームメートでやれるっていうのは本当に楽しみ」と語った。同じく東海中央ボーイズの仲間で、準決勝で対戦した横浜・江坂佳史外野手(3年)からも「危なかったなー(笑い)。優勝おめでとう」と祝福の連絡があったといい、「約束通り優勝したから飯奢ってな」とご褒美を楽しみにする。「家でヨシ(佳史)の写真と甲子園のテレビ見てる写真が送られてきました」と地元愛知からの声援に笑顔を見せた。
今大会は初の海外遠征となる。「僕海外行ったことないんで、初。ちょっと怖いですね(笑い)」と少し不安をのぞかせつつ、「本当にチームのことを考えてチームを勝たせる一打も、キャッチャーとしてもやりたい。初めてのチームメートもいるので、いろんなことを聞きながら吸収したい」と好選手との共闘を待ちわびた。
大卒でのドラフト1位、恩師・中谷監督の背中を追う
進路については大学進学を表明した。見据えるのは「大卒でのドラフト1位指名」だ。「(中谷)監督はドラフト1位で(プロに)行っている。自分は大学4年を通して、1位を目指してやっていきたいです」。2年春の選抜で準優勝を果たすも、3年春の選抜は逃し、3年夏に日本一。この歩みは、同校OB捕手の中谷監督と同じだった。「高校では監督と同じ成績だったので、ドラフトでも同じ1位がいい」と夢を語った。
中谷監督は高卒ドラフト1位で阪神に入団した。山田捕手は、その監督の指導を受ければ高卒プロを目指せると同校に進学したが、「俺は高卒プロで苦労したよ」と経験談を聞くうちに「大卒なら即戦力でプロに行ける」と考えが変わったという。
高校からドラフト1位でプロ入りした中谷監督は、プロでは15年間プレーをしたものの、最初に入団した阪神では2002年に17試合に出場したのみで、2005年のシーズン終了後に東北楽天に金銭トレードで移籍をする。楽天では1軍の出場機会もえられたが、それでもレギュラーを獲得できず、2011年に戦力外となった。トライアウトを経て2012年は巨人でプレーしたもののそのオフに戦力外となり、その後は巨人のブルペン捕手を務め、2017年から母校の智弁和歌山で部長などを務め、その後監督となっている。
「中谷監督の野球は上の世界でも通用するはず」と話し山田選手は、中谷監督がもし大学を経てプロ入りしていたら、という事をを証明する道を選択する。山田選手の今後の活躍は、中谷捕手のもう一つの道でもある。
【山田 凜虎】 プロフィール
- 氏名:山田凜虎(やまだ・りんく)
- 所属:智弁和歌山高校(3年)
- ポジション:捕手
- 主な特徴や実績:第108回全国高校野球選手権で智弁和歌山の4番・正捕手として5年ぶり4度目の全国制覇に貢献した攻守の要。全試合継投で勝ち上がった甲子園で6投手を巧みにリードし、投手陣から「信頼できるキャッチャー」と評される。侍ジャパンU18日本代表にも選出され、進路は大学進学を選択。恩師・中谷仁監督と同じ「大卒でのドラフト1位指名」を目標に、さらなる成長を期す。












コメント