常総学院・内田靖人選手が特大弾、巨人、横浜DeNA、北海道日本ハム、東北楽天などが評価

常総学院, 内田靖人

 夏の高校野球、甲子園第2日目の第4試合でプロ注目の内田靖人選手が先制の3ランホームランを放ち、チームを勢いに乗せた。

 0-0で迎えた4回、ノーアウト1,3塁の場面で、ややインコースのストレートをボールの少し下を叩いてバットに乗せると、打球はグングン伸びて行きバックスクリーン左の中段に飛び込んだ。見事な先制の3ランホームランだった。内田選手は茨城大会で4本塁打を放っており、この夏5本目、高校通算34号となった。

 茨城大会決勝でサヨナラホームランを放ち、大阪入りしてからも練習で特大の当たりを連発して、あまりの好調さに「練習を切り上げさせた」という。何かを掴んだ打撃は自信に満ち溢れている。今はどんな球でも打てるような感じだろう。

 内田選手には茨城大会から横浜DeNAが高田GMと吉田スカウト部長が視察し、オリックスのスカウトも視察するなど注目されている。この試合でも以下のようなコメントが寄せられた。

○横浜DeNA・吉田孝司編成部長:「茨城大会から見ているが、あの打撃は魅力。あそこに入れるのは大したもの。」

○巨人・山下哲治スカウト部長:「春よりもスイングスピードが上がっているし、あの弾道の本塁打は久しぶりに見た。」

○福岡ソフトバンク・永山勝スカウト部長:「見事な本塁打。遠くに飛ばす能力がある。楽しみな選手。」

○東北楽天・後関昌彦スカウト:「足を上げることでタイミングをうまく取れている。引きつけて打てるようになった。」

○東北楽天・早川チーフスカウトアドバイザー:「これで見た本塁打は3本目だが全て違う球種。めちゃ振りしなくても打球を運べる天性のホームラン打者。おかわり君のようなスイングなんじゃないか」

○北海道日本ハム・今成泰章スカウト:「自分の形でしっかりと振れる。未知の魅力がある。」

○北海道日本ハム・山田GM:「この中でよく打った。パンチ力がある。全体的に見てもプロの候補として十分な才能がある」

○千葉ロッテ・松本編成統括:「歴代プロで活躍している選手は、センターや逆方向にホームランが打てる。スイングの軌道が良くてパワーがある証拠」

○オリックス・古屋編成部国内グループ長:「打撃はパンチ力があり、肩も強い」

○阪神・佐野統括スカウト:「体に力がある。いい打撃をしている。」

 聖光学院・園部聡選手、仙台育英・上林誠知選手、大阪桐蔭・森友哉選手などの高校生主軸候補の中で、この夏もっとも評価を挙げた選手だろう。ドラフト上位指名を決めた一打となったようだ。外れ1位での指名の可能性もある。

 後押しされた。浜風に、ではない。責任感と自立心、そして恩師と母へ感謝の思い…。その全てが常総学院の主砲・内田の打球をバックスクリーン左へ運んで行った。

 「変化球狙いで直球に詰まったけど、思った以上に飛んだ。ずっと想像してきた一発がようやく打ててうれしい」

 1メートル85、88キロ。その打球は今秋のドラフト候補にふさわしく豪快だった。0―0の4回無死一、三塁。北照の左腕・大串の高めの直球を振り抜いた。試行錯誤でたどり着いた「8割で飛ぶスイング」が完璧な先制3ランを生んだ。

 きっかけは木内幸男前監督の一言だった。「つなぎがフォア・ザ・チームじゃなかっぺ。還す人がいなきゃ点が入らねえっぺよ!」。昨夏と今春の甲子園はチャンスに打てずに敗退。確実性を求めてすり足打法を取り入れた内田は「つなぎ」を意識しすぎていた。そんなとき、センバツ後の試合でのことだった。走者二、三塁から四球を選んで怒られた。木内前監督を慕って福島県いわき市から常総学院に進んだ内田にとって、まさに金言。左足を上げ、下半身主動で飛距離と確実性を求める打法に変えた。呼び込んで軸回転で打つから詰まっても飛ぶ。「8割の力で」力まないから確実性は増し、茨城大会で4本塁打。この日の一発には恩師も「内田がチームに勇気を与えたっぺ」と絶賛した。

 すさまじい勢いで加速していく打球を、センターは目で追うことしかできなかった。4回無死一、三塁。内田が真ん中高めの直球を振り抜くと、白球はあっという間にバックスクリーン左に突き刺さった。高校通算34号となる先制3ランは、3度目の出場でようやく飛び出した甲子園1号だ。「ここで打つことを目標にしてきたので、本当にうれしいです」。流れ落ちる汗を気持ちよさそうに拭った。

 ライバルに負けるわけにはいかなかった。福島・いわき出身で、聖光学院の主砲・園部聡内野手(3年)は、中学時代に「いわき松風クラブ」でプレーした仲間だ。中学時代は内田が4番で園部が5番。その園部が昨夏、今春と聖地でアーチをかけていた。「強い聖光を倒したい」と県内無敵を誇る聖光学院の誘いを断り、常総学院に進学した。そんな経緯もあるだけに「自分も打ちたいという思いもありました」と胸の内を明かした。

常総4番は絶好調、今の内田  - ニッカンスポーツ紙面:2013/8/10

 


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