都市対抗野球東京地区2次予選は第1代表決定戦が行われ、東京ガスが明治安田生命を延長11回の末に4-2で下し、都市対抗出場を決めた。来年のドラフト1位候補・山岡泰輔投手が11回を完投し、また同学年の中山悠輝選手が決勝となる公式戦初ホームランを放った。
19歳、山岡泰輔投手
世代で言えば、桐光学園の松井裕樹投手や埼玉西武の森友哉選手と同じ世代となる。先発した山岡泰輔投手は瀬戸内高校出身で、侍ジャパン18U代表として松井投手、森選手と共にW杯を戦い、決勝のアメリカ戦では7回途中から登板し2イニングを1安打、自責点0に抑え、敗れたものの2-3の接戦に持ち込む好投を見せた。
社会人では1年目から150km/hを越す速球でリリーフエースとして活躍すると、2年目の今年は先発の柱として登板をしている。この日の第1代表決定戦でも先発を任されると、初回と4回に1点ずつを失うもののその後は粘り、9回2-2の同点で延長戦に入る。延長でも山岡投手は降板せず、11回まで143球を投げた。
11回を投げて8安打7奪三振2失点、社会人野球では既に格の違いを見せるようなピッチングをしており、この成績でもやや調子は悪かったのかなと感じさせる。しかし山岡投手は「先発完投を目指しているので気持ちいい」と11回を投げ切った事に満足していた。
20歳、中山悠輝選手
また勝利を手繰り寄せたのは、中山悠輝選手だった。中山選手はPL学園出身の2年目の内野手で、高校時代やプロも注目したものの、最後の1年間はチームが対外試合禁止処分を受けて、プレーを見せる事ができなかった。
その中山選手だが縁もあって東京ガスに入社すると、1年目から出場するなど、打撃や守備で非凡さを見せていた。そしてこの日は、9回1-2と追いつめられた場面で打席に立つと3ベースヒットを放ち、その後犠牲フライで同点に追いついた。そして延長11回、レフトスタンドに社会人公式戦初となる2ランホームランを放ち、チームの勝利に貢献した。
中山選手はこの都市対抗2次予選では10打数8安打と大爆発を見せている。東京ガスに入れたことについて「周りの方に感謝です」と話している。高校時に一度は失われたようにも見えた活躍の場だったが、社会人で花開き、都市対抗という全国の舞台に上がる。活躍を期待したい。
最優秀選手賞は中山選手、優秀選手賞は山岡投手、松井・森世代の2人が来年のドラフト会議では注目を集める事になりそうだ。
2年目の山岡は11回を投げ、8安打7奪三振2失点で完投勝利。「先発完投を目指しているので、気持ちいい」と143球の熱投を振り返った。
1点を追う9回に同点に追い付き、2-2で迎えた延長11回。1死一塁から、7番中山悠輝内野手(20=PL学園)が、左翼席に決勝2ランを放った。
投げては先発の山岡泰輔投手(19=瀬戸内)が、延長11回143球を投げ抜き、7奪三振2失点で完投した。
寮でも同部屋の2人。中山は「泰輔が頑張っていたので、同級生として、援護したかった」と言い、山岡は「自分の中では、1人で行くつもりだった」と笑顔を見せた。
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