関西六大学リーグでは、4連覇を目指す大阪商業大が上田大河投手の好投で、大阪経済大に逆王手した。この試合は8球団のスカウトが視察に訪れた。
巨人・阪神なども視察
上田大河投手は最速154キロの速球とスプリットなどを投げ、大学3年時には侍ジャパン大学代表入りし、今年も代表入りするなど大学生投手のトップクラスの投手として注目される。
しかし、東都リーグの常広羽也斗投手や西舘勇陽投手などの投手が150キロ台のストレートをバンバン出して注目され、ドラフト上位指名候補として各球団のドラフト会議での名前が挙がってくる中で、ストレートが140キロ中盤の所で勝負する上田投手の名前は、徐々に聞かれなくなってきていた。
秋季リーグ戦でも赤信号が点っていた。大阪経済大が津田淳哉投手などの活躍により首位に立つと、前日の1回戦でも敗れて優勝に王手をかけていた。そしてこの日は敗れれば大商大の4連覇が阻まれ、そして上田投手の大学野球の最後の登板となる可能性があった。
この日は8球団のスカウトが視察に訪れた。上田投手を信じるスカウトが、このように追い込まれた場面でどのような投球をするのか期待をして投球を見守った。そして上田投手はその期待に応える投球を見せた。
2回1アウト1,3塁のピンチで犠飛で先制点を許したものの、直後の58分間の雨天中断で気持ちを立て直すと、3回から9回2アウトまでは2安打にわずか抑えた。最速は147キロだったが、「1点に防げたところが勝因。今年1、2のベストピッチングだった」と納得の投球で、さらに3回戦での登板も見据えて「自分が行かないと。最後も変化球で打たせて少し余力を残しながら投げたので問題はない。」と余力を残した投球と話した。
この日は阪神が畑山統括スカウトなど3人態勢で視察、巨人や中日も視察をしたが、
巨人・渡辺スカウト:「コントロールも悪くないし、球威もいい。ピッチングが上手な選手、自分の特徴を出せている」
中日・山本スカウト:「球の強さが戻ってきている。中断でどうなるかなと思ったけどしっかり投げられている。この秋では1番いいかも。最後の最後にいいところを出してくれた」
と高評価を示した。
今日で優勝をすれば大阪市長杯争奪関西地区大学野球選手権に出場するが、ドラフト会議の前の投球は今日が最後となる。上田投手、高太一投手、そして大経大の津田投手の最後の戦いが注目される。
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