春夏通じて甲子園初出場を果たし、2試合で完投するなど一人で投げ続けてきた東日本国際大昌平(福島)のエース右腕・照沼佑崇投手(3年)が、右ふくらはぎのけいれんで降板した。有明(熊本)との対戦で3試合連続の先発マウンドに上がり、7回まで無失点の力投を見せたが8回途中に降板。チームは1―4で逆転負けを喫し、8強入りを逃した。それでも目に涙はなく「仲間と一緒にやってきて、歴史をつくれて良かった」と晴れやかな表情を浮かべた。
7回まで無失点、力投のエースを襲った右脚のけいれん
2試合連続完投勝利で試合前までに253球を投げ抜いてきた照沼佑崇投手が、3試合連続で先発のマウンドに立った。初回から安打を許しながらも、粘り強い投球で有明打線を封じ込め、7回まで無失点。序盤に主導権を握る好投を続けた。
味方打線も初回に先制した。1死三塁の好機をつくると、峯大珠主将(3年)が適時打を放って1点を先取。幸先の良い立ち上がりだった。しかし、その後は追加点を奪えず、1点リードのまま試合は終盤へ入った。
異変は6回ごろから訪れていたという。右ふくらはぎがけいれんし始め、8回1死で相手のセーフティーバントを追った際に違和感が増した。続く打者に四球を与えたところで降板し、2番手・白田夢真投手と交代。96球を投げ、1死一、二塁を残してマウンドを降りた。後続が断ってくれることを願ったが、機動力を絡めて攻める有明に一挙4得点を奪われ、逆転を許した。
継投を決断した江井康胤監督(55)は「5回、6回くらいまではいつも通り投げてくれた。ただ7回、疲労がたまってボールの勢いが落ちてしまった。本人は8回も行きたいと言ったけれども、白田もいたので交代を決断した」(スポーツニッポン)と説明した。
「聖光を倒す」夢かなえ、たどり着いた聖地
照沼投手は福島県出身。中学時代は聖光学院に憧れ、練習にも参加したが、県内で無敵の強さを誇っていた同校から声は掛からなかった。県外への進学を考えながらも「聖光を倒すなら…」と地元の東日本国際大昌平に進んだ。
そして今夏、県大会準決勝で5連覇を狙った県内86連勝中の聖光学院と対戦。照沼投手が9回を投げ抜き、3―2で下した。抱き続けた目標を達成すると、決勝でも学法石川に10―7で競り勝ち、創部26年で初の甲子園切符を手にした。県大会では背番号17だったが、聖地では背番号1を背負った。初戦の白樺学園戦では9回6安打1失点、2回戦の青森山田戦でも9回7安打2失点と、いずれも完投勝利でチームを勝利に導いてきた。
敗れても、照沼投手の目に涙はなかった。「勝てなくて悔しいけど、ここまで仲間と一緒にやってこられて良かった。この甲子園で成長できたし、初出場で注目されている中で歴史をつくれて良かったです」。そして「最後に悔いは残りました。でも、うまくいかないことばっかりだったけど、最後の夏に聖光を倒すという夢がかなって、甲子園という夢もかなった。3年間やってきて良かったし、本当に充実した夏になりました」と3年間を振り返った。
大学に進学してプロを
照沼投手は卒業後、大学で野球を続ける予定で、「大学でもっと成長してプロになりたい」と話し、将来のプロ入りの意志を示した。端正な顔立ちでこれからも注目される投手となっていくだろう。
【照沼 佑崇】 プロフィール
- 氏名:照沼佑崇(てるぬま・ゆたか)
- 所属:東日本国際大昌平高校(3年)
- 出身:福島県
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:粘り強い投球でチームを牽引したエース右腕。今夏の福島大会準決勝では県内86連勝中だった聖光学院を9回3―2で完投勝利で下し、決勝の学法石川戦も制して春夏通じて初の甲子園出場を実現した。聖地では背番号1を背負い、初戦の白樺学園戦、2回戦の青森山田戦と2試合連続完投勝利。3回戦の有明戦でも7回まで無失点と力投した。卒業後は大学で野球を続け、プロ入りを目指す。













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