東京ヤクルトの小川GMは、夏の甲子園大会が中止となったことについて、厳しい状況を語った。
スカウトとしての能力が問われる
小川GMは、自身も習志野高校のエースとして1975年の夏の甲子園で優勝をしている。甲子園が中止となった事について、「目標がなくなってしまうのは悔しい思いだろうなと思う。甲子園という大舞台で活躍する選手もいる。予選から甲子園で成長したという選手も出てくる。そういう機会がなくなったのは残念です」と話した。
そしてGMとしての立場では、「うちの場合、ドラフト上位はスカウト同士がよその担当を見に行くこともあった。でも今年に関しては恐らく、それもできなくなるだろうと」と話した。
甲子園大会は、各地区を担当しているスカウトが、その地区の有力選手を他の地区のスカウトや、スカウト部長、GMにお披露目する場となっており、多くの球団が幹部クラスや、大勢のスカウトで視察をする。そこで、複数のスカウトの目によって実力を判断され、ドラフト指名の順位付けがされる。
しかし、甲子園大会が無くなったことで、この全国の選手をその場で比較するという事ができなくなった。
また各地で代替大会の計画が進んでいるものの、新型コロナウイルスの影響で無観客となる可能性が高く、スカウトが視察に行けるかがわからない。例え、スカウトの視察が認められても、1球団が大勢で視察するという事は制限されることが予想される。また代替大会は全国各地でほぼ同じタイミングで行われる事になり、スカウトが集まる事は難しく、しかも今年は春の大会もなかった事から、クロスチェックをすべき選手を絞り込めていない状況でもある。
小川GMは「スカウトとしての能力が問われる。ドラフトにも影響が出てくるのかなと思います」と話し、今年に関しては各担当スカウトの眼をそのまま信じ、ドラフトに臨むことになるという考えを示した。
東京ヤクルトは、高校、大学、社会人、独立リーグのすべてのカテゴリで試合が行われていない状況から、次回のスカウト会議の日程も未定となっている。
「うちの場合、ドラフト上位はスカウト同士がよその担当を見に行くこともあった。でも今年に関しては恐らく、それもできなくなるだろうと」と唇をかんだ小川GM。成長過程や大舞台で強さを発揮するための精神力など、複数スカウトで総合的に判断する必要がある。
次回のスカウト会議も未定で「スカウトとしての能力が問われる。ドラフトにも影響が出てくるのかなと思います」と険しい表情で話していた。
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