社会人野球がプロとの接触ルールを徹底、野球界全体を見る組織のない日本

今年のドラフト会議では、パナソニックの吉川峻平投手が社会人野球屈指の右腕として注目されていたが、今年1月からダイヤモンドバックスのスカウトと接触していた事が発覚し、登録抹消前に正式契約まで結んでいた。ルールの認識不足により吉川投手は社会人野球から永久追放処分となり、日本野球連盟はルールの徹底を通達した。

メジャーは5月15日までに事前登録

日本のアマチュア野球では、高校生と大学生は9月から提出できるプロ志望届を提出した後から、国内・国外のプロ野球関係者と接触が可能となる。そして社会人野球選手については、7月に行われる都市対抗野球の終了後から、プロ関係者との接触が可能となる。また、正式契約をするには日本野球連盟の登録を抹消する必要がある。

しかし、パナソニックの吉川投手は、会社と確認しながらも1月からメジャー関係者と接触していた。また、プロとの正式契約も、登録抹消の前に8月10日に正式契約を結んでいた。これにより吉川投手は、アジア選手権に出場が決まっていた侍ジャパン社会人代表を辞退し、その後、日本野球連盟から永久追放された。今後も田澤ルールなどが適用され、日本では社会人野球に戻れず、NPB入りも事実上困難となった。

大リーグは、日本のアマチュア選手を獲得するためには、毎年5月15日までに事前に登録する必要があり、6月にMLBから公示され、7月2日から契約が可能となるルールを、2012年から行っている。この時点で日本のアマチュア野球は、まだプロとの接触を認めていないため、公示された場合は日本の規約違反が発覚する事となり、高校生なら高校野球の出場資格を失ってしまう事になる。従って、日本のアマチュア野球選手がメジャーと契約が可能になるのは、少なくても翌年7月以降の契約という事になる。

日本野球連盟の竹中雅彦事務局長は「都道府県の理事長を通じ、接触ルールに関して加盟校に注意喚起しました。5月に意思表示をすると、夏の大会に出られなくなってしまう」という事を明確にするため、プロとの接触についてのルールの徹底を、加盟全チームに通達したという。今後、ルールの認識不足による永久追放などが起こらないようにしてほしい。

全体の野球界を見渡す組織のない日本

そして日本の野球は、まだプロとアマチュア、そしてアマチュアも学生野球連盟と社会人が一体で動いているかというと、そうはなっていない。MLBはメジャーがトップとなり、例えば高校生のトップ選手を集めてリーグ戦を行うとか、世界ドラフトの導入など、野球を全体の視野でとらえて進めている。しかし日本はNPBが12球団のオーナー会議が中心となっており強いトップがいる組織ではなく、また日本野球連盟や高校野球連盟などの力が大きい事から、NPBを中心とした形にはなっていない。

日本の縦割り、縄張り意識が如実に表れている。日本は今後、野球選手が少なくなっていく。野球界全体を見渡して発展を進めていく組織づくりが必要だろう。

95年9月1日以降に生まれた日本のアマチュア選手を獲得するためには、毎年5月15日までに事前登録する必要がある。登録された選手は米大リーグ機構(MLB)から6月に公示され、7月2日から各球団との契約が可能になる。
登録には書類の提出が必要で、仮に現役の高校生、大学生、社会人が事前登録された場合は、5月以前に大リーグ側と接触したことが明るみに出る。規定違反となり、高校生なら地方大会や夏の甲子園への出場資格を失う。大リーグが導入した制度と絡み合い“直メジャー”は新たな局面を迎えている。


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