2023年のドラフトの展望について予想してみます。今回は大学野球編。高校野球編ははこちら
東都の左右腕
今年、最も注目される投手は東都リーグの右腕・西舘勇陽投手（中央大）と左腕・細野晴希投手（東洋大）になるのは間違いない。
共に155キロを投げ、球威はすでにプロ1軍クラスと言える。西館投手は150キロ台のストレートを低めに決められる制球力があり、スライダーやカーブといった変化球を効果的に使うことができる。細野投手は鋭く振られる腕からビュッと伸びてくるストレートにタイミングを合わせるのは難しく、130キロ後半の変化球で勝負もできる。
フィールディングも評価が高く、特に細野投手は一塁ランナーをファーストに釘付けにするけん制技術を持ち、プロも細野投手のけん制を参考にしているという。
例年の年であれば、特に左の細野投手には4,5球団くらいが来ても良いと思うが、今年は高校生野手、投手に逸材が多く、そして大学生投手でも、この二人に肩を並べそうな選手がいる。
合宿参加大学生投手
その一番手となりそうなのが、同じ東都の青山学院大・常広羽也斗投手で、リリーフで起用されて、体はまだ線が細いものの、全身をバランス良く使って153キロのストレートを投げる。リリーバーとしてドラフト1位指名が予想される投手だろう。
また、名城大の松本凌人投手はやや変則なフォームから151キロのストレートを投げ、185cm88kgのスケールの大きさもあり、球界を代表するサイドハンド投手となりそうだ。
ここまで挙げた4投手とも昨年12月に行われた侍ジャパン大学代表候補合宿の紅白戦でしっかりと結果を残している。その中で紅白戦で140キロ前半しか出ずに連打を浴びていた大阪商業大の上田大河投手も評価は下がらない。最速152キロのストレートと変化球のコンビネーションは、西館投手クラスの本格派のスタイルで、必ず春に合わせてしっかりとアピールをしてくれるだろう。
他には合宿参加組で、高めの球が多かったものの155キロを記録した冨士隼斗投手の投げる球は威力十分、球の力では谷脇弘起投手も素晴らしい投球を見せており、今年は多くのスカウトが何度も訪れる事になるだろう。左腕でも同志社大の真野凜風投手や滝田一希投手、国学院大の武内夏暉投手も力のある球と、それぞれが持つ特徴を生かした投球をする。
東都に比べてやや目立たないものの、東京六大学勢では立教大の池田陽佑投手が150キロ級の球で勝負でき、4年時の成長次第では西館投手に肩を並べるかもしれない。東京六大学は実戦型の投手が多く、明治大の蒔田稔投手や村田賢一投手などは最終的に評価されて指名されるかもしれない。
合宿未参加投手
立命館大の藤本竜輝投手は高校時代から快速球を投げており、154キロの球は威力十分。青山学院大の下村海翔投手も150キロの威力ある球を投げ、先発で投げそうな常広投手と二枚看板となる。専修大の西舘昂汰投手も187cmの長身から威力ある球を投げる。
一昨年の代表候補合宿で圧倒的な投球を見せた赤塚健利投手も、威力ではトップクラスといえる。九州でも九州共立大の木村仁投手や坂元創投手といった体も球威もある投手がいる。
そして、登板を待ちたいのが早稲田大の飯塚脩人投手。習志野高校時代にU18代表入りし、佐々木朗希投手、奥川恭伸投手が故障気味で投げられない中で、侍ジャパン大学代表や、U18W杯で150キロ級の球を投げていた。復活を期待して待ちたい。
大学生野手
野手は2022年組に比べるとやや少ない印象があり、合宿でも一昨年と比較しても印象は変わらなかった。
その中で一芸として上武大の進藤勇也選手の肩は素晴らしく、投手も警戒していないとぶつけられそうな勢いのある二塁送球をする。その他に慶応大の広瀬隆太選手の思い切りの良い打撃は、コンタクトに根拠が伴ってくれば、萩尾選手のように最終学年に撃ちまくるかもしれない。明治大・上田希由翔選手と法政大・今泉颯太選手もシャープな振りは大学屈指と言える。野手に関しては東京六大学勢が目立っており、新3年の明治大・宗山塁選手の活躍に隠れない成績を残したい。
守備についても遊撃手として日本体育大の松浦佑星選手のスピード感は素晴らしく、外野手でも山梨学院大の宮崎一樹選手と青山学院大の中島大輔選手はスピードなどでアピールを見せていた。
他にも、東海大の東海林航介選手や、東北福祉大の工藤ナイジェル選手など高校時代に注目された選手が最終学年でどれだけ伸ばしてくるか注目したい。
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