第108回全国高校野球選手権大阪大会の準々決勝で、春の府大会王者・履正社が近大付を延長10回タイブレークの末に7―1で制し、11年連続(20年独自大会含む)の4強入りを決めた。主将で4番の辻竜乃介内野手(3年)が、無死満塁から走者一掃の3点三塁打を放ち勝利をたぐり寄せた。父は西武・辻竜太郎2軍野手チーフコーチ。
1点を守る投手戦、8回に同点被弾からタイブレークへ
試合は緊迫したロースコアの接戦となった。履正社は初回2死から一、三塁の好機をつくると、5番・北西華一外野手(2年)が適時左前打を放ち1点を先制したものの、次の1点が奪えずにイニングは進んでいく。
先発したエース右腕・木村颯投手(3年)が酷暑の中で快投を続け、4回1死三塁のピンチを連続三振で切り抜けるなど、7回までわずか1安打、11奪三振で1点のリードを守り抜いた。しかし8回、連続四死球からピンチを招き、適時左前打で同点に追いつかれた。9回先頭に3安打目を許したところで左腕・上山篤慶投手(2年)へ継投。無死一、二塁のサヨナラのピンチを三者連続で打ち取り、試合を延長タイブレークへ持ち込んだ。
10回無死満塁、主将のバットが6点を呼び込む
勝負強さを見せたのは10回表、主将の一打だった。犠打が内野安打となり無死満塁となり、打席には4番の辻竜乃介主将が入る。8回0/3を1失点と粘った木村投手の力投を思い、辻投手ならぬ辻選手は集中力を高めていた。「ここで試合を決めないといけないと思った」。カウント1―1から高めの直球を捉えると、打球は右中間を深々と破った。走者一掃の3点三塁打で勝ち越しに成功した。
「当たった感触も完璧だったんで、絶対に外野を越えたな、と。いいところで回ってきて、いいところで打ててよかった」(スポーツニッポン)と胸を張った。後続にも安打が続き、この回一挙6得点。多田晃監督は「あそこで3点取れたことによって、後のバッターもリラックスして勢いに乗って行けた。辻の一打が大きかった」と称えた。その裏を無失点で抑え、死闘に決着をつけた。
喜びに沸く三塁側ベンチとは対照的に、辻選手は三塁の塁上で落ち着いた表情を見せていた。「僕たちは先攻なんで、(裏の)守りがあったのであんまり喜べなかった」。同僚全員へ個別の声掛けを心掛ける主将は「木村に支えてもらった。野手陣がしっかりとしないといけない」と、力投した木村投手への思いも口にした。
3世代プロ目指す主将、父からの激励胸に甲子園へ
辻選手の父は、西武・辻竜太郎2軍野手チーフコーチ(50)だ。多忙のため球場での観戦機会は少ないが、試合のたびに電話やLINEでメッセージをくれる存在で、技術的な助言ももらうという。この日の1本も報告するつもりだといい、「4番らしいバッティングができた」と胸を張った。プロ野球が球宴期間に入るため、「もうちょっとで、来てくれると思う」と父の観戦にも期待を寄せる。
3世代でのプロ入りを目指す主将が、3年ぶりの夏切符へチームを導く。
【辻 竜乃介】 プロフィール
- 氏名:辻竜乃介
- 所属:履正社高校(3年)
- ポジション:内野手
- 主な特徴や実績:チームの主将で4番を担う勝負強い内野手。父は西武・辻竜太郎2軍野手チーフコーチで、3世代でのプロ入りを目指す。第108回全国高校野球大阪大会準々決勝の近大付戦では、延長10回タイブレークの無死満塁から走者一掃の3点三塁打を放ち、チームの11年連続4強入りを決めた。父から毎日届く激励を胸に、3年ぶりの甲子園出場を目指す。

















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