第108回全国高校野球選手権熊本大会は24日、決勝が行われ、有明が東海大熊本星翔を4―1で破り、春夏通じて初めての甲子園出場を決めた。先発を務めた左腕・工修哉投手(3年)は昨夏、大会前に体調を崩してベンチを外れる悔しさを味わったが、この夏は最速143キロまで球速を伸ばし、決勝でも5回1安打無失点と好投した。エース・斉藤遼汰郎投手(3年)との左二枚看板で、創部30年目のチームを歴史的初出場へと導いた。
ベンチ外の悔しさを糧に、最速143キロへ
昨夏、工修哉投手は大会前に体調を崩し、ベンチから外れる悔しい思いをした。その1年間で下半身の強化などに取り組み、最速は143キロに到達。決勝の大舞台でも制球力を生かした投球で低めに球を集め、5回まで相手打線をわずか1安打に抑えた。熊本大会は22回を投げて3失点したが、自責点は0で防御率0・00という圧巻の内容だった。
今夏は初戦の千原台戦で、工投手と斉藤投手のリレーによる継投ノーヒットノーランも達成しており、二枚看板の完成度は高い。制球を武器に試合をつくる工投手が、6回からマウンドに上がるエースへ確かなバトンを渡す形が、有明の勝ちパターンとなっている。
「甲子園でも勝ちたい」、リベンジ果たしたエース斉藤
昨夏の決勝と同じ顔合わせとなったこの一戦。斉藤遼汰郎投手には、4失点完投負けを喫したリベンジがかかっていた。「去年負けて、このままではダメだと思った」と体重を7キロ増やして76キロに、球速も6キロ増の146キロまで伸ばして今夏に臨んだ。6回から登板すると140キロ台の力のある直球を軸に緩急をつけ、4回2安打1失点。8回に今大会初の三塁打を許し犠飛で1点を失ったものの、最少失点で切り抜けて流れを渡さなかった。
歓喜の輪の中心にいた斉藤投手は「とてもうれしい。甲子園でも勝ちたい」と笑顔を輝かせた。21回を投げて防御率0・43と抜群の安定感を誇るエースが、工投手とともに全国の舞台でも旋風を巻き起こす。
打線も足を絡めて援護、創部30年目の歓喜
有明は初回、3番・實田聡志主将(3年)の左犠飛で先制する。2回には7番・髙橋春喜選手(3年)の中前適時打で加点し、7回にも1死二、三塁から1番・永田晴輝選手(3年)の2点適時打で突き放した。5試合で15盗塁を数える機動力も相手を翻弄し、東海大熊本星翔の先発・三池祐五投手(3年)や2番手・福島陽奈汰投手(3年)を苦しめた。
最後の打者を遊ゴロに仕留めると、マウンドに歓喜の輪が広がった。實田主将は「去年決勝で負けてしまって、それからこのメンバーになって1年間、ここを目標にやってきたんで、勝てて素直にうれしい」と涙を流した。高見一茂監督は「選手たちが大きく大きく成長してくれています。やりたい野球ができたんじゃないかなと思います」と、創部30年目で初の甲子園切符をつかんだ選手たちをたたえた。掲げる目標は全国4強。最速143キロの左腕・工修哉投手が先発でつくり、最速146キロのエース・斉藤投手が締める盤石のリレーで、有明が夢舞台の扉を開く。
【工 修哉】 プロフィール
- 氏名:工修哉
- 所属:有明高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:最速143キロの直球を持つ左腕で、制球力を生かして低めに球を集める投球が持ち味。昨夏は大会前に体調を崩してベンチを外れたが、下半身の強化などで球速を伸ばし、今夏は初戦で継投ノーヒットノーランを達成。決勝でも5回1安打無失点と好投した。熊本大会は22回を投げて自責点0、防御率0・00と安定感は抜群で、エース・斉藤遼汰郎投手との左二枚看板として、初の甲子園でも旋風を起こすことが期待される。













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