夏の高校野球選手権千葉大会の決勝が7月26日、ZOZOマリンで行われ、専大松戸は拓大紅陵に1―3で逆転負け、今春のセンバツで専大松戸を4強に導いたエース右腕・門倉昂大投手(3年)が、8回まで無失点と好投したものの、9回表に逆転3ランを浴び、あとわずかに夏の甲子園には届かず、力尽きた。
8回まで無失点、127球の力投
拓大紅陵の3年生右腕・二宮樂投手(3年)と火花を散らす投手戦となったが、専大松戸は初回、主将の高貝規仁内野手(3年)の犠飛で1点を先取。この虎の子の1点を、門倉昂大投手が守っていく。
前日のミーティングで先発を告げられた門倉投手は、「自分が先発するならもう完投しかないとは自分でも考えてた」と覚悟を決めてマウンドに上がった。8回まで5安打8奪三振無失点と快投。6回無死三塁のピンチではギアを上げ、自己最速タイの146キロを計測した。「特に意識はしてないんですけど、とにかく思いっきり腕振って腰切ってっていう。後悔なく全力でっていう感じで振り切った」(サンケイスポーツ)と振り返った。完封した準決勝に続く”スミ1完封”へ、あと1イニングと迫っていた。
9回、暗転 4番・片岡拓月捕手に逆転3ラン
しかし9回表、劇的なドラマが待っていた。先頭から2者連続安打で無死一、三塁。ここで、それまで3打席封じていた拓大紅陵の4番・片岡拓月捕手(3年)に、左越えの逆転3ランを被弾した。127球を投げ抜き、8安打3失点9奪三振の完投だったが、土壇場で試合をひっくり返された。その裏の攻撃で2安打を放ち粘りを見せたものの、あと一歩及ばなかった。
勝負の一球を悔いた門倉投手は、「あそこを抑えるのがエース。あそこで抑えられなかったのが悪い」と責任を一身に背負った。逆転を許した片岡捕手との対戦については、「決して甘いボールではなかったんですけど、相手の片岡君の方が上だった」と相手を認め、「スタンドにいる3年生にはごめんっていうのを伝えたい」と唇をかんだ。試合後はナインがグラウンドにうずくまり、涙が止まらなかったが、エースは気丈に振る舞い、仲間の肩を支えた。
師弟の信頼、そしてセンバツ4強の全滅
門倉投手が専大松戸に進学したのは、福岡ソフトバンクの上沢直之投手ら数々の名投手を育てた持丸修一監督(78)の手腕に惹かれてのことだった。「ピッチャーとしての部分は全部監督と一緒に作った」というほどで、「腕を速く振れ」という助言をもとに練習を重ね、球速は139キロから145キロへと上昇した。
「監督には感謝しています」と門倉投手が話すと、持丸監督は「門倉は最高でした。1人で重圧の中投げ抜いてくれた。負けたのは監督の責任」とねぎらった。一方で「やっぱりもう1人(2番手投手)を作ってやれなかったっていうのはね」と悔いも口にした。
専大松戸は今春のセンバツで過去最高の4強に進出。プロ注目の菰田陽生投手を擁する山梨学院など強豪を破って準決勝まで勝ち上がり、優勝した大阪桐蔭にも1点差の好ゲームを演じた。この敗戦で、センバツ4強の大阪桐蔭、智弁学園(奈良)、中京大中京(愛知)に続いて専大松戸も姿を消した。センバツ4強が同年の夏の甲子園に1校も出場できないのは、1994年以来32年ぶりの珍事となった。
悔しさを胸に、門倉投手の次のステージでの成長と飛躍を期待したい。
【門倉 昂大】 プロフィール
- 所属:専大松戸高校(3年)
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:今春のセンバツで専大松戸を4強へと導いたプロ注目の右腕。持丸修一監督の指導のもと、昨冬から腕の振りを速める意識とフォーム改造に取り組み、球速を139キロから145キロへと引き上げた。第108回全国高校野球選手権千葉大会の決勝・拓大紅陵戦では、9回127球を投げ8安打3失点9奪三振で完投。8回まで無失点と好投し、6回には自己最速タイの146キロも計測した。惜しくも春夏連続の甲子園には届かなかったが、名将との信頼を糧に磨いた実戦力で、次のステージでの活躍が期待される。
















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