春夏連続の甲子園を目指す帝京が、来秋ドラフト候補の2年生・目代龍之介外野手(16)の一発で息を吹き返した。第108回全国高校野球選手権東東京大会準々決勝が7月23日に神宮球場で行われ、序盤に0−5とリードを許した帝京が、8回に目代選手の同点ソロが飛び出すと、それを口火として4得点を挙げ試合をひっくり返し、郁文館を11−8で下して2年ぶりのベスト4進出を決めた。
0−5からの猛反撃、女房役と3年生が同点への流れをつくる
この日は下級生投手の継投だった。先発した羽吹恭丞投手(1年)は初回、1死満塁のピンチを招いて犠飛で先制を許すと、3回にも2点を失って降板した。2番手の関口凱士投手(2年)も流れを止められず、3回までに5点のリードを許す苦しい立ち上がりとなった。
それでも打線は粘りを見せた。3回裏に鈴木優吾捕手(2年)の適時打と相手失策で3点を返すと、4回2死満塁では蔦原悠太内野手(3年)の中前適時打で同点に追いついた。5回に再び3点を勝ち越されたが、6回、7回に1点ずつを返して1点差まで詰め寄り、終盤の反撃態勢を整えた。
技ありの通算22号、「6割の力」で振り抜いた起死回生弾
1点を追う8回、先頭で打席に立った3番・目代龍之介選手が左翼席へ同点ソロを豪快に運んだ。「真っすぐを上手く、力感もよく、6割くらいの力で振った。その結果、詰まっても伸びる打球になったのでよかった」(スポーツニッポン)。完璧に見えた一打は実は詰まっていたが、力まずに振り抜いたからこそスタンドまで届いた。「強く振れば飛ぶと思っていたのは違うと最近分かってきた」(スポーツニッポン)と、体を柔らかく使って力を打球に伝える技ありの一撃だった。
この日は第1、第2打席が連続四球、第3打席は死球と、3打席連続で勝負を避けられた。それでも「勝負を避けられるのは分かっていた」(デイリースポーツ)と動じず、6回には左線二塁打で出塁して安藤丈二選手(3年)の適時打で生還するなど、少ない好機を確実にものにした。
高校通算22号は今大会2本目で、2試合連発となる価値ある一発。スタンドインを確信した主砲は拳を突き上げ、「ゲームが振り出しになり、ベンチに『ここからだぞ』という意味を込めました」(デイリースポーツ)とチームを鼓舞した。目代選手の同点弾を口火に帝京はこの回一挙4得点。押し出し四球で勝ち越すと、暴投と中犠飛で突き放し、大逆転を完成させた。
この日は、MLB・カージナルスの大慈弥功日本駐在スカウトが視察に訪れるなど、メジャーも熱視線を送る中での一発だった。「自分がこの帝京高校を引っ張るという中で、あの土壇場で同点ホームランを打てたのは、スタンドにもベンチにも勢いをつけられた」(スポーツニッポン)と、チームを背負う自覚をのぞかせた。
「食トレ」で4キロ増量、パワーを支える体づくり
土壇場の一振りの裏には、春から取り組んできた「食トレ」があった。元々、恵まれた体に注目されていたが、センバツ後、目代選手は体づくりを見直し、体重を92キロから96キロまで増やした。寮では昼に「大」と「小」の2種類の弁当を完食し、朝から就寝前まで1日5回プロテインを摂取する生活を続けたという。「揚げ物ではなく、魚などから取れる良い油を意識した。体も強くなったし、パワーも出てきた」(日刊スポーツ)と、食事の質にもこだわって成長を続けてきた。2試合連発は、こだわり抜いた肉体改造の証しでもある。
金田優哉監督(41)は「目代の一振りで流れを変えてくれた。次につながる試合ができてよかった」とたたえ、「目代は、まだまだ技術はこれから上がっていく。ポテンシャルは高い」(サンケイスポーツ)と2年生大砲の伸びしろに期待を寄せた。帝京は25日の準決勝(神宮)で二松学舎大付と対戦する。2011年以来となる夏の聖地、そして春夏連続の甲子園まであと2勝。名門を牽引する主砲のバットは、勢いを増してきた。
【目代 龍之介】 プロフィール
- 氏名: 目代龍之介(めだい・りゅうのすけ)
- 所属: 帝京高校(2年)
- 出身: 青森県八戸市(根城中→八戸智徳リトルシニア。小学1年から平内クラブで野球を始めた)
- ポジション: 外野手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 187cm、96kg
- 主な特徴や実績: 1年時から主力を担う帝京の2年生大砲で、高校通算22本塁打を誇る来秋ドラフト候補。中学時代は陸上部で砲丸投げの青森トップに輝いた身体能力の持ち主で、50メートル走6秒0、遠投115メートルをマークする。今春センバツ後に取り組んだ「食トレ」で4キロ増量し、パワーに磨きをかけた。東東京大会準々決勝の郁文館戦では、0−5からの逆転劇の口火となる高校通算22号の同点ソロを放つなど、勝負強さを発揮。米大リーグ・カージナルスのスカウトも視察に訪れており、春夏連続の甲子園出場が期待される。
















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