第108回全国高校野球和歌山大会は準々決勝が行われ、市和歌山のプロ注目151キロ右腕・丹羽涼介投手(3年)が智弁和歌山に対峙した。9回126球を投げ抜く熱投を見せたが0―2で敗れ、最後の夏を8強で終えた。3年連続の夏甲子園を目指す強打の智弁和歌山打線を相手に最速150キロをマークし、7回まで散発3安打無失点と好投しネット裏に陣取ったNPB4球団のスカウトに強烈な印象を残した。美容師の道も目指しており、進路についてこれから熟考する。
4回2死まで無安打、大一番で最速150キロを連発
「この試合に合わせてやってきた」と臨んだ智弁和歌山との大一番、丹羽涼介投手は立ち上がりから飛ばし、強打の智弁和歌山打線を4回2死まで無安打に封じた。直球は最速150キロを計測。スライダーやカットボールを交えながら、「(相手は)速い球が得意なのでストレートを抜いて投げたりしました」(スポーツ報知)と工夫も光らせ、7回まで散発3安打とスコアボードにゼロを並べた。
春の県大会では初戦で智弁和歌山に6回5失点で敗れ、その後はフォームを崩して140キロも出ない不調に苦しんだ。そこから夏の初戦の田辺工戦では最速146キロで1失点完投と復調を遂げると、中5日で迎えたリベンジの一戦は、「いつも以上に(球も)走っていて。1番に近い内容。出し切りました」(スポーツ報知)と胸を張れる内容だった。
8回に均衡破れる、それでも9回まで140キロ台後半
試合が動いたのは8回だった。先頭打者への死球と暴投で無死三塁のピンチを招くと、荒井優聖内野手(3年)に右犠飛を許して先制点を献上。9回にも1死から3連打を浴びて1点を失った。それでも終盤まで140キロ台後半の直球を連発し、9回6安打2失点、126球で投げきった。
「チームを甲子園に連れて行きたい気持ちが大きかったので悔しい」と唇をかんだが、涙はなかった。「(練習を)サボったりして3年間、(チームメートにも)迷惑をかけてきた。甲子園に連れて行って恩返ししたかった」と振り返りつつ、「悔しいけれど、全部出し切ったので悔いはない」とすがすがしく語り、号泣するナインの肩を抱いて慰めて回った。「今までで一番濃い3年間でした」と充実感もにじませた。
4球団が視察、プロか美容師か「比重はプロ寄り」
この日はネット裏でNPB4球団のスカウトが視察。阪神は畑山統括スカウトを含む3人態勢で臨んだ。
巨人・岸スカウト:「今年見た中で一番良かった。(前回登板とは)人が違った感じです。腕もしっかり振れているし、ベース板でも力強い球が来ていた。大一番で自分の力を出せるのも“持っている”と思います」
阪神・岡本スカウト:「ストレートも走っていたし、変化球も思うように投げられていた」
一方で丹羽投手には美容師になるという夢もあり、今秋のプロ志望届提出は熟考中だ。「プロ野球は誰でも行ける場所ではない。だけど、美容師にも興味がある。(野球に)未練はないけど、まだ悩んでいます」と率直な胸中を明かしつつ、「(プロか美容師か比重は)プロ寄りです。しっかり考えたい」と語った。
高校2年センバツの横浜戦での鮮烈デビューから150キロ右腕として注目されてきた丹羽投手、やはりその力を上のステージで見たい。進路の決断に注目したい。
【丹羽 涼介】 プロフィール
- 氏名:丹羽涼介(にわ・りょうすけ)
- 所属:市立和歌山高校(3年)
- 出身:和歌山県(名草少年野球団→明和中・紀州ボーイズ)
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:184cm、77kg
- 主な特徴や実績:最速151キロの直球にスライダー、カットボールを織り交ぜる本格派右腕。中学時代は紀州ボーイズで3年春の春季全国大会準優勝を経験し、市和歌山では1年春からベンチ入り、2年春にセンバツ出場を果たした。春以降はフォームを崩して不調に苦しんだが、最後の夏の智弁和歌山戦で9回6安打2失点完投、最速150キロをマークして復活を証明。NPB4球団のスカウトが視察し、巨人・岸スカウトから「今年見た中で一番良かった」と高い評価を受けた。美容師への夢と二択で熟考中の進路は「プロ寄り」と明かしており、次の舞台での決断と飛躍が期待される。














コメント