第108回全国高等学校野球選手権愛知大会が28日に開幕し、開幕試合に臨んだ刈谷北高が津島北高を13―3の7回コールドで下した。先発した刈谷北高の最速140キロ左腕・出雲暖人投手(3年)は、県内公立屈指の好左腕と注目されているが、この日は直球が130キロ前半とまだ走らなかったものの、得意のチェンジアップを軸に組み立て、4回を2安打無失点、打者17人から6奪三振を奪う力投を見せた。
直球が走らずとも、得意のチェンジアップで打者を翻弄
出雲暖人投手は、ダイナミックなフォームから140キロの速球を投げる投手で、昨年の高蔵寺・芹澤大地投手のように公立高校から出た好左腕として注目されている。この日は直球が130キロ前半と本来の球速では無かったが、持ち味のチェンジアップを効果的に織り交ぜ、四球を出しても要所で三振を奪って抑えた。4回を投げて2安打6奪三振無失点で抑え、味方が13点を奪って勝利した。
出雲投手は「初戦は大事だと思っていました。四球も出してしまいましたけど、要所で三振を奪うなど自分の持ち味は出せたかなと思います」(スポーツニッポン)と話した。
中京大中京を二度苦しめた実力、武器は「観察力」
出雲投手の実力は、強豪相手の試合ですでに証明されている。今春選抜4強の中京大中京高を相手に、昨夏の愛知大会5回戦では1失点完投、そして今春も3失点で完投するなど、いずれも試合は敗れたものの好投を見せていた。全国レベルの打線を相手に真っ向から渡り合った事は、愛知県の各高校にも当然知れ渡っている。
出雲投手は自らの武器について、「観察力が自分の持ち味だと思います。周りを見ることが昔から得意で。打者の振りを見て次の球種を考えたり、自分から守備位置を指示したり。投球だけでなく、走者としても隙を見て次の塁を狙ったりする。そういう観察力はある方かなと思います」(スポーツニッポン)と語った。マウンド上の駆け引きから走塁まで、盤面を読む力がこの左腕の投球を支えている。
「文武両道」を実現した進学校の星、大学でプロ志望届を目指す
刈谷北高は昨年度に京大合格者2人を輩出した県内有数の進学校で、中学時代に軟式クラブで全国大会を経験した出雲投手は、「文武両道を実現したい」とこの進学校を選んだ。そして高校で投手として本格的に投げると、潜在能力が一気に開花し、「進学校の星」となった。
高校卒業後は受験ではなく、スポーツ推薦での大学進学を見据えている。「高校野球を終えても野球を続けるのだろうな…とはイメージしていましたけど、こうして注目もしていただけるようになった。大学でプロ志望届を出せるぐらいの投手になれたらいいなと思いますし、社会人野球などずっと野球を続けられたらいいなと思います」(スポーツニッポン)と将来を描いた。
まずはこの夏に140キロ左腕の出力を見せ、野球の強い大学に進学し、そこで更に体を作り上げてプロ志望届を提出する左腕になって欲しい。そのためにもこの夏の投球が注目される。
【出雲 暖人】 プロフィール
- 氏名: 出雲暖人(いずも・はると)
- 所属: 刈谷北高校(3年)
- 出身: 愛知県知立市(猿渡ファイターズ→知立中・知立ノースクラブ)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 177cm、71kg
- 主な特徴や実績: 最速140キロの直球と得意球のチェンジアップを操る、愛知の公立を代表する好左腕。打者の振りから球種を読み、自ら守備位置を指示するなど「観察力」を武器とする。中学時代に軟式クラブで全国大会を経験し、進学校の刈谷北で投手に本格転向して才能を開花させた。今春選抜4強の中京大中京を昨夏・今春と二度にわたり完投で苦しめた実力者で、第108回愛知大会の開幕試合では4回を無失点6奪三振と好投した。大学でプロ志望届を出せる投手になることを目指す。












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