米大リーグのドラフト8巡目(全体235番目)でマーリンズから指名されたスタンフォード大の佐々木麟太郎内野手(21)が7月19日、国内で会見を開き、同球団への入団を表明した。昨秋のドラフト会議で1位指名を受けた福岡ソフトバンクへの思いを問われると、涙を流しながら「申し訳なさと感謝しかない」と話した。
「苦しい決断でした」、1位指名した球団への謝意
佐々木麟太郎内野手は会見で、福岡ソフトバンクの三笠杉彦GMらの名前を挙げ「高校時代から一番、評価と思いを寄せていただいた球団。申し訳なさと感謝しかないと思っています。苦しい決断でした」(スポーツニッポン)と語り、涙を流した。
花巻東監督を務める父・洋氏も「このような決断は誠に心苦しく、貴重なドラフトの1枠、しかも1位枠を無駄にしてしまう形となり、申し訳ない気持ちでいっぱいです。深くおわび申し上げます」と声明を出した。
福岡ソフトバンク・小久保監督「ビッグリーグで活躍する姿を見たい」
昨秋のドラフト会議で佐々木内野手を1位指名した福岡ソフトバンクは、背番号1を提示し、孫正義オーナー(68)はビデオメッセージも寄せていた。それでも球団はメジャー行きの夢を貫いた佐々木内野手の姿勢を尊重した。
小久保裕紀監督(54)は試合後、入団表明の一報を受けて「ビッグリーグで活躍する姿を見たいですね」(日刊スポーツ)とエールを送った。
加藤豪将氏がエール、「30球団に対するトライアウトだと思って」
日本人としてNPBを経由せずにメジャーデビューしたブルージェイズの加藤豪将氏(31)も、19日(日本時間20日)の本拠地でのホワイトソックス戦前の取材で佐々木内野手にエールを送った。加藤氏はランチョ・バーナード高(カリフォルニア州)から13年ドラフト2巡目(全体66番目)でヤンキースに指名されて入団し、マイナー生活を経て22年にメジャーデビューを果たした経歴を持つ。現在は球団でデータ分析などに取り組む運営補佐を務める。
加藤氏は「(佐々木が)日本にいても、アメリカにいても、僕は絶対に応援すると決めていたので、アメリカに挑戦する日本人としてリスペクトします」と声を弾ませた。佐々木内野手もスタートはマイナー生活となることが確実だが、加藤氏は自身の経験を踏まえ「(マイナーでは)、30球団に対するトライアウトだと思って出場を続けてほしい。誰が見ているかわからない」と語り、「1人ぼっちと感じる日々もあるかもしれないけど、それは多分佐々木選手は慣れていると思うので、メジャーデビューを目指して頑張ってもらいたいです」(スポーツニッポン)と笑顔を見せた。
日本のアマチュア野球選手、ドラフト1位指名選手が直接メジャーへ
昨秋のドラフト会議では、福岡ソフトバンクと横浜DeNAが相次いで佐々木麟太郎選手を1位指名し、大きな驚きと歓声が挙がっていた。そして交渉権を獲得した福岡ソフトバンク入りなるかを半年近く見守ってきたが、残念ながら入団とはならなかった。しかし日本の高校野球で史上最多の140本塁打を放った驚異のスラッガーを、そのまま見逃していては日本のプロ野球の立場は無くなっていたかもしれない。
しかし、日本の高校生が、そして日本のドラフト会議で1位指名された選手が、アメリカの大学を経由する形でMLBのドラフト会議で指名されて直接、MLBの舞台へと飛び立った現実を、日本のプロ野球は高い危機感を持って受け止めなければならない。
これで国内で活動するMLBのスカウトも、一層、日本のアマチュア選手の獲得を狙ってくるだろう。日本のアマチュア野球市場の価値は非常に高く、そしてMLBはその支配を着実に進めているのは間違いない。唯一それに、選手の年俸の面や力の面で贖っていこうとしている福岡ソフトバンクは、ドラフト1位指名に穴を開ける結果になってしまったが、大きな敬意を評したい。
【佐々木 麟太郎】 プロフィール
- 所属: スタンフォード大学
- 出身: 花巻東高
- ポジション: 内野手
- 主な特徴や実績: 花巻東高時代から屈指の強打者として注目を集め、昨秋のドラフト会議では福岡ソフトバンクから1位指名を受けた。進学したスタンフォード大を経て、今回の米大リーグのドラフトで8巡目(全体235番目)でマーリンズから指名され、入団を表明。マイナーからのスタートが確実な状況ながら、メジャーデビューを目指して米国での挑戦に踏み出す。










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