【ドラフト総決算6】大学生のドラフト候補、4年間の評価の変遷

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2020年のドラフト会議、大学生では近畿大・佐藤輝明選手に4球団、早稲田大・早川隆久投手に4球団が1位指名で重複し、共に大学生のNO.1と評価されました。

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1年

1年春、東京六大学と東都で1年生投手が活躍する。慶応大の関根智輝投手は都立城東時代に都立の星として注目されていた右腕で、1年生春に2勝を挙げる活躍を見せる。また、東洋大の村上頌樹投手は、前年のセンバツで智弁学園を優勝に導いた立役者だった。

そして関西では新たなスターが名乗りを上げた。近畿大の佐藤輝明選手は5番レフトで出場、次々と強烈な打球を飛ばした。仁川学院高校時代は大きく名前の挙がる選手ではなかった。しかし、3年夏以降に飛距離が急激にのび、仁川学院関係者が近大の田中監督に情報を伝えると、田中監督が一目ぼれして入学が決まっていた。佐藤選手はこの春こそホームランは0本だったが、秋から4年秋までホームランを打ち続けた。

中央大も期待の1年生が登場する。松本第一から入学した牧秀悟選手は、開幕戦からショートのレギュラーとして起用された。しかし開幕から2戦目の日大戦、2-2で迎えた延長10回、1アウト1,3塁の場面でショートゴロ、牧選手が併殺を狙いセカンドに送球するもこれが悪送球となり、サヨナラの点が入った。牧選手は茫然としながらベンチへと引き上げ涙を流した。しかしその後も牧選手はショートで起用され続け、これが原点となった。

高校時から注目されていた早川隆久投手も春のリーグ戦で1勝を挙げるも2敗、高校時代からは力が増したが、力が入った投球が多く、しっかりと勝ち切れない投手で、秋も0勝1敗に終わっていた。仙台では東北福祉大の山野太一投手が春に4勝0敗といきなりエース格の活躍を見せる。

大学野球選手権では、天理大の森浦大輔投手が注目を集める。大商大戦で9回4安打16奪三振2失点の快投を見せる。左からのキレのある球に、今後スカウトの目が集まることになる。

秋にも投手が頭角を現す。九州産業大の岩田将貴投手が福岡教育大戦で9回1アウトまでパーフェクトピッチングを見せると、東都では亜細亜大の平内龍太投手が150キロの球を投げ、9回6安打12奪三振2失点で完投勝利を挙げた。平内投手は神戸国際大付時代に185cmから146キロの速球を投げていたが、プロ志望届を提出したものの指名漏れし、涙を流しながら大学入学を決めた。大学入学後に右大腿骨疲労骨折で出遅れたものの、その素質の高さは大いに注目された。

昨年ドラフト指名漏れの亜細亜大の1年生・平内龍太投手が150キロ、2失点完投初勝利
亜細亜大は1年生の平内龍太投手が先発し、9回6安打12奪三振2失点で完投勝利を挙げた。球速は150キロを記録した。

また慶応大では優勝をかけた早慶戦で1年生の佐藤宏樹投手が活躍、1回戦でリリーフで3イニングをパーフェクト6奪三振、2回戦は先発して8回4安打11奪三振2失点の好投を見せ、チームを優勝に導いた。この秋の成績は3勝0敗、防御率1.03でリーグ1位となり、26回1/3で42奪三振と驚異的なものだった。スタンドで視察したスカウト陣からは、「今の段階でもドラフト候補」との声が聞かれた。しかし、この後は肘の痛みに苦しみながら秋を迎える事になってしまう。

慶大・佐藤宏樹投手が8回4安打11奪三振、スカウト「今の段階でもドラフト候補」
東京六大学では慶応大が早稲田大に連勝しリーグ優勝を果たした。1年生の佐藤宏樹投手が先発し、148キロの速球で8回4安打2失点の好投を見せた。慶応大・岩見雅紀選手はリーグ通算21本塁打で終わったが優勝に歓喜の涙。

2年

2年生になって、近大・佐藤輝明選手の注目度はグングン増していく。春のリーグ戦には阪神など8球団14人のスカウトが視察をすると、その試合で満塁ホームランを放っている。その後、侍ジャパン大学代表合宿に選ばれると、紅白戦で上茶谷大河投手(東洋大・2018年DeNAドラフト1位)からもホームランを放っている。

左腕投手の活躍も目立った。九州産業大の岩田将貴投手は春のリーグ戦で7勝0敗、防御率1位でMVPを獲得、また関西国際大の武次春哉投手も7勝0敗の成績を残し、秋も7勝0敗と大エースとなって行く。東北福祉大の山野投手も春に再び4勝0敗を力を見せていた。

また東海大の山崎伊織投手と小郷賢人投手もブレークする。首都リーグの筑波大戦では山崎投手が9回2アウトまで4安打無失点に抑えると、小郷投手が154キロの速球でしっかりと抑える。そして大学野球選手権では苫小牧駒大の伊藤大海投手が日本文理大を9回5安打10奪三振2失点に抑える。

その年の侍ジャパン大学代表には、小郷賢人投手、伊藤大海投手、佐藤輝明選手、九産大の内野手・児玉亮涼選手が選ばれ、合宿には岩田将貴投手、桐蔭横浜大の渡部健人選手、関東学院大・関龍摩選手が召集された。

侍ジャパン大学日本代表(2018)選手一覧
【6月24日更新】 全日本大学野球連盟は、7月3日~9日まで日米大学野球と、7月13日からオランダで行われるハーレムベースボールウィークに出場する侍ジャパン大学代表のメンバーが決定しました。

秋には東京六大学の新人戦で、法政大の鈴木昭汰投手が明治大戦で7回参考ながらノーヒットノーランを記録、翌年からのエースとしての活躍が期待された。

3年

東都の村上頌樹投手が大きく化ける。前年まで東洋大の協力投手陣を形成した上茶谷大河投手と甲斐野央投手、梅津晃大投手が卒業し、3人から「来年はおまえしかいない」と後を託された。村上投手は1年の活躍の後調子を崩していたが、この春の6勝0敗、防御率0.77でリーグ1位、まさに一人エースとして孤軍奮闘を見せた。村上は秋も3勝2敗、防御率1.26でリーグ1位、来年のドラフト候補として注目される投手になる。

一方、早稲田大の早川隆久投手も成長を見せる。8試合51イニングを投げるチームのエースとして期待されたが3勝2敗、秋も2勝4敗とまだしっかりと勝ち切れる投手とは言えなかった。それでも侍ジャパン大学代表合宿では140キロ後半の球を連発し、左のエース格として活躍を見せる。これをきっかけに飛躍をする。慶応大も木澤尚文投手が春のリーグ戦で154キロを記録、2勝0敗の活躍を見せた。

東北福祉大の山野太一投手も春に5勝0敗、秋も5勝0敗と手が付けられなくなっていく。特に春は防御率0.00と驚異的な数字を残した。東海大の山崎伊織投手が凄みを増す。山崎は春に3勝1敗も、打てないと言われるスライダーを身に着け、大学日本代表でもリリーバーとしてメジャー予備軍を寄せ付けなかった。

中央大の牧秀悟選手は大きく変わった。2年まではショートで、フットワークの良さとスピード感を持った好選手だったが、3年にかけてプロの打者の打撃を分析し、強い下半身が必要と強化をする。すると競輪選手並みの足を手に入れ、セカンドに回る一方で、4番として不動の地位を築いていく。侍ジャパンでも3年生ながら4番を打ち、数々のチャンスで得点を挙げた。また、五十幡亮汰選手も春のシーズンは足の肉離れで出遅れたものの、秋には9盗塁を記録し、その足を見せ始める。また課題と言われた打撃でも2年秋に打率.342を記録すると、この秋も打率.300と本格的な成長を見せた。

一方で佐藤輝明選手は大学に入って初めてといってもいい挫折を経験する。春のリーグ戦では打率.333、2本塁打、12打点の好成績を残したが、大学代表合宿では故障もあり、思うような打撃ができず代表から漏れてしまう。この故障が影響したのか秋は打率.188に低迷してしまう。それでも2本塁打9打点を挙げているのはさすがだった。

他にも楽しみな選手が出てきた。春のオープン戦で赤上優人投手が153キロを記録、150キロ台の球をバンバンなげ、JR東日本打線を封じた。仙台大の宇田川優希投手も150キロ投手となり、東北福祉大の山野と戦いを繰り広げていた。亜細亜大の内間拓馬投手も150キロを記録、春の東都リーグで2勝3敗、立ち上がりに不安が残り、それは代表に選ばれての日米大学野球でも露呈する。しかし、その高い素質に注目するスカウトは一人や二人ではなかった。

そして大学野球選手権では八戸学院大の大道温貴投手が見せる。佛教大戦で8回1/3まで5安打10奪三振の好投を見せる。140キロ後半の速球に伸びがあり空振りを奪える投球に、この大会で最も印象に残った投手となった。

また、上武大の古川裕大選手は春のリーグ戦で5本塁打を記録し、大学野球選手権でもきれいな打撃で三塁打を打った。古川選手は合宿でも評価され、海野隆司選手、佐藤都志也選手、郡司裕也選手という4年生の中の一角に加わる。

代表では、セカンドは牧選手が固定されたが、ショートにも、元山飛優選手、小川龍成選手、児玉亮涼選手といった3年生の好選手が集まりポジションを争いをした。

大学生ドラフト番付(2019)~大学選手権場所~
大学野球選手権のドラフト番付をしてみました。
大学野球選手権の選手評価や感想
大学野球選手権は明治大が38年ぶりの優勝という事で、東京六大学代表が貫録の強さを見せた。出場した選手の評価や大会の感想などをまとめてみる。
侍ジャパン大学日本代表メンバー(2019)
【6月23日更新】 7月16日~21日に日本で行われる日米大学野球に出場する侍ジャパン大学代表の、代表メンバー24選手が決定しました。

秋のリーグ戦、中央大の牧と五十幡が絶好調で中央大を東都リーグ覇者に導く。下級生の頃に常に2部との入れ替え戦を経験していたが、その苦労がようやく報われた。

首都リーグでは日体大の森博人投手が頭角を現し3勝を挙げる。3年間で着々と成長し、155キロを記録して東海大に立ちはだかる。しかし、東海大の山崎投手も秋に4勝0敗と無双の投球を見せ、代表で付けた自信をいかんなく発揮し、チームを優勝に導いた。

明治神宮大会ではリーグ戦で5勝0敗の東北福祉大・山野投手が、東海大に打ち崩される。東海大の勢いは止まらず、東都覇者の中央大、牧・五十幡の力も及ばなかった。その東海大を止めたのは関西大だった。関西大はリーグ戦で左腕の高野脩汰投手が4勝0敗の成績を残して勝ち上がってきた。しかしリーグ戦後に肘痛となり、明治神宮大会ではリリーフで投げるも思うような投球は出来なかった。

その関西大に勝って優勝をしたのは東京六大学の慶応大、木澤尚文投手は準決勝の城西国際大戦で先発し、5回3安打7奪三振1失点の好投で優勝に貢献した。

4年

4年生に向け、前年の11月末に侍ジャパン大学代表の合宿が毎年行われる。早川隆久投手、伊藤大海投手、山崎伊織投手といった代表経験者に、大道温貴投手、宇田川優希投手、山野太一投手、入江大生投手、鈴木昭汰投手、中川颯投手、森博人投手、木澤尚文投手といった新たな投手が加わる。この時点で来年のドラフトは大学生投手が中心になることが予想された。

野手でも牧秀悟選手、古川裕大選手、元山飛優選手、小川龍成選手、児玉涼亮選手の経験者のほかに、佐藤輝明選手、渡部健人選手、榮枝裕貴捕手、五十幡亮汰選手、小川晃太朗選手といったそうそうたるメンバーが集まった。今振り返れば、結局この合宿に参加していないドラフト1位指名選手は平内龍太投手だけだった。

そしてこの代表に無名の選手が加わる。独協大の並木秀尊選手は首都リーグ2部でプレーしていた。しかし俊足は話題となっており、チーム関係者が並木選手の映像を作って代表選考委員に渡し、それが評価されての代表合宿入りだった。そしてこの合宿の50mのタイム計測で、五十幡選手よりも速いタイムを記録し、これが並木選手の人生を大きく変えることになった。

侍ジャパン大学代表候補選手一覧
来年の侍ジャパン大学代表候補合宿参加メンバー35名。合宿は3月16日から3月18日まで平塚で行われる。

また、福岡大準硬式の大曲錬投手も話題となった。153キロの速球を投げ、福岡大硬式野球部を含めても最速と噂が立ち、実際に春に行われた準硬式リーグ戦には、多くの球団のスカウトが詰めかけ、高い評価を示していた。

代表メンバーも1月に入ると、3月に予定されていた2次合宿の参加メンバーが発表された。しかし、新型コロナの影響により合宿はもちろん、春のリーグ戦(一部を除く)、そして大学野球選手権が中止されてしまう。

3月まで行われていたオープン戦ではとてもアピールの時間とは言えず、不安の中でコロナの影響が去るのを待ち、そして8月の東京六大学の春季リーグ戦が始まると、秋は各リーグとも試合数が少なくなる形でリーグ戦が開催された。

この期間に大きく成長した投手がいる。入江大生投手は3年の秋にその片鱗を見せていたが、夏のリーグ戦で150キロを超す威力ある球を見せると、秋のリーグ戦では明大のエースとして堂々の投球を見せた。法政大の鈴木昭汰投手も春のリーグ戦で150キロ級の球を見せ、高田孝一投手も155キロの球を投げ込んだ。

大道温貴投手も夏にかけて150キロに到達し、秋のリーグ戦では富士大を相手に18奪三振の快投を見せる。また上武大の佐藤蓮投手も155キロを記録し、秋に公式戦初登板をし、その剛球を見せつけた。

そして最も成長したのは早川隆久投手だった。春のリーグ戦も、そして秋のリーグ戦はさらに、150キロのストレートにすべての変化球が打たれない球になっており、10年に1人の投手に成長した。また亜細亜大の平内龍太投手が大復活を遂げ、156キロの速球を投げ込み亜細亜大のエースとなって戻ってきた。

バッターでも佐藤輝明選手は関西学生リーグ新記録となる通算14号ホームランを放ち、桐蔭横浜大の渡部健人選手は、1季8本塁打のリーグタイ記録に、23打点のリーグ新記録を樹立、駒澤大の若林楽人選手もリーグ戦で3本塁打を放ち、スカウトの目を惹きつけた。

一方で、この期間に大学生は大きく状況が変わった投手もいる。大商大で春先にプロを相手に好投を見せていた吉川貴大投手は、リーグ戦での実績がない事から、早めに社会人入りを決めた。東海大の山崎投手がトミー・ジョン手術を受け、プロ入りは絶望と見られた。慶応大の佐藤宏樹投手は手術をせずに回復を待ち、秋のリーグ戦に登板を目指していたが、ドラフト直前にトミー・ジョン手術を受ける。しかし、山崎投手も佐藤選手もプロ志望届を提出し、育成指名でもプロ入りするという意思を示した。

プロ志望届を出さなかった注目大学生(2020)
大学生プロ志望届が締め切りとなり、今年は158人が提出、これから追加掲載される可能性もありますが、昨年から50人の増となりました。その中で、プロ志望届を提出しなかった選手を紹介します。
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ドラフト会議

ドラフト会議では、早川隆久投手と佐藤輝明選手に4球団が競合し、大学NO.1を分け合った。また、伊藤大海投手と入江大生投手が単独1位指名を受け、鈴木昭汰投手が外れ1位で重複、平内龍太投手、渡部健人選手、木澤尚文投手が1位で指名された。

また、山野太一投手、五十幡亮汰選手、森浦大輔投手、高田孝一投手、牧秀悟選手、森博人投手、山崎伊織投手が2位までに指名されていった。

2020年ドラフト会議、12球団指名選手
2020年のドラフト会議で指名された選手一覧です。ドラフト会議は10月26日に行われ、合計123人が指名されました。
2020年ドラフト会議、主なドラフト指名漏れ選手
評価されていた選手の中で、ドラフトで指名漏れとなった主な選手を挙げます。
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コメント

  1. 立教中川投手一年大学選手権でMVP級の活躍だったのですが、何故スルーなのでしょうか。