第108回全国高校野球選手権北北海道大会の決勝が20日、エスコンフィールド北海道で行われ、白樺学園がクラークを7―3で下し、2年ぶり5度目の夏の甲子園出場を決めた。全国のトップを切って聖地への切符をつかんだ一戦で立役者となったのが、「3番・遊撃」で3安打1打点の2年生・後藤健選手だ。3月に左肘を脱臼骨折し「1年かかるかもしれない」と告げられた大けがから、驚異的な回復でこの夏に間に合わせた。
初回の口火から7回のダメ押し弾、打線をけん引した3安打
後藤健選手のバットが、この日の白樺学園の攻撃を動かした。初回2死からチーム初安打となる右前打で口火を切ると、打線は4連打でつないで3点を先制。2回2死一塁では右翼線二塁打でチャンスを広げ、3点の追加点を呼び込んだ。
3点を返されて3点差に迫られた直後の7回、先頭で打席に立つと右越えへソロ本塁打を運んだ。肩の可動域はまだ戻り切っておらず、「可動域は戻り切らず、打撃で肘が入ってこない影響はあるが(本塁打は)気持ちで打てた」(スポーツニッポン)と振り返る。「決勝戦だったので、自分がけがをしてチームに迷惑をかけた分、取り返すチャンスだと捉えていた」(スポーツ報知)とうなずいた。
試合は最後の打者を一ゴロに封じて終了。全国一番乗りでの甲子園出場決定となった。
「終わったな」から4カ月、147キロ右腕としての復帰
3月11日、練習中に転倒して左肘を脱臼骨折し、靱帯も断裂した。同17日に手術を受け、ボルトで固定して靱帯も修復した。「長くて1年かかると言われ、終わったなと感じた」(スポーツニッポン)と話す。それでも後藤選手は「リハビリの回数も増やしてもらって、酸素ルームに入ったり治療して」と、夏までの復活を諦めなかった。
骨が完全にはくっついていない状態のまま、5月上旬の東北遠征で投手として実戦復帰を果たす。「どうにかしてチームに貢献できないかと。冬にピッチャーのメニューに入っていたんで、切り替えはすぐにできた」と投手として最速147キロをマークするまで成長した。5月下旬に守備を再開し、6月上旬には打撃も解禁。今大会は投手として3試合に登板して5回3失点、打者としては21打数12安打、打率5割7分1厘、5打点を残した。
後藤選手は1年春から背番号4でレギュラーをつかんで出場を続けていたが、昨夏の北北海道大会決勝では旭川志峯に1点差で敗れた。昨秋の全道大会決勝も北照に0―2で屈した。敗戦後は全員がユニホーム姿のまま、十勝まで無言のバス移動。到着後も静かに道具を片付けた。「もう二度と同じ思いはしたくない」。さらに春の十勝支部代表決定戦でも帯広三条に0―2で敗れ、「数週間は立ち直れなかった」と明かす。
「悔しさは自分が一番分かっている。何とか甲子園に行きたいという思いがあったんで、回復につながったかな」(スポーツ報知)と話した。
2年生6人のスタメン、日本一まで見据える
敗れ続けたチーム。2季連続で準優勝に終わり甲子園を逃したチームは、亀田直紀監督が「運も意識した」と語るように、ゴミ拾いや整理整頓を率先して徹底してきた。今夏も4回戦で帯広大谷に苦しみ、1―0のサヨナラ勝ちでしのいだ末にたどり着いた頂点だった。
後藤選手は「3年生を勝たせることができて良かった。目の前の一戦一戦を勝っていけば、日本一も見えてくる」と痛快な目標を掲げた。ケガにとって新たに手にした147キロの右腕と、勝負強い打撃で、初めての甲子園での活躍を目指す。
【後藤 健】 プロフィール
- 氏名:後藤健(ごとう・たける)
- 所属:白樺学園高校
- 出身:北海道帯広市(帯広明星小4年時に明星・花園シャークスで野球を始め、帯広四中ではとかち道東ボーイズでプレー)
- ポジション:内野手(投手兼任)
- 投打:右投両打
- 身長・体重:177cm、78kg
- 主な特徴や実績:1年春に背番号4でベンチ入りし、昨夏の北北海道大会決勝でも先発出場した遊撃手。3月に左肘を脱臼骨折し靱帯も断裂する大けがを負ったが、驚異的な回復で5月上旬に投手として実戦復帰し、最速147キロをマークした。今夏の北北海道大会では投手として3試合5回3失点、打者としては21打数12安打、打率5割7分1厘、5打点と大きく貢献。決勝でも3安打1打点と打線をけん引した。初出場となる甲子園でも、二刀流としての活躍が期待される。









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