夏の高校野球選手権滋賀大会準々決勝で、近江が彦根東を5―0で下し準決勝に進出した。「7番・投手・DH」で先発した右腕・元翔之介投手(3年)が96球で9回を投げ切り、4安打無四死球5奪三振で自身初のマダックス(100球未満の完封)を達成。打っても2回に先制適時打を放ち、投打二刀流でチームをベスト4へと導いた。
96球のマダックス、5回まで一人も走者を許さぬ完璧投球
元翔之介投手は初回、先頭打者に左二塁打を許したものの、捕手の杉本将吾捕手(3年)の牽制で走者を刺し、この回を3人で終えた。そこから5回まで一人の走者も出さず、彦根東打線に付け入る隙を与えなかった。
187センチの長身から投げ込む最速141キロの直球に、3回戦から使い始めたツーシームを織り交ぜた。小森博之監督が「ハジメボール」と呼ぶ変化球をいずれも低めに集め、被安打4、無四球、5奪三振の力投。「そういうボールがあると打者に思わせることで、真っすぐがいきた」と、変化球の存在が直球を引き立てた。96球で完投しマダックスを達成した。
初回に杉本捕手が牽制で刺したプレーについて元投手は、「今日の中で一番大きかったプレー」と振り返る。日頃からピッチング練習やトレーニングも共にし、常にコミュニケーションを心がけており、信頼は絶大だ。「ボールが先行している時とかはしっかり声をかけてくれるし、低めとかの要求もしっかり意図があってリードしてくれる」と感謝を口にした。
先制打に7回のダメ押しヒット、打っても勝利に貢献
元投手はバットでも躍動した。両チーム無得点の2回、1死三塁の好機で左前へ先制適時打を放つ。この一打が決勝点となった。「チームに少しは貢献したいと思っていたので良かったです」と表情を崩した。7回にも右前へ貴重な2点につながる適時打を放ち、4打数2安打1打点と投打で存在感を示した。
杉本捕手も打線を援護した。1―0の4回、先頭で左翼へ大きなソロ本塁打を放って追加点をプレゼントするなど、マルチ安打の活躍でバッテリーそろって勝利をたぐり寄せた。プロ注目の上田健介投手(3年)も控える近江で、春から背番号「1」を手にした元投手が、投打二刀流でエースの存在感を示した。
次戦は雪辱を期す彦根総合、3年ぶり聖地へ突き進む
近江は中止となった第102回大会を挟み、13大会連続35回目の準決勝進出を果たした。23日の準決勝で対戦するのは、今春の滋賀大会準決勝で敗れた因縁の相手・彦根総合だ。「同じ相手に二度も負けられない。しっかり向かっていく強い気持ちで頑張りたい」と闘志を燃やした。
今夏の近畿勢では大阪桐蔭や智弁学園などセンバツ出場校が敗退している。「勝つという強い気持ちがこの結果につながった」と語る元投手が、その魔球を駆使して3年ぶりの甲子園へチームをけん引する。
【元 翔之介】 プロフィール
- 氏名: 元翔之介(はじめ・しょうのすけ)
- 所属: 近江高校(3年)
- ポジション: 投手・DH
- 投打: 右投
- 身長: 187cm
- 主な特徴や実績: 187センチの長身から最速141キロの直球を投げ込み、今大会から使い始めたツーシームを低めに集める右腕。春から背番号「1」を背負うエースで、「7番・投手・DH」の二刀流としても機能する。全国高校野球選手権滋賀大会準々決勝の彦根東戦では、96球4安打無四死球5奪三振でマダックスを達成し、打っても先制適時打を含む2安打1打点と投打で活躍。13大会連続35度目の4強入りを導き、3年ぶりの甲子園出場を目指す。












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